ここでは,FTPアダプタの役割,およびFTPアダプタを利用したファイル送受信の流れについて説明します。
FTPアダプタとは,FTPサーバとサービスプラットフォームとの間でファイルを送受信するためのサービスアダプタです。
FTP連携を利用したシステムでは,FTPクライアントとFTPサーバの間でファイルを送受信するために,接続するFTPサーバごとにFTPアダプタが必要になります。
FTPアダプタを利用したファイル送受信の流れを次の図に示します。
図8-24 FTPアダプタを利用したファイルの送受信の流れ
図中の制御およびデータの流れについて説明します。
- FTPサーバからFTPクライアントへのファイル転送の場合(GETオペレーション)
- FTPクライアントからファイル取得コマンドを実行すると,コマンドの実行要求がFTPインバウンドアダプタを経由してFTP受付に届けられます。そのあとビジネスプロセスが開始され,ビジネスプロセスからFTPアダプタが呼び出されます。
- ビジネスプロセスから実行要求を受け取ったFTPアダプタは,FTPサーバと接続してFTPクライアントにファイルを送信します。
- FTPクライアントからFTPサーバへのファイル転送の場合(PUTオペレーション)
- FTPクライアントからファイル送信コマンドを実行すると,GETオペレーションの場合と同様に,コマンドの実行要求がFTPアダプタに届けられます。そのあと,FTPアダプタは,FTPサーバと接続してFTPクライアントからFTPサーバにファイルを送信します。
- FTPサーバのファイル一覧情報を取得してFTPクライアント側へ送付する場合(GETINFOオペレーション)
- FTPクライアントから情報取得コマンド(LISTコマンドまたはNLSTコマンド)を実行すると,実行したコマンドに応じてFTPサーバ側に存在するファイルの情報の一覧またはファイルの名前の一覧を取得します。
FTP連携システム全体のファイル送受信の流れについては,「8.3 FTP連携を利用したファイル転送パターンの例」を参照してください。
- <この節の構成>
- 8.6.1 FTPアダプタの処理の流れ
- 8.6.2 FTPコマンドの実行
- 8.6.3 ファイル送受信時に使用するフォルダの指定
- 8.6.4 送受信後のファイルサイズ確認
- 8.6.5 タイマ管理
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