ここでは,FTPアダプタの機能として,FTPアダプタが実行するFTPコマンドの種類,実行条件,およびタイマ管理などについて説明します。
FTPアダプタは,ビジネスプロセスから実行要求を受けたあと,条件に応じてFTPサーバに認証・接続や転送コマンドなどのFTPコマンドを実行します。
FTPアダプタが実行するFTPコマンドの種類,および実行条件を次の表に示します。
表8-5 FTPコマンドの種類とコマンドの実行可否
分類 |
FTPコマンド |
コマンドの実行可否 |
接続・認証 |
(connect処理) |
◎ |
AUTH |
△※1 |
USER |
◎ |
PASS |
◎ |
ACCT |
△※2 |
保護レベル |
PBSZ |
△※3 |
PROT |
△※3 |
転送パラメタ |
TYPE |
△※2 |
MODE |
△※2 |
PASV,PORT,EPSV,EPRT |
○※4 |
ファイルサイズ確認 |
SITE FSIZE |
△※5 |
転送前コマンド・転送後コマンド,
リスト前コマンド・リスト後コマンド※6 |
MDTM,SIZE,STAT,DELE,MKD,XMKD,RMD,XRMD,PWD,XPWD,CDUP,XCUP,CWD,XCWD,NOOP,SITE,RNFR,RNTO,ALLO,OPTS,STRU,SYST |
△※7 |
転送または情報取得 |
STOR,APPE,RETR,LIST,NLST |
○※2 |
ABOR |
△※8 |
切断 |
QUIT |
◎ |
- (凡例)
- ◎:必ず実行されます。
- ○:どれか1つが実行されます。
- △:条件に依存します。
- 注※1
- FTPSを使用する場合で,Explicitモードのときに実行されます。FTPSに関する設定については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「付録H.1 FTPSを使用したセキュアな接続(FTPアダプタ)」を参照してください。
- 注※2
- 要求電文フォーマットの指定によっては実行されます。実行条件については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.10 FTPアダプタを定義する」を参照してください。
- 注※3
- FTPSを使用する場合に実行されます。
- 注※4
- FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.pasvportプロパティの設定に依存します。FTPアダプタ実行環境プロパティファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「FTPアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。
- 注※5
- SITE FSIZEコマンドの実行条件については,「8.6.4 送受信後のファイルサイズ確認」を参照してください。
- 注※6
- ファイルの転送コマンド実行前,転送コマンド実行後,リストコマンド実行前,またはリストコマンド実行後に実行されるコマンドです。
- 注※7
- 要求電文フォーマットの<ftp-commands-before>タグ,および<ftp-commands-after>タグに実行指示がある場合に実行されます。
- 注※8
- データ転送時にタイムアウトが発生した場合に実行されます。
- 注意
- FTPアダプタが実行するFTPコマンドの仕様はRFC959,RFC2228,RFC2428,およびRFC3659に準拠しています。ただし,次のコマンドは,RFCの仕様とFTPアダプタの仕様とで機能に差異があります。
- TYPE
FTPアダプタのTYPEコマンドにEBCDICは指定できません。
- MODE
FTPアダプタのMODEコマンドにブロックモードは指定できません。
- LIST
コマンドの引数でオプションを指定できます。ただし,接続先FTPサーバがオプションの指定をサポートしている必要があります。
- NLST
コマンドの引数でオプションを指定できます。ただし,接続先FTPサーバがオプションの指定をサポートしている必要があります。
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