Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド
ローリングアップデートとは,システムを全面停止しないで,更新インストールで移行する方法です。
ローリングアップデートで移行する場合,2台以上のHCSCサーバでロードバランスクラスタを構成している必要があります。
次の図に示す「(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)」〜「(13) リクエストの送信制御の解除(ロードバランサ)」の手順に従って,サービスプラットフォームを旧バージョンから09-87へ移行してください。
図H-3 ローリングアップデートの場合の移行手順(運用環境だけを移行する場合)
図H-3の「(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)」〜「(13) リクエストの送信制御の解除(ロードバランサ)」の手順の詳細と,2台目以降のHCSCサーバ(実行環境)に対して実施する作業を次に示します。
なお,手順内で使用するコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「5. コマンド(運用環境・実行環境)」を参照してください。
バージョンアップ前の運用環境のリポジトリをエクスポートして,いったん退避します。複数のリポジトリを使用している場合は,すべてのリポジトリをエクスポートして退避します。
cscrepctlコマンド(-exportオプション)を運用環境で実行して,バージョンアップ前のリポジトリをエクスポートしてください。
リポジトリのエクスポート方法の詳細については,「4.2 リポジトリのエクスポート」を参照してください。
運用環境で09-87のサービスプラットフォームをインストールしてバージョンアップします。運用環境は,新規インストールまたは更新インストールでインストールします。
インストールするときの前提条件を次に示します。
09-00より前のバージョンから移行する場合,次の製品をアンインストールします。これらは09-00以降でサービスプラットフォームに同梱されるため,アンインストールすることをお勧めします。
バージョンアップするHCSCサーバに対してリクエストを送信しないように,ロードバランサを設定します。その際,仕掛かり中のリクエストがないことを確認してください。なお,設定方法は各ロードバランサの仕様によって異なります。
実行環境で,09-87のサービスプラットフォームをインストールしてバージョンアップします。
実行環境は,新規インストールまたは更新インストールのどちらかの方法でインストールします。
09-00より前のバージョンから移行する場合,J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に次に示す定義があれば削除してください。定義の変更はSmart Composer機能または運用管理ポータルの使用をお勧めします。
09-00より前で使用していたオプションアダプタを移行する場合,次の作業を実施してください。
TP1アダプタ実行環境プロパティファイルをコピーします。コピー対象のファイルと,コピー先のディレクトリを次に示します。
コピー対象:<TP1アダプタのインストールディレクトリ>\config\*.properties
コピー先:<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\TP1\config\
ファイルアダプタ実行環境プロパティファイルをコピーします。コピー対象のファイルと,コピー先のディレクトリを次に示します。
コピー対象:<ファイルアダプタのインストールディレクトリ>\config\*.properties
コピー先:<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\File\config\
Object Accessアダプタ実行環境プロパティファイルをコピーします。コピー対象のファイルと,コピー先のディレクトリを次に示します。
コピー対象:<Object Accessアダプタのインストールディレクトリ>\config\*.properties
コピー先:<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\OA\config\
Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルをコピーします。コピー対象のファイルと,コピー先のディレクトリを次に示します。
コピー対象:<Message Queueアダプタのインストールディレクトリ>\config\*.properties
コピー先:<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\MQ\config\
FTPアダプタコマンド定義ファイルとFTPアダプタ実行環境プロパティファイルをコピーします。コピー対象のファイルと,コピー先のディレクトリを次に示します。
コピー対象:<FTPアダプタのインストールディレクトリ>\config\*.properties
コピー先:<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\FTP\config\
09-00より前のバージョンから移行する場合,次の製品をアンインストールします。これらは09-00以降でサービスプラットフォームに同梱されるため,アンインストールすることをお勧めします。
次の手順でサービスプラットフォームおよびReliable Messagingを移行してください。09-00より前のバージョンから移行する場合は,次の作業も必要です。
ejbserver.naming.port ejbserver.server.edition.settingforce
サービスプラットフォームの移行方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「10. 旧バージョンのアプリケーションサーバからの移行(J2EEサーバモードの場合)」を参照してください。
運用環境から実行環境のバージョンアップを実施します。
実行環境をバージョンアップするには,次の条件を満たしている必要があります。
前提条件を満たしていない場合,上記の順番で起動,停止,およびバージョンアップを実施してください。
cscenvupdateコマンドを実行して,リポジトリとHCSCサーバをバージョンアップします。
cscenvupdate -csc <バージョンアップするHCSCサーバ名> |
バージョンアップしたHCSCサーバを起動します。
「(10) 実行環境のバージョンアップ(運用環境)」で起動したHCSCサーバに配備されているHCSCコンポーネントを開始します。
バージョンアップしたHCSCサーバに対してリクエストを送信するように,ロードバランサを設定します。なお,設定方法は各ロードバランサの仕様によって異なります。
ロードバランスクラスタを構成しているすべてのHCSCサーバに対して,「(4) リクエストの送信制御(ロードバランサ)」〜「(13) リクエストの送信制御の解除(ロードバランサ)」の作業を実施します。
なお,旧バージョンで使用していたリポジトリ情報を開発環境でバージョンアップ前後に変更し,そのリポジトリ情報を使用して運用する場合のバージョンアップ方法については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「付録A 旧バージョンからの移行」を参照してください。
ローリングアップデートで移行する場合の注意事項は,開発環境,運用環境および実行環境のバージョンアップ時と同じです。ローリングアップデートで移行する場合の注意事項については,「付録G.4(15) ローリングアップデートで移行する場合の注意事項」を参照してください。
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