Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド
デバッグ情報の取得を設定した場合,出力されるデバッグ情報は次の3つの部分で構成されます。
デバッグ情報の出力形式を次に示します。
この項は,取得されたユーザ電文トレース(デバッグ情報)の確認方法について説明します。デバッグ情報の取得方法については,「7.3.1(5) デバッグ情報の取得方法」を参照してください。
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)の出力先を次に示します。
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)は,usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)のcsc.dt.debugtrace.filepathプロパティで指定されたパスへ出力されます。ファイル名を次に示します。
cscdebug_<グループ名>_<面数>.log
cscdebug_<グループ名>_.log
<グループ名>には,データ変換APIのインスタンス(グループ)の名称が付加されます。
<面数>には,usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)で設定した面数が付加されます。
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)は,HCSCサーバランタイム定義ファイルのtelegramtrace-filepathプロパティで指定されたパスへ出力されます。なお,指定したパスが存在しない場合,またはパスが誤っていた場合は,省略値の出力先にトレースが出力されます。
ファイル名を次に示します。
csctelegram_<HCSCサーバ名>_<面数>.log
csctelegram_<HCSCサーバ名>_.log
<面数>には,HCSCサーバランタイム定義ファイルで設定した面数が付加されます。
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)は,各コマンドで指定されたパスへ出力されます。ファイル名を次に示します。
cscdebug_dtcommand_<面数>.log
<面数>には面数が付加されます。面数の最大は16,1面当たりの最大サイズは2147483647バイトです。面数の最大値,最大サイズ,ローテーション方式は変更できません。
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)開始の出力形式を次の図に示します。
図7-30 ユーザ電文トレース(デバッグ情報)開始の出力形式
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)開始に出力される内容を次の表に示します。
表7-51 ユーザ電文トレース(デバッグ情報)開始に出力される内容
項目 | 内容 | |
---|---|---|
番号 | トレースレコードの出力通番が表示されます。 | |
日付 | トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。 | |
時刻 | トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。 | |
製品ID | 製品を特定するための識別子が出力されます。
|
|
pid | プロセスを識別するためのIDが出力されます。 | |
tid | スレッドを識別するためのIDが出力されます。 | |
ID | 表示されません。 | |
電文トレース開始取得ポイント識別情報 | 電文トレース開始 | ユーザ電文トレース開始を示す文字列「debugtrace started」が出力されます。 |
取得位置 | トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。
|
|
プロトコル種別 | 表示されません。 | |
詳細位置 | トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。
|
|
メッセージ共通ID | 表示されません。 | |
付加情報 | 次の付加情報が出力されます。
|
|
CRLF | レコード終端符号が出力されます。 |
データ変換基盤では,エラー発生までに処理した電文の情報をデバッグ情報としてユーザ電文トレースに出力できます。
デバッグ情報で出力される内容を次に示します。
表7-52 デバッグ情報で出力される内容
出力タイミング | 出力されるデバッグ情報 | 用途 |
---|---|---|
バイナリデータの読込時(バイナリデータ→DOMの変換) | 読み込みが完了したバイナリデータ,およびDOMの情報 | 処理中のデータに不正なデータが存在した場合,内容を確認できます。 |
入力データ全体のサイズ | 入力データの不正な個所を特定できます。 | |
入力データに対する現在の読み込み位置(エラーが発生した際の読み込み位置) | ||
エラー発生時に処理していたノードの絶対パス | ||
ルートアプリケーション情報 | 同じルートアプリケーション情報をメッセージログから引き当てることで,エラー原因のメッセージ出力個所を特定できます。 | |
バイナリデータの生成時(DOM→バイナリデータの変換) | エラーが起きたノードまでのDOMの情報 | 処理中のデータに不正なデータが存在した場合,内容を確認できます。 |
エラー発生時に処理していたノードの絶対パス | 入力データの不正な個所を特定できます。 | |
ルートアプリケーション情報 | 同じルートアプリケーション情報をメッセージログから引き当てることで,エラー原因のメッセージ出力個所を特定できます。 |
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)データの出力形式を次の図に示します。
図7-31 ユーザ電文トレース(デバッグ情報)データの出力形式
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)データに出力される内容を次の表に示します。なお,デバッグ情報がない場合(バイナリ,DOMのデータ長が0またはnullの場合)は,トレースデータを出力しません。
表7-53 ユーザ電文トレース(デバッグ情報)データに出力される内容
項目 | 内容 | |
---|---|---|
番号 | トレースレコードの出力通番が表示されます。 | |
日付 | トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。 | |
時刻 | トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。 | |
製品ID | 製品を特定するための識別子が出力されます。
|
|
pid | プロセスを識別するためのIDが出力されます。 | |
tid | スレッドを識別するためのIDが出力されます。 | |
ID | 表示されません。 | |
電文トレースデータ情報 | 出力位置(16進数形式) | ユーザ電文の先頭からのオフセット値(16進数形式)が出力されます。 |
データ(16進数形式) | ユーザ電文(バイナリデータまたはDOM)の内容が16進数形式で出力されます。 | |
データ(ASCII形式) | ユーザ電文(バイナリデータまたはDOM)の内容がASCII形式で出力されます。 0x20〜0x7Eの場合はASCII文字,それ以外の場合はピリオド(.)が出力されます。 |
|
CRLF | レコード終端符号が出力されます。 |
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)終了の出力形式を次の図に示します。
図7-32 ユーザ電文トレース(デバッグ情報)終了の出力形式
付加情報のデータ長の上限は目安です。上限値を超えても切り捨てられないで出力されます。
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)終了に出力される内容を次の表に示します。
表7-54 ユーザ電文トレース(デバッグ情報)終了に出力される内容
項目 | 内容 | |
---|---|---|
番号 | トレースレコードの出力通番が表示されます。 | |
日付 | トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。 | |
時刻 | トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。 | |
製品ID | 製品を特定するための識別子が出力されます。
|
|
pid | プロセスを識別するためのIDが出力されます。 | |
tid | スレッドを識別するためのIDが出力されます。 | |
ID | 表示されません。 | |
電文トレース終了取得ポイント識別情報 | 電文トレース終了 | ユーザ電文トレース終了を示す文字列「debugtrace ended」が出力されます。 |
取得位置 | トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。
|
|
プロトコル種別 | 表示されません。 | |
詳細位置 | トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。
|
|
メッセージ共通ID | 表示されません。 | |
付加情報 | 付加情報として,ユーザ電文の長さが10進数形式で出力されます。ユーザ電文がない場合は「null」,0バイトの場合は「0」が出力されます。 | |
CRLF | レコード終端符号が出力されます。 |
デバッグ情報の出力契機は,機能ごとに次のように異なります。
データ変換APIでのバイナリデータの変換処理中にエラーが発生した場合,デバッグ情報が出力されます。
HCSCサーバのデータ変換時のデバッグ情報を出力する場合(HCSCサーバランタイム定義ファイルのtelegramtrace-triggerプロパティに「DTERR」を指定した場合),デバッグ情報は次のタイミングで出力されます。
表7-55 ユーザ電文トレース(デバッグ情報)の出力契機と出力内容
タイミング | 出力されるデバッグ情報 |
---|---|
バイナリデータの読込処理(バイナリからDOMへの変換)時 | エラー発生までに処理した電文(バイナリ,DOM)の情報 |
バイナリデータの生成処理(DOMからバイナリへの変換)時 | エラー発生までに処理した電文(DOM)の情報 |
csctransformコマンドまたはcscbinaryparseコマンドの実行時にエラーが発生した場合,デバッグ情報が出力されます。
ユーザ電文トレース(デバッグ情報)のデバッグ情報を出力する場合の取得ポイントを説明します。
バイナリデータのデータ変換処理の解析エラー発生時に関して,ユーザ電文トレース(デバッグ情報)のトレース取得ポイントを次の図に示します。
図7-33 ユーザ電文トレース(デバッグ情報)の取得ポイント(バイナリデータのデータ変換処理の解析エラー発生時)
トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,上の図の中の番号と対応しています。
表7-56 ユーザ電文トレース(デバッグ情報)取得ポイント(バイナリデータのデータ変換処理の解析エラー発生時)
図中の番号 | トレース取得ポイント |
---|---|
1 | バイナリデータの読込処理のエラー発生個所 |
2 | バイナリデータの生成処理のエラー発生個所 |
バイナリデータ変換処理でエラーが発生した場合,デバッグ情報の出力可否に関係なく,詳細情報メッセージ(KDEC40312-I,KDEC40313-I)がメッセージログに出力されます。
詳細情報メッセージには次に示す情報が出力されるため,入力データの不正な個所の特定に利用できます。
また,詳細情報メッセージの出力個所の前後には,エラーの原因を示す例外メッセージが出力されているため,あわせて確認してください。
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