Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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7.4.2 リクエストトレース

HCSCサーバのメッセージング基盤では,次の内容をリクエストトレースとして取得できます。リクエストトレースは,リクエストの障害要因の解析に使用します。

ここでは,取得されたリクエストトレースの確認方法について説明します。リクエストトレースの取得方法については,「7.3.1(2) リクエストトレースの取得方法」を参照してください。

<この項の構成>
(1) リクエストトレースの出力先
(2) リクエストトレースの出力形式と出力される内容
(3) リクエストトレースの取得ポイント

(1) リクエストトレースの出力先

リクエストトレースの出力先を次に示します。

 
HCSCサーバランタイム定義ファイルのrequesttrace-filepathプロパティで指定したパス
 

なお,指定したパスが存在しない場合,またはパスが誤っていた場合は,省略値の出力先にトレースが出力されます。

リクエストトレースのトレースファイル名を次の表に示します。

表7-19 リクエストトレースのトレースファイル名

トレースファイルの出力モード トレースファイル名
ラップアラウンドモードの場合 cscmsgreq_<HCSCサーバ名>_<面数>.log
シフトモードの場合 cscmsgreq_<HCSCサーバ名>_.log

(2) リクエストトレースの出力形式と出力される内容

(a) 出力形式

リクエストトレースの出力形式を次の図に示します。

図7-7 リクエストトレースの出力形式

[図データ]

(b) 出力される内容

リクエストトレースに出力される内容を次の表に示します。

表7-20 リクエストトレースに出力される内容

項目 内容
番号 トレースレコードの出力通番が表示されます。
日付 トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。
時刻 トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。
製品ID 製品を特定するための識別子メッセージング基盤を示す「CSCMSG」が出力されます。
pid プロセスを識別するためのIDが出力されます。
tid スレッドを識別するためのIDが出力されます。
ID 表示されません。
メッセージ共通ID リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。
サービスリクエストID リクエスト識別情報(子ID)が出力されます。
取得ポイント識別情報 取得位置 トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。
  • RCP:標準受付
  • URCP:ユーザ定義受付
  • SVSND:サーバ間転送(送信)
  • SVRCV:サーバ間転送(受信)
  • BPRCP:ビジネスプロセスリクエスト受付
  • BPREQ:ビジネスプロセス呼び出し
  • SVC:サービス部品呼び出し(サービスアダプタ内)
  • SVCGP:サービスグループ呼び出し
プロトコル種別 トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。ただし,取得位置がBPRCP,BPREQ,またはSVCGPの場合は,表示されません。
  • SOAP:Webサービス
  • EJB:SessionBean
  • WSR:MDB(WS-R)
  • DBQ:MDB(DBキュー)
  • CUSTM:上記以外のプロトコル
詳細位置 トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。
  • IN:受付
  • OUT:応答
  • CAL:呼び出し(他コンポーネント)
  • RET:応答受信(他コンポーネント)
  • WRN:例外
名称 トレースの取得ポイント情報(名称)が出力されます。ただし,取得位置がRCP,URCP,BPREQ,またはSVRCVの場合は表示されません。
  • サーバ名
  • サービスアダプタのサービスID
  • ビジネスプロセスのサービスID
  • サービスグループ名
アダプタ種別 トレースの取得ポイント情報(アダプタ種別)が出力されます。ただし,取得位置がRCP,URCP,BPRCP,SVCGP,SVSND,またはSVRCVの場合は表示されません。
  • SVA:サービスアダプタ
  • BP:ビジネスプロセス
結果 応答結果種別が出力されます。ただし,詳細位置がINまたはCALの場合は,表示されません。
  • 正常終了:NORMAL
  • 異常終了:ERROR
付加情報 応答結果の付加情報が出力されます。
CRLF レコード終端符号が出力されます。

(3) リクエストトレースの取得ポイント

リクエストトレースの出力契機には次の種類があり,それぞれで取得ポイントが異なります。

(a) 単体サービス実行時

単体サービス実行時のリクエストトレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7-8 リクエストトレースの取得ポイント(単体サービス実行時)

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,「図7-8 リクエストトレースの取得ポイント(単体サービス実行時)」中の番号と対応しています。

表7-21 リクエストトレース取得ポイント(単体サービス実行時)

図中の番号 トレース取得ポイント
1 標準受付(Webサービス)の入口
2 標準受付(Webサービス)の出口
1 標準受付(SessionBean)の入口
2 標準受付(SessionBean)の出口
1 標準受付(MDB(WS-R))の入口
2 標準受付(MDB(WS-R))の出口
1 標準受付(MDB(DBキュー))の入口
2 標準受付(MDB(DBキュー))の出口
3 SOAPアダプタのサービス部品呼び出し口
4 SOAPアダプタのサービス部品応答受信口
3 SessionBeanアダプタのサービス部品呼び出し口
4 SessionBeanアダプタのサービス部品応答受信口
3 MDB(WS-R)アダプタのサービス部品呼び出し口
4 MDB(WS-R)アダプタのサービス部品応答受信口
3 MDB(DBキュー)アダプタのサービス部品呼び出し口
4 MDB(DBキュー)アダプタのサービス部品応答受信口
3 上記以外のサービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品呼び出し口
4 上記以外のサービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品応答受信口
(b) ビジネスプロセスサービス実行時

ビジネスプロセスサービス実行時のリクエストトレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7-9 リクエストトレースの取得ポイント(ビジネスプロセスサービス実行時)

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,「図7-9 リクエストトレースの取得ポイント(ビジネスプロセスサービス実行時)」中の番号と対応しています。

表7-22 リクエストトレース取得ポイント(ビジネスプロセスサービス実行時)

図中の番号 トレース取得ポイント
1 標準受付(Webサービス)の入口
2 標準受付(Webサービス)の出口
1 標準受付(SessionBean)の入口
2 標準受付(SessionBean)の出口
1 標準受付(MDB(WS-R))の入口
2 標準受付(MDB(WS-R))の出口
1 標準受付(MDB(DBキュー))の入口
2 標準受付(MDB(DBキュー))の出口
1 ユーザ定義受付の入口
2 ユーザ定義受付の出口
7 SOAPアダプタのサービス部品呼び出し口
8 SOAPアダプタのサービス部品応答受信口
7 SessionBeanアダプタのサービス部品呼び出し口
8 SessionBeanアダプタのサービス部品応答受信口
7 MDB(WS-R)アダプタのサービス部品呼び出し口
8 MDB(WS-R)アダプタのサービス部品応答受信口
7 MDB(DBキュー)アダプタのサービス部品呼び出し口
8 MDB(DBキュー)アダプタのサービス部品応答受信口
7 上記以外のサービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品呼び出し口
8 上記以外のサービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品応答受信口
3 ビジネスプロセスサービスの呼び出し口
4 ビジネスプロセスサービスの応答受信口
5 ビジネスプロセス受付の入口
6 ビジネスプロセス受付の出口
(c) 稼働状態確認実行時

稼働状態確認実行時のリクエストトレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7-10 リクエストトレースの取得ポイント(稼働状態確認実行時)

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,「図7-10 リクエストトレースの取得ポイント(稼働状態確認実行時)」中の番号と対応しています。

表7-23 リクエストトレース取得ポイント(稼働状態確認実行時)

図中の番号 トレース取得ポイント
1 標準受付(Webサービス)の入口
2 標準受付(Webサービス)の出口
1 SOAP受付の入口
2 SOAP受付の出口