HCSC本番環境簡易セットアップ機能で構築できる環境機能を利用して構築される本番環境は,次の図のような構成になります。次の図に示すプロセス以外のものは,HCSC本番環境簡易セットアップ機能を利用してセットアップできません。次の図に示すプロセス以外のものを本番環境で利用する場合は,HCSC本番環境簡易セットアップ機能を利用しない方法(以降,通常の方法)でセットアップしてください。
図3-16 HCSC本番環境簡易セットアップ機能を利用して構築される本番環境の構成
HCSC本番環境簡易セットアップ機能を利用すると,図3-16に示す本番環境の各プロセスに,ユーザID,パスワード,ポート番号,ホスト名などの情報を自動的に設定できます。HCSC本番環境簡易セットアップ機能を利用した場合に本番環境に設定される情報の詳細については,「3.5.4 HCSC本番環境簡易セットアップ機能でセットアップした本番環境の運用」を参照してください。
なお,HCSC本番環境簡易セットアップ機能を利用して環境を構築する場合,次の点に注意してください。
- HCSC本番環境簡易セットアップ機能では,リモートの実行環境を構築できません。
- HCSC本番環境簡易セットアップ機能とHCSC簡易セットアップ機能(テスト環境の構築)は併用できません。すでにどちらかの機能を利用してセットアップした環境で,別のセットアップ機能を利用する場合は,セットアップ済みの環境をいったんアンセットアップして,そのあとに別のセットアップ機能を利用してセットアップしてください。
- HCSC本番環境簡易セットアップ機能を利用して構築した環境にセットアップできるHCSCサーバは1台だけです。2台目のHCSCサーバはセットアップしないでください。
- HCSC本番環境簡易セットアップ機能を利用して構築する環境は,ほかのマシンから操作できません。ほかのマシンから運用操作する場合は,cscsvsetupコマンドを利用してセットアップしてください。cscsvsetupコマンドを利用したセットアップ方法については,「3.1.3 HCSCサーバをセットアップする」を参照してください。
- HCSC本番環境簡易セットアップ機能を利用してセットアップまたはアンセットアップした場合,セットアップまたはアンセットアップが正常に終了していないとバージョンアップできません。
また,UNIXの場合は次の点にも注意してください。
- 更新インストール時にComponent Container管理者を変更する場合は,次のディレクトリ配下のファイル属性をComponent Container管理者と同じように変更してください。
- リポジトリルート配下のディレクトリ
- ログディレクトリ配下のディレクトリ
- 応答電文出力ディレクトリ配下のディレクトリ
- システム管理情報ディレクトリ配下のディレクトリ
- SQLスクリプトファイルのディレクトリ
- SOAP Fault動作定義ファイルのディレクトリ
- ユーザ電文トレースのディレクトリ
ファイル属性の変更方法については,「付録A Service Coordinator管理者の変更方法(UNIXの場合)」を参照してください。
なお,ディレクトリおよびディレクトリ配下のファイルには,次のように権限を設定してください。
- 上記のディレクトリおよびディレクトリ配下のファイル
- すべてのユーザに対して書き込み権限を付与してください。
- 上記のディレクトリの上位のディレクトリ
- 実行権限を付与してください。ただし,上記のディレクトリをデフォルトから変更していない場合,実行権限を付与する必要はありません。
- root権限を持たないComponent Container管理者に変更する場合は,ポート番号を1024以上に指定してください。
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