Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説

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8.12.1 エラー設計の概要

FTP連携のエラー設計で考慮するポイントを次に示します。

<この項の構成>
(1) 障害検知
(2) 障害通知
(3) 回復処理
(4) 原因調査

(1) 障害検知

FTP連携の各コンポーネント間は同期型の呼び出しで連携しているため,呼び出し先からのリターンで障害発生を検知できます。しかし,呼び出し先が無応答となるおそれもあります。このため,構築時に適切なタイマ管理を設計し,ファイルを正常に転送できないといった障害の発生を検知する必要があります。

FTP連携のタイマ管理については,「8.12.2 タイマ設計」を参照してください。

(2) 障害通知

障害が発生した場合,FTP連携を実行したFTPクライアントおよびシステム運用者に対して,障害発生を確実に通知する必要があります。

FTP連携を実行したFTPクライアントに対しては,FTPコマンドのリターンで障害発生を通知します。システム運用者に対しては,メッセージの出力で障害発生を通知します。障害発生のメッセージは,決められたメッセージ,メッセージログ,またはファイルに出力されます。そのため,JP1などのモニタリング機能でエラーメッセージを監視することで,システム運用者に障害の発生をタイムリーに通知できます。

(3) 回復処理

障害が発生したあとのFTPクライアントおよびシステム運用者の回復処理を容易にするために,適切なトランザクション処理を設計します。

FTP連携のトランザクションの設計については,「8.12.3 トランザクション設計」を参照してください。

(4) 原因調査

障害から回復し,かつ再発生を防ぐには,障害の原因を特定して取り除く必要があります。そのため,障害の原因を特定するための各種の障害情報を取得します。

FTP連携の障害情報の取得については,「8.12.4 トラブルシュート設計」を参照してください。