Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説

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2.9.1 Object Accessアダプタを使ったObject Wrapperシステムへのアクセス

HCSCサーバからのObject Wrapperシステムのサービス部品の呼び出しを次の図に示します。

図2-77 HCSCサーバからのObject Wrapperシステムのサービス部品呼び出し

[図データ]

<この項の構成>
(1) Object Wrapperシステムとの接続のタイミング
(2) 時間監視
(3) 障害検知

(1) Object Wrapperシステムとの接続のタイミング

Object Accessアダプタでは,次に示すタイミングでTPBrokerと接続します。

接続方式は,Object Accessアダプタ通信構成定義ファイルのbind_typeに指定します。

図2-78 IIOP通信接続が発行するメソッドの処理タイミング

[図データ]

(2) 時間監視

Object Accessアダプタは通信先システムとの次の通信に対して時間を監視します。

(a) コネクションの確立

時間監視は,通信システムとのコネクション確立が完了するまでの時間を監視する場合に,設定します。指定値は,サービス単位に設定します。指定した時間を超えるとタイムアウトとなり,例外を通知します。

コネクションの確立時間監視は,Object Accessアダプタ通信構成定義ファイルのconnect_watch_timeに指定します。

時間監視の範囲を次に示します。図中のt1が時間監視の範囲です。

図2-79 コネクション確立までの時間監視

[図データ]

(b) リクエスト要求に対する応答

時間監視は,リクエスト要求を送信してから応答が返ってくるまでの時間を監視する場合に,設定します。指定値は,サービス要求のオペレーション単位に設定します。指定した時間を超えるとタイムアウトとなり,例外を通知します。

コネクションの確立時間監視は,Object Accessアダプタ通信構成定義ファイルのreturn_watch_timeに指定します。

時間監視の範囲を次に示します。図中のt2が時間監視の範囲です。

図2-80 リクエスト送信から応答メッセージが到達するまでの時間監視

[図データ]

(3) 障害検知

Object Accessアダプタでは,TPBrokerの通信時に接続が切断された場合,再接続を実行しません。接続が切断された場合は,処理を中断して例外を通知します。

TPBrokerとの接続をサービス開始時に実行している場合は,再接続を障害発生以降のリクエスト要求時に実行します。

図2-81 接続の切断時の処理概略

[図データ]

Object Accessアダプタで障害を検知した場合,サービスを実行したサービスリクエスタ,またはビジネスプロセスに,例外情報およびFault情報を通知します。

Object Accessアダプタでは例外情報とFault情報の障害通知を次の条件によって決定します。

例外を通知する場合
  • 開始処理で発生した障害
  • IIOP通信処理で発生したIDLで定義されたユーザ例外以外

Fault情報を通知する場合
IIOP通信処理で発生したIDLで定義されたユーザ例外