Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説

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2.2.5 Webサービス(SOAP通信)の場合のHTTPヘッダ引き継ぎ

HTTPヘッダ引き継ぎ機能とは,同一のビジネスプロセス内で,SAP ERP 6.0上の異なるサービスを実行した場合に取得したHTTPヘッダを引き継ぐ機能です。SAP ERP 6.0以外のサービスを呼び出す場合,この機能は必要ありません。

<この項の構成>
(1) HTTPヘッダ引き継ぎ機能の概要
(2) HTTPヘッダ引き継ぎ機能の引き継ぎ方法
(3) HTTPヘッダ引き継ぎ機能の引き継ぎ情報の範囲

(1) HTTPヘッダ引き継ぎ機能の概要

HTTPヘッダ引き継ぎ機能の概要を次の図に示します。

図2-16 HTTPヘッダ引き継ぎ機能の概要

[図データ]

(2) HTTPヘッダ引き継ぎ機能の引き継ぎ方法

HTTPヘッダやCookie情報を,サービス呼出アクティビティのヘッダ領域に割り当てることで引き継げます。ヘッダ領域への割り当て方法の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「付録F サービスアダプタを利用したHTTPヘッダおよびCookie情報の引き継ぎ」を参照してください。

(3) HTTPヘッダ引き継ぎ機能の引き継ぎ情報の範囲

HCSCランタイム定義ファイルのcookie-parsingプロパティの値と,サービス呼出アクティビティのヘッダ領域に情報を割り当てるかどうかによって,引き継がれる情報が異なります。

なお,Cookie情報を送受信するサービス部品のホスト名,IPアドレス,またはpath属性が一致しない場合は,Cookie情報を送信しません。

HCSCランタイム定義ファイルのcookie-parsingプロパティをON,かつヘッダ割当変数にCookie情報を設定していない場合
すべてのCookie情報が引き継がれます。サービス部品呼び出し1で取得した情報がサービス部品呼び出し2に引き継がれます。
引き継ぎの内容を次の図に示します。

図2-17 HCSCランタイム定義ファイルのcookie-parsingプロパティをON,かつヘッダ割当変数にCookie情報を設定していない場合の引き継ぎ内容

[図データ]

HCSCランタイム定義ファイルのcookie-parsingプロパティをOFF,かつヘッダ割当変数にCookie情報を設定している場合
ヘッダ領域に設定されたCookie情報がサービス部品呼び出し2の実行で引き継がれます。ただし,サービス部品呼び出し2に情報は返却されません。
引き継ぎの内容を次の図に示します。

図2-18 HCSCランタイム定義ファイルのcookie-parsingプロパティをOFF,かつヘッダ割当変数にCookie情報を設定している場合の引き継ぎ内容

[図データ]

HCSCランタイム定義ファイルのcookie-parsingプロパティをON,かつヘッダ割当変数にCookie情報を設定している場合
name属性,path属性,およびhost属性が同じであるCookie情報がヘッダ領域に設定されたときは,サービス部品呼び出し1の実行で取得したCookie情報がヘッダ領域に設定されたCookie情報に書き換えられ,サービス部品呼び出し2の実行で引き継がれます。
ただし,name属性が同じでも,path属性またはhost属性が異なる場合は,サービス部品呼び出し1で取得したCookie情報とヘッダ領域に設定されたCookie情報がサービス部品呼び出し2の実行で引き継がれます。
引き継ぎの内容を次の図に示します。

図2-19 HCSCランタイム定義ファイルのcookie-parsingプロパティをON,かつヘッダ割当変数にCookie情報を設定している場合の引き継ぎ内容

[図データ]