Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説

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2.2.2 サービス部品呼び出し時のユーザ電文とWSDLの関係

サービス部品呼び出し時のユーザ電文とWSDLの関係は,標準受付の場合とユーザ定義受付の場合とで異なります。

<この項の構成>
(1) 標準受付の場合
(2) ユーザ定義受付の場合

(1) 標準受付の場合

SOAP通信時のユーザ電文とWSDLの関係(標準受付(Webサービス))を次に説明します。

(a) SOAP通信基盤を使用するとき

通信基盤にSOAP通信基盤を使用するときの,SOAP通信時のユーザ電文とWSDLの関係(標準受付(Webサービス))を次の図に示します。なお,サービスリクエスタ側とサービス部品側で,片方がSOAP通信基盤,もう片方がJAX-WSエンジンを使用する構成も可能です。JAX-WSエンジンを使用する側の詳細は,「(b) JAX-WSエンジンを使用するとき」を参照してください。

図2-10 SOAP通信基盤を使用するときのSOAP通信時のユーザ電文とWSDLの関係(標準受付(Webサービス))

[図データ]

  1. サービスアダプタを定義するときは,サービス部品側の電文フォーマットとしてサービス部品のWSDLを定義します(サービス部品のWSDLには,要求電文,応答電文およびフォルト電文の形式が定義されています)。WSDLを作成するには,SOAP通信基盤が提供するJava2WSDLコマンドを使用します。
  2. サービスリクエスタから標準受付(Webサービス)を呼び出してサービス部品を呼び出すときは,HCSCサーバが提供するWSDLを使用します。HCSCサーバが提供するWSDLを基にWSDL2Javaコマンドを使用してスタブを作成できます。
  3. サービスリクエスタから標準受付(Webサービス)を呼び出すときは,サービス部品側の電文フォーマットに合わせた要求電文を事前に作成します。そして,HCSCサーバが提供するWSDLに定義されている標準受付(Webサービス)のパラメタ(ユーザ電文のパラメタ)に設定して実行します。
  4. サービスリクエスタからビジネスプロセスを呼び出すときは,要求電文はビジネスプロセスの受付アクティビティに定義した電文フォーマットになります。サービスリクエスタ内でビジネスプロセスの受付アクティビティで定義されている要求電文の電文フォーマットに合わせた電文を作成し,作成した電文を標準受付(Webサービス)のパラメタ(ユーザ電文のパラメタ)に設定して実行します。
  5. サービスリクエスタへの応答は,サービスアダプタで定義した応答電文の電文フォーマットを使用します。
(b) JAX-WSエンジンを使用するとき

通信基盤にJAX-WSエンジンを使用するときの,SOAP通信時のユーザ電文とWSDLの関係(標準受付(Webサービス))を次の図に示します。なお,サービスリクエスタ側とサービス部品側で,片方がJAX-WSエンジン,もう片方がSOAP通信基盤を使用する構成も可能です。SOAP通信基盤を使用する側の詳細は,「(a) SOAP通信基盤を使用するとき」を参照してください。

図2-11 JAX-WSエンジンを使用するときのSOAP通信時のユーザ電文とWSDLの関係(標準受付(Webサービス))

[図データ]

  1. サービスアダプタを定義するときは,サービス部品側の電文フォーマットとしてサービス部品のWSDLを定義します(サービス部品のWSDLには,要求電文,応答電文およびフォルト電文の形式が定義されています)。サービス部品のWSDLは,サービス部品側が用意しているURLにアクセスしてWSDLを取得します。
  2. サービスリクエスタから標準受付(Webサービス)を呼び出してサービス部品を呼び出すときは,HCSCサーバが提供するWSDLを使用します。HCSCサーバが提供するWSDLを基にcjwsimportコマンドを使用してサービスクラスを作成できます。
  3. サービスリクエスタから標準受付(Webサービス)を呼び出すときは,サービス部品側の電文フォーマットに合わせた要求電文を事前に作成します。そして,HCSCサーバが提供するWSDLに定義されている標準受付(Webサービス)のパラメタ(ユーザ電文のパラメタ)に設定して実行します。
  4. サービスリクエスタからビジネスプロセスを呼び出すときは,要求電文はビジネスプロセスの受付アクティビティに定義した電文フォーマットになります。サービスリクエスタ内でビジネスプロセスの受付アクティビティで定義されている要求電文の電文フォーマットに合わせた電文を作成し,作成した電文を標準受付(Webサービス)のパラメタ(ユーザ電文のパラメタ)に設定して実行します。
  5. サービスリクエスタへの応答は,サービスアダプタで定義した応答電文の電文フォーマットを使用します。

(2) ユーザ定義受付の場合

SOAP通信時のユーザ電文とWSDLの関係(SOAP受付)を次に説明します。

(a) SOAP通信基盤を使用するとき

通信基盤にSOAP通信基盤を使用するときの,SOAP通信時のユーザ電文とWSDLの関係(SOAP受付)を次の図に示します。

図2-12 SOAP通信基盤を使用するときのSOAP通信時のユーザ電文とWSDLの関係(SOAP受付)

[図データ]

  1. SOAP受付の場合,サービスリクエスタで指定する要求電文は,ビジネスプロセスの受付アクティビティに定義した任意の電文フォーマットの形式で要求します(受付アクティビティに定義した電文フォーマットに合わせたWSDLを作成し,SOAP受付に定義します)。
  2. スタブは,ユーザが定義したWSDLを基に,SOAPアプリケーション開発支援機能が提供するWSDL2Javaコマンドを使用して作成できます。標準受付(Webサービス)の場合と異なり,サービスリクエスタ側のプログラムで要求電文のXMLを作成する必要はありません。サービスリクエスタではスタブに要求を出すときに,それぞれのパラメタに値をセットして実行します(スタブの中でSOAPメッセージを作成します)。
  3. サービスリクエスタへの応答は,ビジネスプロセスの応答アクティビティで定義した応答電文の電文フォーマットで応答します(応答アクティビティに定義した電文フォーマットに合わせたWSDLを作成し,SOAP受付に定義します)。
(b) JAX-WSエンジンを使用するとき

通信基盤にJAX-WSエンジンを使用するときの,SOAP通信時のユーザ電文とWSDLの関係(SOAP受付)を次の図に示します。

図2-13 JAX-WSエンジンを使用するときのSOAP通信時のユーザ電文とWSDLの関係(SOAP受付)

[図データ]

  1. SOAP受付の場合,サービスリクエスタで指定する要求電文は,ビジネスプロセスの受付アクティビティに定義した任意の電文フォーマットの形式で要求します(受付アクティビティに定義した電文フォーマットに合わせたWSDLを作成し,SOAP受付に定義します)。
  2. サービスクラスは,ユーザが定義したWSDLを基に,JAX-WS機能が提供するcjwsimportコマンドを使用して作成できます。標準受付(Webサービス)の場合と異なり,サービスリクエスタ側のプログラムで要求電文のXMLを作成する必要はありません。サービスリクエスタではサービスクラスに要求を出すときに,それぞれのパラメタに値をセットして実行します(サービスクラスの中でSOAPメッセージを作成します)。
  3. サービスリクエスタへの応答は,ビジネスプロセスの応答アクティビティで定義した応答電文の電文フォーマットで応答します(応答アクティビティに定義した電文フォーマットに合わせたWSDLを作成し,SOAP受付に定義します)。