Cosminexus V9 アプリケーションサーバ Cosminexus XML Security - Core ユーザーズガイド

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4.1.3 Detached署名を生成する

この項では,Detached署名を生成する場合の処理内容とコーディング例を説明します。

<この項の構成>
(1) XML署名文書のDocumentオブジェクトの生成
(2) XML署名構文の構築
(3) XML署名データの生成
(4) XML署名文書の出力

(1) XML署名文書のDocumentオブジェクトの生成

JAXPのDocumentBuilderを使用して空のDocumentオブジェクトを生成します。ここで生成するDocumentオブジェクトは,Signature要素を文書要素とする署名文書を作成するために必要となります。Documentオブジェクトを取得するときに,名前空間が有効になるように設定してください。コーディングの例を次に示します。

        DocumentBuilderFactory dbf =
                DocumentBuilderFactory.newInstance();
        dbf.setNamespaceAware(true);
        Document doc = dbf.newDocumentBuilder().newDocument();

(2) XML署名構文の構築

XMLSignatureFactoryクラスを使用して,各要素に対応するオブジェクトを生成します。署名対象および各種アルゴリズムは,XML署名構文を構築するときに設定しておきます。ここでは,次の設定をする場合の例を説明します。

コーディングの例を次に示します。

        XMLSignatureFactory xsf = XMLSignatureFactory.newInstance();
        Reference ref = xsf.newReference(
                new File(input).toURI().toString(),
                xsf.newDigestMethod(DigestMethod.URI_SHA1, null),
                Collections.singletonList(xsf.newTransform(
                Transform.URI_C14N_OMIT_COMMENTS, null)));
        SignedInfo si =
                xsf.newSignedInfo(xsf.newCanonicalizationMethod(
                CanonicalizationMethod.URI_OMIT_COMMENTS, null),
                xsf.newSignatureMethod(
                        SignatureMethod.URI_RSA_SHA1, null),
                        Collections.singletonList(ref));
        XMLSignature sig = xsf.newXMLSignature(si, null, null);

(3) XML署名データの生成

Detached署名データを生成するには,コンテキストおよび署名生成位置を指定する必要があります。ここでは,次の三つの処理について,コーディング例を示して説明します。

(a) コンテキストの設定

Detached署名データの生成に必要なコンテキストを設定します。署名に使用する鍵を使って鍵リゾルバを生成し,コンテキストに鍵リゾルバを設定します。コンテキストの処理モードは,「署名生成」を指定してください。コーディングの例を次に示します。

        XMLSecurityContext context = new XMLSecurityContext(
                XMLSecurityContext.Mode.SIGN, doc);
        context.setKeyResolver(
                new AdhocKeyResolver(Utilities.getPrivateKey()));
(b) XML署名を生成する位置の設定

署名対象のDocumentオブジェクト中の,どの位置にXML署名を生成するのかを設定します。次の例では,Signature要素が新しい文書要素となります。コーディングの例を次に示します。

        DOMPosition pos = new DOMPosition(doc, null);
(c) XML署名データの生成

XMLSignatureクラスのsignメソッドを使用して,Signature要素の署名値を生成します。Reference要素のダイジェスト値と同時に,Signature要素の署名値も生成されます。コーディングの例を次に示します。

        sig.sign(context, pos);

(4) XML署名文書の出力

XMLSerializerクラスを使用して,Signature要素を持つDocumentオブジェクトをXML形式で出力します。冗長な名前空間を省略し,Shift_JISで出力する場合のコーディングの例を次に示します。

        XMLOutputFormat format = new XMLOutputFormat();
        format.setOmitRedundantNamespaceDecls(true);
        format.setEncoding("Shift_JIS");
        OutputStream os = new BufferedOutputStream(
                new FileOutputStream(output));
        XMLSerializer xsr = new XMLSerializer(os, format);
        xsr.serialize(doc);
        os.close();