Cosminexus V9 アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編

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mngsvrutilManagement Serverの運用管理コマンド

形式

mngsvrutil [-m <ホスト名> [:<ポート番号>]
           [-u <管理ユーザID>] [-p <管理ユーザパスワード>]
           [[-o <ファイル名>] [-h] [-f <出力形式>]
           [-t <ターゲット名称>] [-k <ターゲット種別>]
           [-s] [-i <監視時間間隔>] [-l <最大監視時間>]
           [-w < 稼働確認待ち時間>] <サブコマンド> <引数>]]

機能

Management Serverに接続して,運用管理ドメインについての操作ができます。また,JP1/Cm2/ESAなどのSNMPエージェント製品を使用して,mngsvrutilコマンドの出力結果をMIBに変換すると,SNMP Manager製品と連携できます。

このコマンドでは,次の機能を使用できます。

引数

-m <ホスト名>[:<ポート番号>]
Management Serverのホスト名とポート番号を指定します。
  • <ホスト名>
    ドット記法でのIPアドレス指定(xxx.xxx.xxx.xxx),または名前解決できるホスト名で指定します。なお,xxxには0〜255の整数を指定します。
  • <ポート番号>
    Management Serverの設定に従います。デフォルト値は28080です。

-u <管理ユーザID>
mngsvrctl setupコマンドまたは運用管理ポータルの「管理ユーザアカウントの設定」で設定した管理ユーザIDを指定します。
運用管理ポータルの「管理ユーザアカウントの設定」で入力できる文字に従います。
管理ユーザアカウントの省略機能が有効の場合,管理ユーザIDを指定しても無効となります。管理ユーザアカウントの省略機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.1.15(3) 管理ユーザアカウントを設定しない場合の設定」を参照してください。

-p <管理ユーザパスワード>
mngsvrctl setupコマンドまたは運用管理ポータルの「管理ユーザアカウントの設定」で設定した管理ユーザIDに対応する管理ユーザパスワードを指定します。
運用管理ポータルの「管理ユーザアカウントの設定」で入力できる文字に従います。
なお,パスワードを設定していない場合,-pオプションを指定する必要はありません。
管理ユーザアカウントの省略機能が有効の場合,管理ユーザパスワードを指定しても無効となります。管理ユーザアカウントの省略機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.1.15(3) 管理ユーザアカウントを設定しない場合の設定」を参照してください。

-o <ファイル名>
出力先のファイル名を指定します。指定されたファイルに上書き出力します。なお,指定できるファイル名は,コマンドを実行するOSに依存します。また,省略した場合,標準出力に出力します。

-h
ヘッダを出力しない場合に指定します。

-f <出力形式>
接続するManagement Serverで提供している出力形式を指定します。Management Serverでは,次に示す出力形式を提供しています。
  • csv:CSV形式(デフォルト値)
  • snmp:SNMP連携用形式

-t <ターゲット名称>
サブコマンドの対象となるターゲット名称(論理サーバ名またはホスト名)を指定します。
運用管理ポータルの「論理サーバの構成定義」の定義に従います。

-k <ターゲット種別>
サブコマンドの対象となるターゲットの種別を指定します。次のどちらかを指定します。
  • logicalServer:論理サーバ
  • host:ホスト
省略した場合,または上記以外の値を指定した場合は,logicalServerが設定されます。

-s
論理サーバやJ2EEアプリケーションの起動または停止の完了を待つ場合に指定します。
このオプションは,サブコマンドに"start"または"stop"を指定した場合に有効です。
なお,このオプションを指定した場合,起動/停止障害発生時,障害回復のためにサブコマンドのリトライ処理が実行されます。

-i <監視時間間隔>
論理サーバやJ2EEアプリケーションの起動・停止の完了を監視する際の監視時間間隔を,0〜2147483647の整数(単位:秒)で指定します。省略時のデフォルトは3秒です。
なお,このオプションは,起動/停止障害発生時のサブコマンドのリトライ処理間隔としても利用されます。

-l <最大監視時間>
論理サーバやJ2EEアプリケーションの起動・停止の完了を監視する際の最大監視時間を,0〜2147483647の整数(単位:秒)で指定します。
指定した値の時間を超えても論理サーバやJ2EEアプリケーションが起動・停止しない場合,コマンドは異常終了します。省略時のデフォルトは60秒です。

-w <稼働確認待ち時間>
Management Serverおよび運用管理エージェントが稼働しているかどうかを確認するための待ち時間を,0〜2147483の整数(単位:秒)で指定します。
指定した待ち時間を経過しても応答がない場合,コマンドは異常終了します。
0を指定した場合は無限に待ちます。なお,0より小さい値を指定した場合は0を,2147483より大きい値を指定した場合は2147483が仮定されます。省略時のデフォルトは0です。
このオプションは,checkサブコマンドを指定した場合だけに有効です。

<サブコマンド> <引数>
サブコマンドと引数を指定します。サブコマンドと引数に指定できる値は,Management Serverのバージョンに依存します。
サブコマンドでは,指定する引数によって,ターゲットに論理サーバまたはホストが指定できます。
次のサブコマンドが指定できます。
なお,サブコマンドの詳細は,「7.3 mngsvrutilコマンドのサブコマンドの詳細」を参照してください。

戻り値

0:
正常終了しました。

1:
実行時エラーが発生しました。

2:
シンタックスエラーが発生しました。

出力形式

CSV形式
名称,および値はコンマで区切って出力します。
-hオプションでヘッダの出力を抑止できます。

SNMP連携形式
値は半角スペース(0x20)で区切って出力します。また,文字列はダブルクォーテーション(0x22)で囲んで出力します。
なお,文字列にダブルクォーテーション(0x22)とバックスラッシュ「\」(0x5c)が含まれていた場合,エスケープコード(バックスラッシュ「\」(0x5c))を付加します。
(例)
編集前文字列: ”abc” def\ g
編集後文字列: ”\”abc\” def\\ g”
整数値は32bit整数型で表します。また,浮動小数点数は小数点以下を切り捨てて32bit整数型で表します。
ヘッダは出力されません。

設定ファイル

クライアント側定義ファイル(.mngsvrutilrc)
mngsvrutilコマンドのオプションのデフォルト値を設定できます。
詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.15 .mngsvrutilrc(mngsvrutilコマンドのクライアント側定義ファイル)」を参照してください。
mngsvrutilrcのパラメタであるmngsvrutil.target_kind,mngsvrutil.target_name,mngsvrutil.target_server_nameプロパティと"-k","-t"オプションとの組み合わせの時に有効となる値を次の表に示します。
項番 target_kind target_name target_server_name -k -t 指定値の解釈
1 logicalServer/− logicalServer/− サーバ名が指定されていません。
2 logicalServer/− A B/− logicalServer/− “A”という名称のサーバが指定されました。
3 logicalServer/− B logicalServer/− “B”という名称のサーバが指定されました。
4 logicalServer/− A/− B/− logicalServer/− C “C”という名称のサーバが指定されました。
5 host ホスト名が指定されていません。
6 host/− host ホスト名が指定されていません。
7 host B ホスト名が指定されていません。
8 host/− B host ホスト名が指定されていません。
9 host A B/− “A”という名称のホストが指定されました。
10 host/− A/− B/− host C “C”という名称のホストが指定されました。

(凡例)
−:値を指定しません。

クライアント側共通定義ファイル(mngsvrutilcl.properties)
mngsvrutilコマンドのオプションの共通のデフォルト値を設定できます。
詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.17 mngsvrutilcl.properties(mngsvrutilコマンドのクライアント側共通定義ファイル)」を参照してください。

サーバ側定義ファイル(mngsvrutil.properties)
mngsvrutilコマンドの実行環境を変更できます。
詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.16 mngsvrutil.properties(mngsvrutilコマンドのサーバ側定義ファイル)」を参照してください。

入力例・出力例

SNMP連携時の設定手順(UNIXの場合)

UNIXの場合のSNMP連携時の設定手順を次に示します。

  1. JP1/Cm2/ESAのインストール
  2. ~root/.mngsvrutilrcファイルの作成,編集
    • /opt/Cosminexus/manager/config/templates/.mngsvrutilrcファイルを~rootにコピーします。
      # cp /opt/Cosminexus/manager/config/templates/.mngsvrutilrc ~root/
    • ~root/.mngsvrutilrcファイルのファイルパーミッションを600に変更します。
      # chmod 600 ~root/.mngsvrutilrc
    • ~root/.mngsvrutilrcファイルを編集します。
      適切なエディタを使用して,次の項目を設定します。各項目の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.15 .mngsvrutilrc(mngsvrutilコマンドのクライアント側定義ファイル)」を参照してください。
      mngsvrutil.connect.host
      mngsvrutil.connect.userid
      mngsvrutil.connect.password
      mngsvrutil.output.format=snmp
      mngsvrutil.target_name
      mngsvrutil.target_kind
  3. JP1/Cm2/ESAの環境設定
    Application Serverの拡張MIBオブジェクト定義ファイル(/opt/Cosminexus/manager/config/ hitachi-cosmiMng-MIB※1,※2)を使用して,SNMPサブエージェントを再構成します。SNMPサブエージェントの再構成の方法については,マニュアル「JP1/Cm2/Extensible SNMP Agent」を参照してください。
    注※1 実際は,hitachi-cosmiMng-MIBのあとに_V-R(バージョン)が付加されます(例:hitachi-cosmiMng-MIB_2-0)。
    注※2 Manager 06-00以降で提供している拡張MIBオブジェクト定義ファイルを使用する場合は,hitachi-cosmiMng-MIB_V-R_forESAを使用してください。
    拡張MIBオブジェクト定義ファイルは最新のバージョンを使用してください。

注意事項