Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド

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2.2 Management Serverの設定手順

ここでは,Management Serverを使用するために必要なセットアップ,環境設定,動作環境の設定と,運用管理エージェントが論理サーバを監視するための設定について説明します。なお,Management Serverが自動設定する内容については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「付録E Management Serverが自動で設定する内容」を参照してください。

<この節の構成>
(1) Management Serverのセットアップ
(2) Management Serverの環境設定
(3) Management Serverの動作環境の設定
(4) 運用管理エージェントによる論理サーバの監視に関する設定

(1) Management Serverのセットアップ

Management Serverを初めて使用するホストでは,まず,Management Serverをセットアップしてください。一度セットアップしたホストでは,この作業は不要です。

Management Serverは,mngsvrctlコマンドで引数setupを指定してセットアップします。

次に示すように引数の指定を省略すると,mngsvrctlコマンドの使用方法を表示できます。

mngsvrctlコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvrctl(Management Serverの起動/停止/セットアップ)」を参照してください。

参考
セットアップ時に管理ユーザアカウントを設定できます。管理ユーザアカウントを設定する場合は,次のように指定してください。
  • Windowsの場合
    <Application Serverのインストールディレクトリ>\manager\bin\mngsvrctl setup <サーバ名> -u <管理ユーザID> -p <管理ユーザパスワード>
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl setup <サーバ名> -u <管理ユーザID> -p <管理ユーザパスワード>
セットアップ後に管理ユーザアカウントを設定する場合や,設定済みの管理ユーザアカウントを変更したい場合は,mngsvrctlコマンドで引数setupを指定して実行するか,または「Cosminexus Management Serverの設定」の[管理ユーザアカウントの設定]画面で設定してください。
また,管理ユーザアカウントを入力しないで運用管理ポータルにログインするように設定することもできます。

(2) Management Serverの環境設定

Management Serverや運用管理エージェントのプロパティを設定して,Management Serverの環境を設定してください。

(a) Management Serverのプロパティの設定

Management Serverのプロパティファイル(mserver.properties)で,Management Serverが使用するポート番号や,Management Serverへのアクセスを許可するホストなどを設定できます。

mserver.propertiesに指定するキーを次に示します。キーの詳細,およびここで説明していないキーについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.7 mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)」を参照してください。

 
注意
Management Server起動後は,「Cosminexus Management Serverの設定」の[ネットワークの設定]画面からもポート番号を変更できます。ただし,mserver.propertiesにコメントを書いていた場合は,「Cosminexus Management Serverの設定」の[ネットワークの設定]画面からポート番号を変更すると,コメントが削除されます。

これらのキーのほかに,mserver.propertiesでは,snapshotログ収集や障害検知時コマンドによる資料取得のためのキーを設定できます。

snapshotログ収集の設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の次の個所を参照してください。

また,障害検知時コマンドによる資料取得のための設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の次の個所を参照してください。

(b) 運用管理エージェントのプロパティの設定

運用管理エージェントのプロパティファイル(adminagent.properties)で,運用管理エージェントが使用するポート番号を設定できます。

このキーのほかに,adminagent.propertiesでは,論理サーバの動作確認のレベルや間隔,snapshotログの収集先などを設定できます。論理サーバの動作確認に関する設定については,「(4) 運用管理エージェントによる論理サーバの監視に関する設定」を参照してください。snapshotログの収集先の設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の次の個所を参照してください。

(3) Management Serverの動作環境の設定

運用管理ポータルの「Cosminexus Management Serverの設定」で,Management Serverを利用するユーザのアカウント情報,ネットワーク情報など,Management Serverの動作環境を設定します。また,Management Serverを使用して設定した環境を退避または回復できます。

デフォルトの設定を変更する場合には,運用管理ポータルにログインして,「Cosminexus Management Serverの設定」で設定します。「Cosminexus Management Serverの設定」で設定できる内容を次の表に示します。運用管理ポータルへのログイン方法については,「7.1.2 ログイン」を参照してください。

表2-1 「Cosminexus Management Serverの設定」で設定できる内容と操作画面の参照先

設定項目 設定内容 設定要否 操作 操作画面の参照先
管理ユーザアカウントの設定 Management Serverを利用するユーザのアカウント情報を設定します。 ※1 8.2.1
ネットワークの設定 Management Serverが使用するポート番号を設定します。 8.2.2
ログの設定 Management Serverが出力するログのログレベル,ファイル面数,サイズなどを設定します。 8.2.3
構成情報の退避または回復 Management Serverの構成情報(構成定義,アプリケーション管理などの情報)を退避,回復します。 8.2.4
開始時の設定 Management Serverを起動するときに,論理サーバを一括起動するかどうかを設定します。一括起動する場合には,この設定が必要です。 8.2.5
性能解析トレース収集の設定 性能解析トレースファイルの面数を設定します。 8.2.6
JP1連携の設定 Management Serverの障害情報(検知した障害や論理サーバの起動の通知など)をJP1へ通知するための設定をします。JP1と連携する機能を利用する場合には,この設定が必要です。JP1との連携については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「12. JP1と連携したシステムの運用」を参照してください。 ※2 8.2.7

(凡例)

注※1
Management Severのセットアップ時に,管理ユーザアカウントを設定している場合は操作不要です。Management Serverのセットアップ後に管理ユーザアカウントを設定する場合や,設定済みの管理ユーザアカウントを変更する場合に操作します。なお,管理ユーザアカウントの設定および変更は,mngsvrctlコマンドでも実行できます。mngsvrctlコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvrctl(Management Serverの起動/停止/セットアップ)」を参照してください。
また,管理ユーザアカウントを入力しないで運用管理ポータルにログインすることもできます。管理ユーザアカウントを入力しないで運用管理ポータルにログインするように設定している場合,「管理ユーザアカウントの設定」は操作できません。

注※2
設定内容が論理SFOサーバまたは論理J2EEサーバの環境設定に関連する場合があります。構築するシステムの構成に応じて,論理サーバの環境設定時に[JP1連携の設定]画面の内容を参照してください。

(4) 運用管理エージェントによる論理サーバの監視に関する設定

Management Serverを利用して運用する場合,運用管理ポータルの「論理サーバの運用監視」やManagement Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用すると,論理サーバのステータスを確認でき,論理サーバの起動/停止状態がわかります。Management Serverで論理サーバを管理する場合は,運用管理エージェントが定期的に論理サーバのプロセス監視および動作確認を実施して,論理サーバのステータスをManagement Serverに通知します。運用管理エージェントが論理サーバの動作を確認するときのレベルや間隔は,ユーザ定義ファイルで設定を変更できます。必要に応じて,論理サーバの動作確認に関する次の項目を設定してください。

これらの項目は,運用管理エージェントの動作を設定するadminagent.propertiesで設定します。adminagent.propertiesおよび各項目で設定するキーについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.2 adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)」を参照してください。

参考
Management ServerでWebサーバの動作確認をする場合,動作確認用のログを通常のログ(アクセスログ)と別に出力できます。設定方法については,「10.10.1 Webサーバの設定」を参照してください。
論理サーバの動作確認レベルの設定

運用管理エージェントでは,論理サーバが正常に動作しているかどうかを,プロセスの存在を確認したり,論理サーバにアクセスしたりすることで判断します。論理サーバの動作確認レベルは,adminagent.<論理サーバの種類>.watch.levelキーに指定します。必要に応じて,論理サーバの動作確認レベルを変更してください。指定できる値は「1」または「2」です。「1」はプロセスの存在を確認するだけで論理サーバの動作を確認します。また,「2」はプロセスの存在を確認し,実際に論理サーバにアクセスして動作を確認します。指定できる値は論理サーバの種類によって異なります。なお,WebサーバでSSL通信だけを有効にしている場合,論理Webサーバの動作確認レベルはプロセスの存在を確認するだけに変更(adminagent.hws.watch.level=1を設定)してください。

論理サーバの動作確認間隔の設定

論理サーバの動作確認の間隔(秒)は,adminagent.<論理サーバの種類>.watch.intervalキーに指定します。デフォルトは10秒です。必要に応じて,論理サーバの動作を確認するときの間隔を変更してください。

論理サーバの動作確認タイムアウトの設定

論理サーバの動作確認のタイムアウト時間(秒)は,adminagent.<論理サーバの種類>.watch.timeoutキーに指定します。デフォルトは60秒です。必要に応じて,論理サーバの動作を確認するときのタイムアウト時間を変更してください。

論理サーバの動作確認リトライの設定

論理サーバの動作確認のリトライ回数は,adminagent.<論理サーバの種類>.watch.retry_countキーに指定します。デフォルトは1回です。

また,adminagent.watch.retry_timeout.enabledキーでは,タイムアウトの発生をリトライの対象にするかどうかを指定できます。デフォルトはfalse(リトライの対象にしない)です。なお,新規インストール時はtrue(リトライの対象にする)が指定されています。

必要に応じて,論理サーバの動作を確認するときのリトライの設定を変更してください。

論理サーバの動作確認の開始時間の設定

論理サーバを起動してから動作確認(動作確認レベル2)を開始するまでの時間(秒)は,adminagent.<論理サーバの種類>.watch.start_timeキーに指定します。デフォルト値は論理サーバの種類によって異なります。必要に応じて,論理サーバの動作確認の開始時間を変更してください。

なお,論理サーバの動作確認の開始時間を変更する場合は,「論理サーバの動作確認の開始時間(秒) < 論理サーバの起動監視時間(分)」となるように注意してください。論理サーバの起動監視時間は,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」の[起動/停止の設定]画面で設定できます。起動監視時間が動作確認の開始時間よりも小さい場合は,論理サーバの起動に失敗します。

HTTP Serverの動作確認の設定

Management Serverでは,WebサーバとしてHTTP Serverを管理できます。ここでは,動作確認用HTTPメソッドの設定,およびHTTP Serverの動作確認用URLの設定について説明します。ただし,HTTP Server動作確認用URLは,動作確認用HTTPメソッドの設定で「HEAD」を指定している場合にだけ設定できます。