ここでは,新規作成したJ2EEアプリケーションをテストモードで実行して問題なく動作することを確認してから,J2EEアプリケーションの動作モードを通常モードに切り替えて,本番運用を開始する場合の操作について説明します。すでに動作中のJ2EEアプリケーションを入れ替える場合には,動作中のJ2EEアプリケーションの停止や退避などの操作が必要になります。J2EEアプリケーションの入れ替えと保守については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「5.6.3 J2EEアプリケーションの入れ替えと保守」を参照してください。
なお,Webアプリケーションを含むJ2EEアプリケーションをテストモードで運用する場合,あらかじめ次の作業が必要です。
- リダイレクタの設定(URLのマッピング)
通常モードのコンテキストルートを含むURLのマッピングに加えて,テストモードのコンテキストルートを含むURLのマッピングを設定してください。Webアプリケーションを含むJ2EEアプリケーションをテストモードで運用する場合,Webアプリケーションのコンテキストルートにプリフィックス「_test_」を付けたものが,コンテキストルートとして使用されます。例えば,通常モードのコンテキストルートが「/jsptobean」の場合,テストモードのコンテキストルートは「/_test_/jsptobean」になります。
URLのマッピングについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「4.3 URLパターンでのリクエストの振り分け」を参照してください。
- Webサーバの再起動
Webサーバを再起動して,リダイレクタの設定を有効にしてください。
ここでは,上記の作業が済んでいることを前提に,テストモードでのJ2EEアプリケーションの設定について説明します。
テストモードでのJ2EEアプリケーションの設定の流れを次の図に示します。
図7-6 テストモードでのJ2EEアプリケーションの設定の流れ
図中の1.〜6.について説明します。
- サーバ管理コマンドを使用して,J2EEアプリケーションをテストモードでインポートします。
J2EEアプリケーションのインポートには,cjimportappコマンドで-testを指定します。cjimportappコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjimportapp(J2EEアプリケーションのインポート)」を参照してください。
- 必要に応じて,サーバ管理コマンドを使用して,J2EEアプリケーションのプロパティを定義します。
J2EEアプリケーションのプロパティの定義には,cjgetapppropコマンドおよびcjsetapppropコマンドで-testを指定します。cjgetappprop -testで各属性ファイルを取得し,ファイル編集後に,cjsetappprop -testで編集内容を反映させます。
J2EEアプリケーションのプロパティの設定内容については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「9.1 J2EEアプリケーションのプロパティ設定の概要」を参照してください。
cjgetapppropコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjgetappprop(アプリケーションの属性の取得)」を,cjsetapppropコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjsetappprop(アプリケーションの属性設定)」を参照してください。
各属性ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「3. J2EEアプリケーションの設定で使用する属性ファイル」を参照してください。
- サーバ管理コマンドを使用して,J2EEアプリケーションをテストモードで開始します。
cjstartappコマンドで-testを指定して,J2EEアプリケーションをテストモードで運用します。cjstartappコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjstartapp(J2EEアプリケーションの開始)」を参照してください。
- テストを実施します。
テストモード用に設定した特定のクライアントから適宜操作を実行し,テストを実施して問題ないことが確認できたら,手順5.に進みます。
テスト結果に問題があった場合は,J2EEアプリケーションを修正して,手順1.からもう一度実行してください。なお,同じ名称のJ2EEアプリケーションは同じモードで登録できません。このため,テストが失敗したテストモードのJ2EEアプリケーションは,cjdeleteappコマンドで-testを指定して削除してください。cjdeleteappコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjdeleteapp(J2EEアプリケーションの削除)」を参照してください。
- ポイント
- テストモードで動作しているJ2EEアプリケーションは,テストモード用に設定した特定のクライアントからだけ利用できます。Webアプリケーションを含むJ2EEアプリケーションをテストモードで運用する場合,Webアプリケーションのコンテキストルートにプリフィックス「_test_」を付けたものが,コンテキストルートとして使用されます。例えば,コンテキストルートが「/jsptobean」で,本番運用でのURLが「http://www.xxx.co.jp/jsptobean/account.jsp」の場合,テストモードでのURLは,「http://www.xxx.co.jp/_test_/jsptobean/account.jsp」になります。テスト用のクライアントからはこのURLを使用してJ2EEアプリケーションに対して操作を実行してください。
- EJBを含むJ2EEアプリケーションをテストモードで運用する場合,EJBはテスト用の名前空間に登録されます。EJBクライアントアプリケーションからEJBを呼び出す場合には,通常モード用の名前空間のルートコンテキスト名で始まる検索文字列「HITACHI_EJB/…」ではなく,テストモード用の名前空間のルートコンテキスト名で始まる検索文字列「$HITACHI_TEST/…」を指定してlookupを実行してください。
- サーバ管理コマンドを使用して,テストモードで運用しているJ2EEアプリケーションを停止します。
cjstopappコマンドで-testを指定して,J2EEアプリケーションを停止します。cjstopappコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjstopapp(J2EEアプリケーションの停止)」を参照してください。
- サーバ管理コマンドを使用して,テストモードで運用していたJ2EEアプリケーションの動作モードを通常モードに変更します。
cjchmodappコマンドで-test -mode normalを指定して,J2EEアプリケーションの動作モードを通常モードに変更します。cjchmodappコマンドについては,「7.3.8 アプリケーションのモードの切り替えで使用するコマンド(cjchmodapp(アプリケーションのモード切り替え))」を参照してください。
サーバ管理コマンドでの操作については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「3. サーバ管理コマンドの基本操作」を参照してください。また,コマンドや属性ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」,またはマニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」を参照してください。
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