Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 互換編
ここでは,WindowsでDABroker Libraryを使用するためのインストールおよび動作環境の設定について説明します。
製品のインストールには,インストーラを使用します。
なお,Windowsの場合には,すべての構成製品のインストールが終わると,再起動を促すダイアログが表示されます。ただし,DABroker Libraryの設定後にも再起動が必要になるため,DABroker Libraryの設定が終了したあとに再起動することをお勧めします。
DABroker Libraryをインストールしたあとは,システム環境変数Pathに<DABroker Libraryインストールディレクトリ>\libを設定し,システムを再起動する必要があります。なお,システム環境変数の設定,およびシステムの再起動を実施しないと,各ユティリティが使用できません。必ず実施してください。
Windowsの場合のインストール後のDABroker Libraryのディレクトリ構成を次の表に示します。これらのディレクトリは,<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>下に作成されます。
表4-8 DABroker Libraryのディレクトリ構成(Windowsの場合)
ディレクトリ | 説明 | ||
---|---|---|---|
DAB | − | DABroker Libraryのインストールディレクトリです。 | |
bin | ヘルプファイル格納用ディレクトリです。 | ||
lib | ライブラリ格納用ディレクトリです。 | ||
msg | メッセージファイル格納用ディレクトリです。 | ||
spool | − | トレースファイル,ログファイル格納用ディレクトリです。 | |
dabcltrc | − | ||
dabdump | − | ||
db_access | − | ||
tmp | 作業ディレクトリです。 | ||
DABJ | − | DABroker LibraryのJDBCドライバのインストールディレクトリです。 |
(凡例)−:該当しません。
DABroker Libraryの動作環境は,DABroker Libraryの環境設定ユティリティで設定します。
環境設定ユティリティにはオンラインヘルプがありますので,設定内容の詳細については,オンラインヘルプを参照してください。[スタート]メニューの[プログラム]から[Cosminexus※]−[DABrokerLibrary]−[ヘルプ]を選択すると,DABroker Libraryのオンラインヘルプが表示されます。
また,環境設定ユティリティでは,トレース取得の設定ができます。DABroker Libraryで取得できるトレースについては,「4.6.5 DABroker Libraryで取得できるトレース」を参照してください。
ここでは,DABroker Libraryの動作環境の設定について説明します。
DABroker Libraryの動作環境の設定手順を次に示します。
ここでは,[共通設定]タブの設定内容について説明します。DABroker Libraryを使用する場合の[共通設定]タブの設定内容を次に示します。
ここでは,[リモートアクセス設定]タブの設定内容について説明します。DABroker Libraryを使用する場合の[リモートアクセス設定]タブの設定内容を次に示します。
ここでは,[for C++設定]タブの設定内容について説明します。DABroker Libraryがインストールされている環境で,DABroker for C++をインストールし,DABroker for C++を使用してデータベースにアクセスする場合の設定です。
[for C++設定]タブでは,DABroker for C++を使用して開発したJ2EEアプリケーションからのアクセスでエラーが発生した場合の,DABroker for C++のイベントトレースの取得について設定します。エラーが発生した場合にイベントトレースを取得しておくことで,トレースを参照してエラーに対処できるようになります。
DABroker Libraryを使用する場合の[for C++設定]タブの設定内容を次に示します。
DABroker for C++のイベントトレースの詳細については,マニュアル「DABroker for C++」を参照してください。
環境設定ユティリティで設定した内容は,DABroker Library動作環境定義ファイルに反映されます。環境設定ユティリティとDABroker Library動作環境定義ファイルの対応を次の表に示します。
表4-9 環境設定ユティリティとDABroker Library動作環境定義ファイルの対応
環境設定ユティリティ | DABroker Library動作環境定義ファイルの項目名 | |
---|---|---|
タブ名 | 項目名 | |
[共通設定]タブ | 作業ディレクトリ | DABTMP |
データベースアクセス処理終了待ちタイムアウト | DABDBA_TIMEOUT | |
表検索カラム数 | DABSELECTCOLCNT | |
更新・検索条件カラム数 | DABSELECTINFCNT | |
ログファイルサイズ[dabsv.log] | DABSVLOGSIZE | |
使用するORACLEのバージョン | DABORACLE_TYPE | |
HiRDBのディクショナリ表のデータ属性 | DABSQL_HiRDB_DICTIONARY_DATATYPE | |
HiRDB環境変数区切り文字 | DAB_HIRDB_DBINF_ESC | |
拡張データベースアクセストレースを取得する | DABEXSQL_TRC_LINE | |
トレースファイルサイズ | ||
XAトレースを取得する | DABXA_LOG_ERROR | |
[リモートアクセス設定]タブ | HiRDBのBLOB型データ受取バッファサイズ | DABHIRDBA_BLOBBUFSIZE |
ORACLEのLONG型データ受取バッファサイズ | DABORADBA_LONGBUFSIZE | |
漢字コードセット | DABLANGMODE | |
[for C++設定]タブ | DABroker for C++のトレース取得サイズ | DABCPP_EVTTRC_SIZE |
DABroker for C++のトレース取得レベル | DABCPP_EVTTRC_LEVEL | |
DABroker for C++のトレース取得種別 | DABCPP_EVTTRC_nn |
環境設定ユティリティの[アクセストレース設定]ダイアログの項目とDABroker Library動作環境定義ファイルの対応を次の表に示します。
表4-10 [アクセストレース設定]ダイアログの項目とDABroker Library動作環境定義ファイルの対応
項目名(アクセストレースの種類) | DABroker Library動作環境定義ファイルの項目名 |
---|---|
CANCEL | DABSQL_TRC_CANCEL |
CLOSE | DABSQL_TRC_CLOSE |
COMMIT | DABSQL_TRC_COMMIT |
CONNECT | DABSQL_TRC_CONNECT |
DECLARE | DABSQL_TRC_DECLARE |
DESCRIBE | DABSQL_TRC_DESCRIBE |
DISCONNECT | DABSQL_TRC_DISCONNECT |
EXECUTE | DABSQL_TRC_EXECUTE |
FETCH | DABSQL_TRC_FETCH |
LOGGING | DABSQL_TRC_LOGGING |
LOGLESS | DABSQL_TRC_LOGLESS |
PREPARE | DABSQL_TRC_PREPARE |
ROLLBACK | DABSQL_TRC_ROLLBACK |
OPEN | DABSQL_TRC_OPEN |
AUTO_COMMIT_OFF | DABSQL_TRC_AUTO_COMMIT_OFF |
AUTO_COMMIT_ON | DABSQL_TRC_AUTO_COMMIT_ON |
ATTACH | DABSQL_TRC_ATTACH |
ATTRGET | DABSQL_TRC_ATTRGET |
ATTRSET | DABSQL_TRC_ATTRSET |
BIND | DABSQL_TRC_BIND |
CHARFORM | DABSQL_TRC_CHARFORM |
CHARID | DABSQL_TRC_CHARID |
DEFINE | DABSQL_TRC_DEFINE |
DESALLOC | DABSQL_TRC_DESALLOC |
DESCANY | DABSQL_TRC_DESCANY |
DESFREE | DABSQL_TRC_DESFREE |
DETACH | DABSQL_TRC_DETACH |
ENVCREATE | DABSQL_TRC_ENVCREATE |
ERRGET | DABSQL_TRC_ERRGET |
GETPIECE | DABSQL_TRC_GETPIECE |
HDLALLOC | DABSQL_TRC_HDLALLOC |
HDLFREE | DABSQL_TRC_HDLFREE |
LOBCLOSE | DABSQL_TRC_LOBCLOSE |
LOBLEN | DABSQL_TRC_LOBLEN |
LOBOPEN | DABSQL_TRC_LOBOPEN |
LOBREAD | DABSQL_TRC_LOBREAD |
LOBWRITE | DABSQL_TRC_LOBWRITE |
PARAMGET | DABSQL_TRC_PARAMGET |
SESBEGIN | DABSQL_TRC_SESBEGIN |
SESEND | DABSQL_TRC_SESEND |
SETPIECE | DABSQL_TRC_SETPIECE |
GETDIAG | DABSQL_TRC_GETDIAG |
GET_INFO | DABSQL_TRC_GET_INFO |
SET_INFO | DABSQL_TRC_SET_INFO |
EXECUTE_DIRECT | DABSQL_TRC_EXECUTE_DIRECT |
DABroker Library動作環境定義ファイルについては,「4.24 DABroker Library動作環境定義ファイル」を参照してください。
DABroker Libraryがインストールされている環境で,DABroker for C++をインストールし,DABroker for C++を使用してデータベースに接続する場合には,接続先データベースの定義が必要です。
DABroker for C++を使用してデータベースに接続する場合は,接続先データベース定義ユティリティで設定したデータベース種別名,およびデータベース名を使用してデータベースにアクセスします。接続先データベース定義ユティリティで設定した情報を使用すると,接続条件などが変更されてもアプリケーションを変更する必要がありません。ただし,OTS機能,またはJTS機能を使用する場合は,接続先データベース定義ユティリティで設定した情報を使用できません。
接続先データベース定義ユティリティは,プログラムフォルダに登録された「DABroker接続先データベース定義」から起動します。「DABroker接続先データベース定義」は,すべてのユーザが操作できます。
接続先データベース定義ユティリティで設定した内容は,接続先データベース定義ファイル(<DABroker Library運用ディレクトリ>\conf\dabenv)に出力されます。なお,DABroker Library運用ディレクトリは,DABroker Libraryのインストールディレクトリ(<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>\DAB)です。
接続先データベース定義の設定手順を次に示します。
なお,[接続先データベース定義]ダイアログで設定する,データベース種別名,データベース名,およびデータベース名のグループに定義する情報は,次のような親子関係になります。
この例で示すように,データベース名は,同一データベース種別名に対して,複数定義できます。例えば,ホスト名が異なる二つのHiRDBを,一つのデータベース種別として定義し,アプリケーションでは,データベース名でホストの異なるHiRDBを使い分けられます。このような場合の[接続先データベース定義]ダイアログでの設定方法を次に示します。
データベース名のグループに定義する情報について,データベースごとに説明します。
HiRDBまたはXDM/RD E2を使用する場合に,データベース名のグループに定義する情報を次の表に示します。
表4-11 データベース名のグループに定義する情報(HiRDBまたはXDM/RD E2を使用する場合)
設定項目名 | 指定内容 |
---|---|
データベース種別名 | 使用するデータベースに対して付ける任意の名称を指定します。設定規則を次に示します。
|
データベース名 | データベースごとに異なる情報の集まりに対して付ける任意の名称を指定します。設定規則を次に示します。
|
接続先ホスト名(DBHOST) | HiRDBのホスト名を指定します。 |
接続先ポート番号(DBNAME) | ポート番号を指定します。 |
ユーザID(USERID) | 接続ユーザIDを指定します。※ |
パスワード(PASSWD) | パスワードを指定します。※ |
環境変数 | HiRDBクライアントへ渡す環境変数を指定します。設定規則を次に示します。
|
環境変数グループ | HiRDBクライアントへ渡す環境変数グループ名を指定します。設定規則を次に示します。
|
なお,接続先データベース定義ユティリティで複数定義したデータベース種別名がユニークでも,実際のデータベース種別が同じ場合,同じプログラムから同時に接続できません。
Oracleを使用する場合に,データベース名のグループに定義する情報を次の表に示します。
表4-12 データベース名のグループに定義する情報(Oracleを使用する場合)
設定項目名 | 指定内容 |
---|---|
データベース種別名 | 使用するデータベースに対して付ける任意の名称を指定します。設定規則を次に示します。
|
データベース名 | データベースごとに異なる情報の集まりに対して付ける任意の名称を指定します。設定規則を次に示します。
|
リスナー名(DBNAME) | SQL*NET経由でアクセスするOracleのリスナー名称を指定します。ただし,リモートアクセスしない場合は省略します。 |
ユーザID(USERID) | 接続ユーザIDを指定します。※ |
パスワード(PASSWD) | パスワードを指定します。※ |
なお,接続先データベース定義ユティリティで複数定義したデータベース種別名がユニークでも,実際のデータベース種別が同じ場合,同じプログラムから同時に接続できません。
J2EEアプリケーションを運用する前に,次の設定をしてください。
DABroker Libraryが組み込まれたサーバにJ2EEアプリケーションを格納します。また,次に示すクラスパスを指定します。
ここでは,例として,「<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>\DABJ\JdbcDbpsvEx.jar」をクラスパスとして指定します。
簡易構築定義ファイルでは,物理ティアの定義(<tier>タグの定義)のJ2EEサーバの定義で,<configuration>タグにクラスパスの設定を追加します。なお,指定するパラメタの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.6.2 簡易構築定義ファイルの指定内容」を参照してください。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <model-definition xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/ModelDefinition-2.5"> <!-- Webシステムの属性定義 --> <web-system> <name>MyWebSystem</name> : <!-- 物理ティア(combined-tier)の定義 --> <tier> <tier-type>combined-tier</tier-type> <!-- J2EEアプリケーションの組み込みの設定 --> <configuration> <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type> <param> <param-name>add.class.path</param-name> <param-value><アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>\DABJ\JdbcDbpsvEx.jar</param-value> </param> </configuration> </tier> : </web-system> <host> : </model-definition> |
注 太字の部分が編集部分です。
J2EEアプリケーションのインタフェースを定義します。
DABroker Libraryでは,JNIを使ってDABrokerの提供するネイティブライブラリを使用します。DABroker Libraryをサーバで動作するJavaアプリケーションとして動作させるときは,次の設定が必要です。
ネイティブライブラリはJDBCドライバを実行する(呼び出す)プロセス上で読み込まれて動作するので,ネイティブライブラリ実行のための動作環境を設定する必要があります。
ネイティブライブラリは,データベースにアクセスする場合に,各データベースが提供するクライアントライブラリを呼び出します。データベースクライアントライブラリの動作環境の設定を次に示します。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2012, 2015, Hitachi, Ltd.