Cosminexus V9 アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド

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付録M.9 TP1インバウンド連携機能のサンプルプログラム

TP1インバウンド連携機能を使用するサンプルプログラムは,次のディレクトリに格納されます。

<Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\examples\tp1inbound

サンプルプログラムの概要と実行手順を説明します。

<この項の構成>
(1) TP1インバウンド連携機能のサンプルプログラムの概要
(2) TP1インバウンド連携機能のサンプルプログラムの実行手順
(3) サンプルプログラムの注意事項

(1) TP1インバウンド連携機能のサンプルプログラムの概要

TP1インバウンド連携機能のサンプルプログラムの構成を次に示します。

図M-47 TP1インバウンド連携機能のサンプルプログラムの構成

[図データ]

このサンプルプログラムは,TP1/Server Baseが提供するBaseサンプルのC言語のSUPからRPC要求電文を受け付け,BaseサンプルのC言語のSPPと同等の処理を実行するMessage-driven Beanのプログラムです。BaseサンプルのC言語のSPPと同等の処理とは,RPC要求電文の受け付け時にMessage-driven Beanが実行され,実行結果がRPC応答電文としてC言語のSUPに返される処理を指します。Message-driven Beanの処理は,BaseサンプルのC言語のSPPと同様に顧客情報の取得や更新を実施します。

サンプルプログラムでは,メモリ上のテーブルに顧客情報を格納します。サンプルプログラムで使用するテーブル構成を表M-5に,およびテーブルの内容を表M-6に示します。

表M-5 サンプルプログラムで使用するテーブルの構成

カラム 説明
name 名前
sex 性別
age 年齢
sale 販売額

表M-6 サンプルプログラムで使用するテーブルの内容

name sex age sale
Suzuki M 30 1000000
Okada F 23 1500000
Yoshida F 26 800000
Saitoh M 24 1000000
Itoh M 35 1800000
Nishikawa M 20 300000
Katoh F 28 1000000
Satoh F 27 2100000
Hasegawa M 25 600000
Watanabe M 31 1600000

(2) TP1インバウンド連携機能のサンプルプログラムの実行手順

サンプルプログラムの実行手順を示します。

(a) TP1/Server BaseのBaseサンプルの設定

TP1/Server BaseのBaseサンプルに対して,次の設定を実施してください。

●ユーザサービスネットワーク定義によるスケジューラダイレクトの設定

TP1インバウンドアダプタをユーザサービスネットワーク定義によるスケジューラダイレクト機能を使って呼び出すために,OpenTP1のユーザサービス定義,ユーザサービスネットワーク定義の定義を設定します。設定する内容について次に示します。

●性能解析トレースの設定

TP1インバウンドアダプタでOpenTP1の性能解析トレースの情報を引き継ぐためには,システム共通定義に性能解析トレースの設定を実施する必要があります。設定内容について次の表に示します。

表M-8 性能解析トレースの設定内容

設定内容 設定の目的
set prf_trace=Y 性能検証用トレース情報を取得するために設定します。
set rpc_prf_trace_level=00010001 OpenTP1のPRF情報をApplication Serverに伝播するために設定します。

システム共通定義については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。

(b) サンプルプログラムのコンパイル

サンプルで提供するバッチファイル(compile.bat)を使用して,サンプルプログラムをコンパイルします。このバッチファイルで,EARファイルが作成されます。

(c) J2EEサーバのセットアップ

付録M.1(1) J2EEサーバのセットアップ」を参照してください。

(d) J2EEサーバのカスタマイズ

付録M.1(2) J2EEサーバのカスタマイズ」を参照してください。

(e) J2EEサーバの起動

付録M.1(3) J2EEサーバの起動」を参照してください。

(f) TP1インバウンドアダプタのインポート,設定,および開始

TP1インバウンドアダプタのインポートおよび設定方法については,「付録M.1(4) リソースアダプタの設定」を参照してください。ただし,参照先の記述のうち,cjtestresコマンドを使用したリソースアダプタの接続テストは不要です。接続テストを実施するとメッセージKDJE48606-Eが発生します。TP1インバウンドアダプタの設定では,Connector属性ファイルのservice_groupプロパティにはのBaseサンプルで指定しているサービスグループ名「base_svg」を指定します。

(g) アプリケーションのデプロイ

付録M.1(5) アプリケーションのインポート,設定,および開始」を参照してください。

(h) SUPの実行

TP1/Server Baseで提供しているBaseサンプルを参照してください。

(i) アプリケーションのアンデプロイ

付録M.1(6) アプリケーションの停止,削除」を参照してください。

(j) J2EEサーバの終了

付録M.1(7) J2EEサーバの終了」を参照してください。

(3) サンプルプログラムの注意事項

ここでは,サンプルプログラムを使用するときの注意事項について説明します。

●TP1インバウンドアダプタ接続関連の設定について

このサンプルプログラムは,リソースとしてTP1インバウンドアダプタを使用するため,TP1インバウンドアダプタ接続に関する設定を適切に実施してください。

●サンプルプログラムを実行するプラットフォームについて

このサンプルプログラムは,エンディアンを意識したユーザデータの作成,取得は実施しません。このため,エンディアンが同一のプラットフォームでSUPを実行してください。エンディアンが異なるプラットフォームでSUPを実行すると,サンプルプログラムの「販売額」が不正な値となります。