Cosminexus V9 アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド

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付録J.2 構成ソフトウェアをインストールおよびアンインストールするときの注意事項

構成ソフトウェアをインストールおよびアンインストールするときの注意事項を作業のタイミングに分けて説明します。

<この項の構成>
(1) 作業前に確認する注意事項
(2) 作業中に確認する注意事項
(3) 作業後に確認する注意事項

(1) 作業前に確認する注意事項

分類 構成ソフトウェア 注意事項 新規インストール 更新インストール アンインストール
OS共通 Component Container Component Containerを新規インストールする場合にインストールディレクトリが作成されているときは,インストールディレクトリにファイルがないことを確認してください。
製品がインストールするファイルまたはディレクトリと同名のまたはディレクトリがあると,ファイルまたはディレクトリが上書きされます。必要に応じて,ディレクトリやファイルの移動,バックアップの作成,またはインストール先の変更をしてください。

Windowsの場合(デフォルト)
  • <OSインストールドライブ>:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\CC
  • <OSインストールドライブ>:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\manager
  • <OSインストールドライブ>:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\c4web
  • <OSインストールドライブ>:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\CWC
  • <OSインストールドライブ>:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\plugins

UNIXの場合(固定)
  • /opt/Cosminexus/CC
Component Containerで異なるバージョンへの更新インストール(バージョンアップ)をする場合,次のディレクトリが削除されます。必要なファイルがある場合は,更新インストール前に退避してください。

Windowsの場合
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\admin\help
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\examples
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\gui

UNIXの場合
  • /opt/Cosminexus/CC/admin/help
  • /opt/Cosminexus/CC/examples
  • /opt/Cosminexus/CC/gui
Component Containerで異なるバージョンへの更新インストール(バージョンアップ)をする場合,作業ディレクトリのディスク使用量の2倍以上の空き容量を確保してください。
Component Containerをインストールまたはアンインストールする場合,HTTP Serverを停止してください。停止しないでインストールまたはアンインストールすると,リダイレクタおよびPerformance Tracerを正常に更新またはアンインストールできません。
Component Containerをインストールまたはアンインストールする場合,J2EEサーバ,Webコンテナサーバ,およびCORBAネーミングサービスを停止してください。
Component Containerで異なるバージョンへの更新インストール(バージョンアップ)をする場合,次の構成ソフトウェアがインストールされていたときはアンインストールしてください。ただし,環境を引き継ぐため,アンインストールした構成ソフトウェアのディレクトリは削除しないでください。
  • Component Library
  • Manager
  • Web Services - Base
Component Container - Redirector リダイレクタ機能をインストールまたはアンインストールする場合,HTTP Serverを停止してください。停止しないでインストールまたはアンインストールすると,リダイレクタおよびPerformance Tracerを正常に更新またはアンインストールできません。
Windows共通 Component Container Component Containerをインストールする場合,Application Serverのインストール先ディレクトリ名に"#"を含むパスを指定しないでください。
Component Transaction Monitor Component Transaction Monitorをインストールするためには,ディスク占有量に記載した容量が必要です。この容量には,インストール作業に必要な一時的な領域を含んでいます。この容量が確保されていないディスクへComponent Transaction Monitorをインストールしようとした場合,ディスクの空き容量が5%以下になったときにインストール処理が中断します。この際,ディスクの空き領域を確保するか,またはインストール作業を中止することができます。ディスクの空き領域を確保した場合は,インストールは正常に終了します。インストール作業を中止した場合は,部分的にインストールされたすべてのファイルを削除してください。インストール作業の進行状況によっては,Component Transaction Monitorをアンインストールするか,Component Transaction Monitorのインストールディレクトリ以下をすべて手作業で削除する必要があります。
Developer's Kit for Java Developer's Kit for Javaを更新インストールすると,<Application Serverのインストールディレクトリ>\jdk\下にあるファイルは初期化されます。必要なファイルは退避しておいてください。
ただし,次に示すファイルは,更新インストール前のファイルが,同じディレクトリに別名(ファイル名_バージョン番号_日付時刻)で保存されるため,退避不要です。
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\jdk\jre\lib\security\cacerts
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\jdk\jre\lib\logging.properties
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\jdk\jre\lib\net.properties
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\jdk\jre\lib\sound.properties
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\jdk\jre\lib\management\jmxremote.access
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\jdk\jre\lib\management\management.properties
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\jdk\jre\lib\security\java.policy
  • <Application Serverのインストールディレクトリ>\jdk\jre\lib\security\java.security
更新インストール後に,ファイルの内容を戻したい場合は,別名で保存されたファイルを元のファイル名に戻すか,別名で保存されたファイルの内容を初期化されたファイルに取り込んでください。
HTTP Server HTTP Serverの次に示す作業の前に,「Cosminexus HTTP Server」サービスを停止してください。
  • 同一バージョンの更新インストール(上書き)前
  • アンインストール前
HTTP Serverのアンインストール前に,httpsdコマンドで登録したサービスを削除してください。
HTTP Serverのアンインストールでは,ファイルに読み取り専用属性が付与されている場合も削除されます。
Performance Tracer Performance Tracerをインストールするためには,ディスク占有量に記載した容量が必要です。この容量には,インストール作業に必要な一時的な領域を含んでいます。この容量が確保されていないディスクへPerformance Tracerをインストールしようとした場合,ディスクの空き容量が5%以下になったときにインストール処理が中断します。この際,ディスクの空き領域を確保するか,またはインストール作業を中止することができます。ディスクの空き領域を確保した場合は,インストールは正常に終了します。インストール作業を中止した場合は,部分的にインストールされたすべてのファイルを削除してください。インストール作業の進行状況によっては,Performance Tracerをアンインストールするか,Performance Tracerのインストールディレクトリ以下をすべて手作業で削除する必要があります。
Windows x86 DABroker Library DABroker Libraryは,単体版のDABroker,またはアプリケーションサーバ製品同梱のDABrokerがインストールされている環境に対して,更新インストールできます。ただし,すでにインストールされている単体版のDABroker,またはアプリケーションサーバ製品同梱のDABrokerから提供している次の機能は使用できなくなります。
  • TCP/IP接続機能
  • エージェント機能
  • コネクションマルチ機能
  • 各ユティリティ画面
  • HiRDBおよびOracle以外の接続機能
また,単体版のDABrokerがインストールされている環境の場合,DABroker Libraryは同一バージョン以降の更新インストール(上書きまたはバージョンアップ)ができます。
DABroker Libraryがインストールされている環境の場合,単体版のDABrokerは同一バージョンの更新インストール(上書き)だけできます。
DABroker Libraryは,ネットワークドライブにインストールできません。
Web Services - Security Web Services - Securityをインストールする環境に,次に示す製品のどちらかがインストール済みの場合は,これらの製品をアンインストールしたあとに,Web Services - Securityをインストールしてください。
  • P-244Z-1114 Cosminexus XML Security 05-05以降
  • P-244Z-1214 Cosminexus XML Security - Developer 05-05以降
UNIX共通 Component Container Component Containerのインストールディレクトリは,「/opt/Cosminexus/CC」固定です。
Component Containerをインストールする場合,umaskの影響を受けるファイルがあります。適切なumaskを設定してください。
Component Containerを更新インストールする場合に,インストールディレクトリが変更されたときは,新規インストールになります。
アプリケーションサーバ Version 6までで提供している構成ソフトウェアのうち,次の構成ソフトウェアがインストールされている環境には,Component Containerをインストールできません。
  • Component Library
  • Manager
  • Web Services - Base
インストールされている場合は必ずアンインストールしてください。
Web Services - Baseはアプリケーションサーバ Version 6までで提供されている構成ソフトウェアです。Web Services - Baseをインストールしている場合に,最新バージョンのアプリケーションサーバにComponent Containerを更新インストールするときは,動作モードの移行が実施されます。このため,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「付録A SOAPアプリケーションの移行」を参照して,移行してください。
Component Container - Redirector リダイレクタ機能のインストールディレクトリは,「/opt/Cosminexus/CCR」固定です。
リダイレクタ機能をインストールする場合,umaskの影響を受けるファイルがあります。適切なumaskを設定してください。
Developer's Kit for Java Developer's Kit for Javaを更新インストールすると,opt/Cosminexus/jdkにあるファイルはすべて削除されます。必要なファイルは退避しておいてください。
ただし,次に示すファイルは,更新インストール前のファイルが,同じディレクトリに別名(ファイル名_バージョン番号_日付時刻)で保存されるため,退避不要です。
  • /opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/security/cacerts
  • /opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/logging.properties
  • /opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/net.properties
  • /opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/sound.properties
  • /opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/management/jmxremote.access
  • /opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/management/management.properties
  • /opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/security/java.policy
  • /opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/security/java.security
更新インストール後に,ファイルの内容を戻したい場合は,別名で保存されたファイルを元のファイル名に戻すか,別名で保存されたファイルの内容を初期化されたファイルに取り込んでください。
HTTP Server すでにHTTP Serverがインストールされているシステムに再インストールする場合,同一バーションの更新インストール(上書き)ができます。このとき,HTTP Serverをインストールする前に,HTTP Serverの全プログラムおよび関連ファイルへの操作をすべて終了してください。
HTTP Serverをインストールする場合,コンフィグファイルがすでにあるときは,バージョン番号を付与した別名称でインストールされます。
HTTP Serverをインストールする場合,/opt/hitachi/httpsd/htdocs/index.htmlがすでにあるときは上書きされません。
HTTP Serverで同一バーションの更新インストール(上書き)をする場合,再インストール後も使用するファイル(httpsd.conf,sslc.cnfなどのコンフィグファイルやユーザが作成したコンテンツ)は,あらかじめ退避しておくことをお勧めします。
PPインストーラを使ったHTTP Serverのインストールに失敗した場合は,HTTP Serverの全プログラムおよび関連ファイルへの操作がすべて終了していることを確認してから,再度インストールしてください。また,HTTP Serverで提供しているディレクトリと同一名称のファイルがあった場合,インストールに失敗することがあります。/opt/hitachi/httpsd以下に同名のファイルがないことを確認してから,再度インストールしてください。
Web ServerからHTTP Serverへ異なるバージョンへの更新インストール(バージョンアップ)をする場合,以前のバージョンのHTMLマニュアル,GUIサーバ管理機能に関するファイル,ディレクトリ,一部のユティリティは削除されないで残ります。これらのファイルの使用はサポートしていません。
HTTP Serverのアンインストール時,/opt/hitachi/httpsd以下のファイルはすべて削除されます。必要なファイルはあらかじめ退避してください。
Web Services - Security Web Services - Securityをインストールする環境に,バージョン6以前のXML Securityがすでにインストールされている場合は,XML Securityをアンインストールしたあとに,Web Services - Securityをインストールしてください。
XML Processor XML Processorで同一バージョンの更新インストール(上書き)をする場合,/opt/Cosminexus/jaxpにあるすべてのファイルをいったん削除します。そのため,上書きインストール後に必要なファイルは,あらかじめ退避しておいてください。

(凡例)○:該当します。 −:該当しません。


(2) 作業中に確認する注意事項

分類 構成ソフトウェア 注意事項 新規インストール 更新インストール アンインストール
Windows共通 HTTP Server HTTP Serverの同一バージョンの更新インストール(上書き)で,エラー(レジストリアクセスエラーなど)が発生した場合は,アンインストールしたあとに,再度インストールしてください。

(凡例)○:該当します。 −:該当しません。


(3) 作業後に確認する注意事項

分類 構成ソフトウェア 注意事項 新規インストール 更新インストール アンインストール
OS共通 Component Container Component Containerで異なるバージョンへの更新インストール(バージョンアップ)をして環境を移行した場合,作業ディレクトリは旧バージョンで使用していたディレクトリを引き続き使用します。旧バージョンの作業ディレクトリを誤って削除しないようにしてください。
Management Server上で論理Webサーバを削除しないで,HTTP Serverをアンインストールして再インストールした場合,Management Serverで管理されている論理Webサーバは削除されませんが,実サーバ(Webサーバ(HTTP Server))は削除されます。このため,再インストール後,Management Serverで該当する論理Webサーバを再セットアップする必要があります。この場合は,運用管理ポータルで再度論理Webサーバのセットアップと配布を実行してください。
また,httpsd.confファイルは,運用管理ポータルで論理Webサーバの設定情報を配布した時に新規作成または上書きされます。このため,手動でhttpsd.confファイルを修正していた場合は,運用管理ポータルで論理Webサーバの設定情報を配布したあとに,必要に応じて,再度httpsd.confファイルを修正してください。なお,運用管理ポータルの[Webサーバの設定]画面で,httpsd.confファイルの内容を編集して配布している場合は,修正不要です。
Component Containerで同一バージョンの更新インストール(上書き)をしても,アプリケーションサーバにインポート,デプロイ済みのDB Connectorはアップデートされません。インポート,デプロイ済みのDB Connectorをアップデートするためには,cjrarupdateコマンドを実行してください。cjrarupdateコマンドの実行形式を次に示します。
/opt/Cosminexus/CC/server/bin/cjrarupdate -type dbconnector
詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjrarupdate(リソースアダプタのバージョンアップ)」を参照してください。
cjrarupdateコマンド実行時,DB Connectorに変更がない場合はKDJE42249-Wメッセージが出力されます。メッセージが出力されても問題はありません。
Reliable Messaging Reliable Messagingを更新インストールすると,Reliable Messagingが提供するコマンドのリクエストタイムアウト値はデフォルト値(0)に戻ります。<Application Serverのインストールディレクトリ>/RM/binディレクトリ下にある,バッチファイルまたはシェルスクリプトを編集して,リクエストタイムアウト値を変更している場合は,再度,値を設定してください。
Reliable Messagingのコマンドを実行すると,<Application Serverのインストールディレクトリ>/RM/logsにコマンド実行時のログが出力されます。アンインストール時,このディレクトリ下にあるログディレクトリやファイルが残ることがあります。
Windows共通 Developer's Kit for Java Developer's Kit for Javaをアンインストールしても一部のファイルやディレクトリが削除されないで,<Application Serverのインストールディレクトリ>\jdk以下に残ることがあります。削除されなかったファイルやディレクトリは手動で削除してください。
Developer's Kit for Javaの更新インストール時に,インストーラが別名で保存したファイルは,アンインストールしても削除されません。また,更新インストールを繰り返し実施すると,実施した回数分,別名で保存したファイルが作成されます。必要に応じて不要なファイルやディレクトリは削除してください。
HTTP Server HTTP Serverの新規インストールでは,「Cosminexus HTTP Server」サービスのスタートアップの種類は「手動」で登録されます。
HTTP Serverのアンインストールでは,インストール後に作成されるファイル,コンフィグファイルは削除されません。また,そのほかのファイルやディレクトリが削除されないで残ることがあります。
UNIX共通 Component Container Component Containerのアンインストール時,06-70より前では/opt/Cosminexus/CC/spoolディレクトリを削除していました。しかし,06-70以降ではこのディレクトリが残るようになりました。このディレクトリは,J2EEサーバまたはWebコンテナサーバの実行監視に使用しています。アンインストール後に,手動で削除しても問題ありません。

(凡例)○:該当します。 −:該当しません。