Cosminexus アプリケーションサーバ V8 Webサービス開発の手引
メッセージコンテキスト使用時の注意事項について説明します。
要求メッセージのHTTPメソッドのマップを保持するプロパティ(javax.xml.ws.http.request.methodプロパティなど)は,Webサービス側のハンドラで取得して意味のあるプロパティです。したがって,Webサービスクライアント側のハンドラでこのプロパティを参照した場合は常にnullが返されます。
javax.xml.ws.http.request.pathinfoプロパティは常にnullが保持されます。
応答メッセージのHTTPヘッダのマップを保持するjavax.xml.ws.http.response.headersプロパティは,インバウンド時にWebサービスクライアント側のハンドラで取得して意味のあるプロパティです。したがって,Webサービス側のハンドラ,またはWebサービスクライアント側のアウトバウンド処理のハンドラで参照した場合は,常にnullが返されます。
Webサービスクライアント側のアウトバウンドのハンドラは,HTTP通信が行われる前に処理されます。したがって,ハンドラからHTTPステータスコードを保持するjavax.xml.ws.http.response.codeプロパティを参照した場合は,常にnullが返されます。
標準のメッセージコンテキストプロパティとしてAPPLICATIONスコープおよびHANDLERスコープがありますが,Webサービスクライアントからは,APPLICATIONスコープのメッセージコンテキストプロパティだけ参照できます。したがって,CosminexusのJAX-WS機能では,「15.5.1 メッセージコンテキストのプロパティのサポート範囲」の表で注※9が付けられたプロパティは,Webサービスクライアントでは使用できません。これらのプロパティを参照した場合の動作は保証されません。
CosminexusのJAX-WS機能ではSOAPActionヘッダをサポートしていないため,javax.xml.ws.soap.http.soapaction.useプロパティとjavax.xml.ws.soap.http.soapaction.uriプロパティは使用できません。これらのプロパティを参照した場合の動作は保証されません。
サービスエンドポイントのアドレスを指定するjavax.xml.ws.service.endpoint.addressプロパティには,空白および空文字は設定できません。空白または空文字を設定した場合の動作は保証されません。javax.xml.ws.service.endpoint.addressプロパティのその他の指定値については,「14.2(3) soap:address要素またはsoap12:address要素のlocation属性に指定できる値」を参照してください。
ディスパッチベースのWebサービスクライアントおよびプロバイダベースのWebサービスではWSDLファイルがないので,WSDLに関連するメッセージコンテキストプロパティを参照した場合は常にnullが返ります。
スタブベースのWebサービスクライアントでのjavax.xml.ws.wsdl.operationプロパティの参照は,javax.xml.ws.BindingProvider#getResponseContextで取得できる要求コンテキストだけでできます。javax.xml.ws.BindingProvider#getRequestContextで取得できる要求コンテキストで参照した場合は常にnullが返ります。また,javax.xml.ws.wsdl.operationプロパティに値を設定しても,送信するSOAPメッセージには影響を与えません。
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