Webサービス実装クラスの条件を示します。

• SEIのすべてのメソッドを実装する必要があります。すべてのメソッドを実装していない場合は，標準エラー出力とログにエラーメッセージが出力されます（KDJW61011-E）。
• Webサービスのオペレーションとして，Objectクラスのfinalizeメソッドをオーバーライドするようなfinalizeメソッドは定義できません。定義した場合は，標準エラー出力とログにエラーメッセージが出力されます（KDJW61012-E）。
• publicなデフォルトコンストラクタを定義する必要があります。定義していない場合は，標準エラー出力とログにエラーメッセージが出力されます（KDJW61013-E）。
• javax.jws.WebServiceアノテーションを記述する必要があります。javax.jws.WebServiceアノテーションを記述していない場合は，Webサービス実装クラスではないと判断されます。Webサービス実装クラスが一つもないと判断された場合，警告メッセージが出力されます（KDJW61001-W）。
• javax.jws.WebServiceアノテーションをstaticなインナークラスで定義できます。staticでないインナークラスの場合は，標準エラー出力とログにエラーメッセージが出力されます（KDJW61015-E）。
• Webサービス実装クラスのアクセス修飾子はpublicにしてください。finalやabstractは指定できません。public以外を指定した場合は，標準エラー出力とログにエラーメッセージが出力されます（KDJW61016-E）。
• Webサービス実装クラスは，SEIをimplementsしてもかまいません。implementsしなかった場合，aptコマンド実行時に-sourcepathオプションを指定しても，引数にSEIとWebサービス実装クラスの両方を指定する必要があります。implementsしないでSEIをaptコマンドの引数に指定しなかった場合，javax.jws.WebServiceアノテーションのendpointInterface要素によってSEIの情報だけは参照しているが，コンパイル対象には含んでいないため，SEIのクラスファイルは生成されません。

Webサービス実装クラスからSEIへのマッピングでは，javax.jws.WebServiceアノテーションのendpointInterface要素を利用して，Webサービス実装クラスとSEIを関連づけることができます。

Webサービス実装クラスだけ定義する場合，endpointInterface要素は使用しません。この場合，Webサービス実装クラスが持つ情報から，SEIに定義する抽象的な情報が抽出され，仮想のSEIがあるものと見なされます（暗黙のSEI）。

javax.jws.WebServiceアノテーションのendpointInterface要素については，「13.2.8　javax.jws.WebServiceアノテーション」を参照してください。