Cosminexus アプリケーションサーバ V8 アプリケーション開発ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

付録B.2 開発環境の構築

インストール完了後,J2EEアプリケーションの開発環境を構築します。J2EEアプリケーションの開発環境の構築の流れを次に示します。

  1. 環境変数の設定
    DeveloperおよびEclipseで必要となる環境変数を設定します。環境変数の設定方法については,「2.2.1(2) 環境変数の設定」を参照してください。
  2. MyEclipseを使用するための設定
    J2EEアプリケーション開発でMyEclipseを使用するための設定をします。設定方法については,「(1) MyEclipseを使用するための設定」を参照してください。
  3. デバッグ環境のシステム構築
    J2EEアプリケーションのテストで使用するシステムを構築します。システムの構築には,Smart Composer機能を使用します。Smart Composer機能とは,システムの構築を支援するための機能です。システムの情報を定義したファイルを作成してSmart Composer機能のコマンドを実行すると,簡単にシステムを構築できます。構築手順については,「(2) デバッグ環境のシステム構築」を参照してください。
  4. Cosminexusコネクタの設定
    Cosminexusコネクタを設定します。Cosminexusコネクタは,MyEclipseからJ2EEサーバやJ2EEアプリケーションを操作するときに使用します。なお,CosminexusコネクタはManagement Serverリモート管理機能を使用するため,事前にManagement Serverリモート管理機能の設定が必要です。Management Serverリモート管理機能の設定,およびCosminexusコネクタの設定方法については,「(3) Cosminexusコネクタの設定」を参照してください。

ここでは,デバッグ環境のシステム構築およびプラグインを使用するための設定について説明します。

<この項の構成>
(1) MyEclipseを使用するための設定
(2) デバッグ環境のシステム構築
(3) Cosminexusコネクタの設定

(1) MyEclipseを使用するための設定

J2EEアプリケーション開発でMyEclipseを使用するためには,次の設定が必要です。

Eclipseで使用するJDKの設定方法およびローカル変数情報の出力の設定方法については,「2.5.1 Eclipseの設定」を参照してください。なお,インターネット接続時にプロキシを使用している環境では,MyEclipseでプロキシを設定する必要があります。MyEclipseのプロキシの設定方法については,「2.6.1 Eclipseのプロキシの設定」を参照してください。

(2) デバッグ環境のシステム構築

Smart Composer機能を使用したシステム構築の流れを次に示します。

  1. Management Serverの設定
    Management Serverとは,アプリケーションサーバを一括で管理および運用するための運用管理プロセスです。
    Management Serverをセットアップして,Management Serverの管理ユーザを設定します。また,Management Serverおよび運用管理エージェントを自動起動するための設定もします。設定方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「7.6 Management Serverのセットアップと環境設定」を参照してください。
    なお,Management Serverおよび運用管理エージェントの概要については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「2.3.1 プロセス構成」を参照してください。
  2. 簡易構築定義ファイルの作成
    構築するシステムの情報を,簡易構築定義ファイルに定義します。簡易構築定義ファイルには,構築するシステムの名称やシステムに配置する論理サーバの種類などを定義します。また,J2EEアプリケーションのデバッグ環境ではリロード機能を使用します。リロード機能を使用するための設定も簡易構築定義ファイルに定義します。作成方法については,「(a) 簡易構築定義ファイルの作成」を参照してください。
  3. システムの構築
    Smart Composer機能で提供するコマンドを使用して,システムを構築します。Smart Composer機能で使用するコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「8. Smart Composer機能で使用するコマンド」を参照してください。
  4. JavaVMのセキュリティポリシーの設定
    セキュリティマネージャを使用する場合は,JavaVMのセキュリティポリシーを指定できます。JavaVMのセキュリティポリシーを指定する場合は,あらかじめ設定しておきます。セキュリティマネージャを使用しない場合はこの設定は不要です。設定方法については,「(b) JavaVMのセキュリティポリシーの設定」を参照してください。
(a) 簡易構築定義ファイルの作成

構築するシステムの情報を定義した簡易構築定義ファイルを作成します。

ここでは,Developerで提供しているテンプレートファイル(cmxdefcombinedmodel.xml)を使用して,簡易構築定義ファイルを作成します。簡易構築定義ファイルのテンプレートは次の場所に格納されています。テンプレートファイルを任意の場所にコピーして,簡易構築定義ファイルを作成してください。

テンプレートファイル(cmxdefcombinedmodel.xml)の格納先
<Developerのインストールディレクトリ>\manager\config\templates\

簡易構築定義ファイルで定義する内容については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.6 簡易構築定義ファイル」を参照してください。

なお,デバッグ環境を開発環境とは別のマシンに構築している場合は,簡易Webサーバにアクセスするホストを許可する設定が必要になります。簡易構築定義ファイルの<param>タグの下に次のタグを設定します。

また,JSPデバッグを実施する場合は,簡易構築定義ファイルの<param>タグの下に次のタグを設定します。

(b) JavaVMのセキュリティポリシーの設定

JavaVMのセキュリティポリシーを設定するには,server.policyを編集します。server.policyの格納先を次に示します。

server.policyの格納先
<Developerのインストールディレクトリ>\CC\server\usrconf\ejb\<サーバ名称>\server.policy

server.policyに設定する内容については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.5 server.policy(J2EEサーバ用セキュリティポリシーファイル)」を参照してください。

ポイント
server.policyの格納先である<サーバ名称>フォルダ,およびserver.policyは,cmx_build_systemコマンドを実行すると作成されます。

(3) Cosminexusコネクタの設定

Cosminexusコネクタは,MyEclipseからJ2EEアプリケーションをデプロイしたり,J2EEサーバを起動したりするときに使用されます。Cosminexusコネクタは,Management Serverリモート管理機能を使用してJ2EEサーバに接続するため,Management Serverリモート管理機能の設定が必要です。また,MyEclipseでコンソールに情報を出力するためには,コンソールへの情報出力の設定が必要です。

ここでは,Management Serverリモート管理機能の設定,コンソールへの情報出力の設定,およびCosminexusコネクタを使用するための各種設定について説明します。

参考
デプロイ作業ディレクトリの設定およびソケット操作のブロックのタイムアウトの設定を変更したい場合は,Management Serverリモート管理機能へログインする前に設定を変更する必要があります。設定の変更方法については,「2.6.2 デプロイ作業ディレクトリの設定変更」または「2.6.3 ソケット操作のブロックのタイムアウト設定変更」を参照してください。また,CosminexusコネクタからManagement Serverリモート管理機能へのログインおよびログアウト方法については,「2.5.2 Management Serverリモート管理機能へのログインおよびログアウト(MyEclipse)」を参照してください。
(a) Management Serverリモート管理機能の設定

Cosminexusコネクタを使用するためには,Management Serverリモート管理機能の設定が必要です。Management Serverリモート管理機能を使用するためには,mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)にプロパティを設定します。mserver.propertiesの格納先と追加するプロパティを次に示します。

なお,Management Server実行中にプロパティを設定しても反映されません。設定を反映するには,Management Serverを再起動する必要があります。

com.cosminexus.mngsvr.management.portキーに設定するポート番号について
このキーに指定したポート番号は,CosminexusコネクタでManagement Serverリモート管理機能にログインするときに使用します。ここで指定したポート番号は,[Cosminexus]ページのポート番号にも設定してください。Cosminexusコネクタの場合のポート番号の設定について説明します。
[Cosminexus]ページでは,デフォルトのポート番号として28099が設定されています。このため,mserver.propertiesでポート番号を変更した場合は,[Cosminexus]ページのポート番号も変更してください。[Cosminexus]ページでのポート番号の変更方法については,「(3)(c) 接続先ホストの設定変更」を参照してください。
なお,デフォルトのポート番号を使用する場合は[Cosminexus]ページでのポート番号の変更は不要です。
(b) コンソールへの情報出力の設定

コンソールに情報を出力する場合は,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)に次の設定を追加してください。

なお,Management Server実行中にプロパティを設定しても反映されません。設定を反映するには,Management Serverおよび運用管理エージェントを再起動する必要があります。

ポイント
ここで設定しているのは,コンソールに情報を出力するかどうかです。コンソールに表示する文字数などの設定については,「2.6.4 コンソールの設定変更」を参照してください。
(c) 接続先ホストの設定変更

Cosminexusコネクタの場合,Management Serverリモート管理機能への接続情報がデフォルトで設定されています。このため,次に示す場合には,接続先ホストの設定をManagement Serverリモート管理機能にログインする前に変更する必要があります。

接続先がlocalhostで,mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)でポート番号をデフォルトから変更している場合
Cosminexusコネクタが接続するポート番号を変更します。

接続先がlocalhost以外の場合
接続先がlocalhost以外の場合(MyEclipseと異なるマシンにManagement Serverがある場合),接続ホストを追加する必要があります。

それぞれの場合の設定方法を次に説明します。なお,接続先がlocalhostで,mserver.propertiesに設定するポート番号をデフォルトのまま使用している場合,次に示す設定は不要です。

接続先のポート番号の変更

(3)(a) Management Serverリモート管理機能の設定」で接続先ポート番号をデフォルトの28099から変更している場合,[Cosminexus]ページでポート番号を変更する必要があります。ポート番号の設定手順を次に示します。

  1. Eclipseのメニューから,[ウィンドウ]−[設定]を選択します。
    [設定]ダイアログが表示されます。
  2. 左ペインのツリービューで[MyEclipse]−[サーバー]−[Cosminexus]を選択します。
    [Cosminexus]ページが表示されます。
  3. [Cosminexus サーバー]ツリービューの[localhost]を選択し,[編集]ボタンをクリックします。
    [接続ホストの編集]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  4. 変更後のポート番号を設定します。
    [接続ホストの編集]ダイアログの[ポート番号]に,mserver.propertiesに設定したポート番号を設定します。
Management Serverリモート管理機能への接続ホストの追加

MyEclipseとは別のマシンにManagement Serverがある場合,あらかじめManagement ServerがあるマシンをManagement Serverリモート管理機能の接続ホストに追加しておく必要があります。Management Serverリモート管理機能の接続先がlocalhostの場合,この設定は不要です。

接続先ホストの追加手順を次に示します。

  1. Eclipseのメニューから,[ウィンドウ]−[設定]を選択します。
    [設定]ダイアログが表示されます。
  2. 左ペインのツリービューで[MyEclipse]−[サーバー]−[Cosminexus]を選択します。
    [Cosminexus]ページが表示されます。
  3. [新規]ボタンをクリックします。
    [新規接続ホスト]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  4. 次の項目を指定します。
    項目名 指定値
    ホスト名またはIPアドレス Management Serverリモート管理機能の接続先となるManagement Serverのホスト名またはIPアドレスを指定します。
    ポート番号 Management Serverリモート管理機能の接続先となるManagement Serverのポート番号を指定します。
  5. [OK]ボタンをクリックします。
    [Cosminexus サーバー]ツリービューに追加したホストが表示されます。
  6. [適用]ボタンまたは[OK]ボタンをクリックします。
    追加したホストの設定が保存されます。
(d) J2EEサーバ起動時の動作の設定

J2EEサーバの起動時の動作を設定します。Management Serverリモート管理機能にログインしてから設定してください。Management Serverリモート管理機能へのログイン方法については,「2.5.2 Management Serverリモート管理機能へのログインおよびログアウト(MyEclipse)」を参照してください。

注意
J2EEサーバ起動時の動作の設定について
J2EEサーバ起動時の動作の設定は,Cosminexusコネクタを使用してMyEclipseからJ2EEサーバを開始するときにManagement Serverの設定情報として配布されます。運用管理ポータルなどで変更した場合,その設定が有効になります。セキュリティマネージャを使用しない設定にする場合,J2EEサーバ起動時のコマンドオプションに-nosecurityオプションを付加します。J2EEサーバ起動時のコマンドオプションについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjstartsv(J2EEサーバの開始)」を参照してください。

設定手順を次に示します。

  1. Eclipseのメニューから,[ウィンドウ]−[設定]を選択します。
    [設定]ダイアログが表示されます。
  2. 左ペインのツリービューで[MyEclipse]−[サーバー]−[Cosminexus]−[起動]を選択します。
    [起動]ページが表示されます。

    [図データ]

  3. 使用したい環境に合わせて,次の項目を指定します。
    項目名 指定値
    Cosminexus 起動モード J2EEサーバの起動モードを選択します。
    • デバッグ・モード
      デバッグモードでJ2EEサーバを開始します。
    • 実行モード
      実行モードでJ2EEサーバを開始します。
    EclipseのツールバーからJ2EEサーバを起動すると,ここで指定した起動モードでJ2EEサーバが起動します。
    デバッグ・ポート番号 デバッグモードでJ2EEサーバを起動するときに,デバッガ・アプリケーション(Eclipse)が接続する任意のポート番号を指定します。
    未使用のポート番号を指定してください。
    ホスト単位の論理サーバー一括操作を有効にする ホスト単位で論理サーバーを,一括して起動したり停止したりするかどうかを指定します。
    • チェックする
      ホスト単位で論理サーバーを一括操作します。Cosminexus Management Serverの運用管理ポータルの[論理サーバの起動/停止]画面の[起動順序の設定]タブで,論理サーバの起動順序の設定が必要です。設定した数値の小さい論理サーバから順番に起動し,起動時と逆の順序で停止します。
    • チェックしない
      ホスト単位で論理サーバーを一括操作しません。
    J2EE アプリケーションを開始しない J2EEサーバ起動時に,J2EEアプリケーションを開始するかどうかを指定します。
    • チェックする
      J2EEアプリケーションを開始しません。
    • チェックしない
      J2EEアプリケーションを開始します。
    MyEclipseの[サーバー]ビューからデプロイしたJ2EEアプリケーションだけをテスト・デバッグする場合などに,チェックします。
    セキュリティー・マネージャーを使用しない J2EEサーバ起動時にセキュリティマネージャを使用するかどうかを指定します。
    • チェックする
      セキュリティマネージャを使用しません。
    • チェックしない
      セキュリティマネージャを使用します。
    注※
    [ホスト単位の論理サーバー一括操作を有効にする]をチェックすると,J2EEアプリケーションが開始されるため,[ホスト単位の論理サーバー一括操作を有効にする]および[J2EE アプリケーションを開始しない]の項目は同時にチェックできません。
  4. [適用]ボタンまたは[OK]ボタンをクリックします。
    設定が保存されます。
    参考
    J2EEサーバを追加したあとに,[Cosminexus]ページの[Cosminexus サーバー]ツリービューの表示を更新するには,再度,Management Serverリモート管理機能にログインし直してください。