Cosminexus アプリケーションサーバ V8 リファレンス 定義編(サーバ定義)

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15.2 usrconf.cfgJavaアプリケーション用オプション定義ファイル

<この節の構成>
(1) 形式
(2) ファイルの格納先
(3) 機能
(4) 指定できるキー
(5) 記述例
(6) add.jvm.argで指定できるJavaVMのオプション
(7) 注意事項

(1) 形式

次のようにキーを指定します。

<キー名称> = <値>

指定方法
  • 改行までが値になります。
  • #で始まる行はコメントとみなされます。
  • 値が存在しない行を定義した場合,その行は無視されます。
  • 値の後ろには,空白やコメントなどの文字列は追加できません。追加した場合,不正な値と解釈されます。
(例) <キー名称> = <値> #<コメント>
  • 値にスペースを含むパスを指定する場合,パスをダブルクォーテーション(”)で囲む必要はありません。
  • 実行時の文字エンコーディングと異なる文字エンコーディングでは記述できません。

(2) ファイルの格納先

注※
ユーザ定義ファイル格納先環境変数(CJCLUSRCONFDIR)で指定したディレクトリです。cjclstartapコマンドを実行する前に,必ずこの環境変数を指定してください。EJBクライアントアプリケーションの実行に必要な環境変数の設定については,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)」の「3.3.4 EJBクライアントアプリケーションの実行に必要な環境変数の設定」を参照してください。

(3) 機能

cjclstartapコマンドを使用する場合に,Javaアプリケーションを実行するJavaVMの起動オプションを指定します。

Javaアプリケーションを実行中に,このファイルの内容を変更した場合,変更した内容は,次回Javaアプリケーションを起動したときに反映されます。

(4) 指定できるキー

指定できるキーとデフォルト値を次に示します。このキーに不正な値を指定した場合は,動作は保証されません。

ポイント
ここでは,次の内容について説明します。
  • Javaアプリケーション用usrconf.cfgファイルで指定できるキーの概要
    指定できるキーのうち,J2EEサーバ用usrconf.cfgファイルと共通のキーについては,ここでは詳細を説明しません。
    共通のキーの詳細については,「2.3 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。参照する場合には,「J2EEサーバ」を「Javaアプリケーション」と読み替えてください。
    なお,J2EEサーバ用のキーと指定内容が異なる場合には,ここでキーの詳細について説明します。
  • J2EEサーバ用のキーとの差異(J2EEサーバ用usrconf.cfgファイルのキーと指定内容が異なる場合)
    Javaアプリケーション用のキーとJ2EEサーバ用のキーの指定内容が異なる場合には,キーの詳細について説明します。差異の有無は「差異」列に表記します。

 

表15-2 usrconf.cfgに指定できるキーとデフォルト値(Javaアプリケーション)

キー名称 差異 内容 デフォルト値
add.jvm.arg なし 指定されたオプションを使ってJavaVMを起動します。
add.jvm.argで指定できるJavaVMのオプションについては,「15.2(6)(a) Javaアプリケーションのadd.jvm.argで指定できるJavaVMオプション」を参照してください。
デフォルト値については「15.2(6)(b) Javaアプリケーション用オプション定義ファイルに指定するJavaVMオプションのデフォルト値」を参照してください。
add.class.path あり コンテナ拡張ライブラリ用のJARを指定します。
EJBアプリケーションごとの実行に必要なクラスパス(stubs.jar,<数字>.jar,<ユーザクラス>.jar)を指定します。
なお,スペースを含むパスを指定する場合,パスをダブルクォーテーション(")で囲む必要はありません。また,ダブルクォーテーションでの指定は有効となりません。
add.library.path なし JNI用の共有ライブラリを指定します。
cpp.library.version なし プロセス内で使用するlibstdc++ライブラリのバージョンを指定します。
  • x64ネイティブ版を使用する場合:6
  • それ以外を使用する場合:5
ejb.client.directory.shareable 独自 同じカレントディレクトリまたは,同じログ出力先ディレクトリを使用する複数のcjclstartapコマンドを同時に起動するかどうかを指定します。

trueを指定した場合:
同時に起動します。

falseを指定した場合:
同時に起動しません。
true
ejb.client.ejb.log 独自 ejb.client.log.directoryキーに指定したディレクトリの下の,Javaアプリケーションが出力するメッセージのログ出力先のディレクトリ名を,1〜16バイトで指定します。
指定できる文字は,半角英数字,アンダースコア(_),およびハイフン(-)です。
16バイトを超える文字列を指定した場合,KDJE40051-Wのメッセージが出力されます。
ディレクトリにアクセス権がない場合や,ファイル名を指定した場合は,KDJE40052-Eのメッセージが出力され,Javaアプリケーションが終了します。
ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)にejbserver.client.ejb.logを指定した場合,次のログファイルの出力先はユーザプロパティファイルの指定が優先されます。
  • 稼働ログ
  • 障害発生時の例外情報
  • 保守情報
system
ejb.client.log.appid 独自 Javaアプリケーションが出力するメッセージのログ出力先のサブディレクトリ名を1〜16バイトで指定します。
指定できる文字は,半角英数字,アンダースコア(_),およびハイフン(-)です。
16バイトを超える文字列を指定した場合,KDJE40051-Wのメッセージが出力されます。
ディレクトリにアクセス権がない場合や,ファイル名を指定した場合は,KDJE40052-Eのメッセージが出力され,Javaアプリケーションが終了します。
ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)にejbserver.client.log.appidを指定した場合,次のログファイルの出力先はユーザプロパティファイルの指定が優先されます。
  • 稼働ログ
  • 障害発生時の例外情報
  • 保守情報
ejbcl
ejb.client.log.directory 独自 Javaアプリケーションのログ出力先のパスを1〜180バイトの範囲で指定します。
パスは絶対パスまたはカレントディレクトからの相対パスで指定します。
指定できる文字は,半角英数字,アンダースコア(_),ハイフン(-)およびパス区切り文字です。
180バイトを超えるパス(相対パスを指定したときは,カレントディレクトリまでの絶対パスと相対パスの合計)を指定した場合,KDJE40059-Wのメッセージが出力され,デフォルト値が使用されます。デフォルト値が180バイトを超える場合は,ログの初期化に失敗し,異常終了します。
Windowsの場合,UNC名を含むパスは指定できません。UNIXの場合,nfsマウントされたディスク上へのパスは指定できません。
ディレクトリにアクセス権がない場合や,ファイル名を指定した場合は,KDJE40052-Eのメッセージが出力され,Javaアプリケーションが終了します。
ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)にejbserver.client.log.directoryを指定した場合,次のログファイルの出力先はユーザプロパティファイルの指定が優先されます。
  • 稼働ログ
  • ログ稼働ログ
  • 障害発生時の例外情報
  • 保守情報
カレントディレクトリ/logs
ejb.client.log.stdout.enabled 独自 標準出力へメッセージを出力するかどうかを指定します。

true:
標準出力へ出力します。

false:
標準出力へ出力しません。
標準出力へのメッセージ出力を制御できるログは次のとおりです。
  • 稼働ログ
  • cjclstartapコマンドログ
  • 起動プロセス標準出力情報
true
jvm.type 独自 使用するJavaVMのタイプを設定します。指定できる値は次のどちらかです。
  • client
    Java HotSpot(TM) Client VMが使用されます。
  • server
    Java HotSpot(TM) Server VMが使用されます。
指定値に誤りがあった場合は,”client”,”server”の順でJavaVMを検索します。なお,このときKDJE40020-Wメッセージが出力されます。
AIX,およびSolarisの場合は,”server”を指定しても”client”になります。
client

(凡例)

あり:
Javaアプリケーション用usrconf.propertiesファイルのキーとJ2EEサーバ用usrconf.propertiesファイルのキーに差異があります。詳細については,「内容」の列を参照してください。

なし:
Javaアプリケーション用usrconf.cfgファイルとJ2EEサーバ用usrconf.cfgファイルで共通のキー,またはデフォルト値です。キーの詳細については,「2.3 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

独自:
Javaアプリケーション用usrconf.cfgファイル固有のキーです。キーの詳細については,「内容」の列を参照してください。

−:
Javaアプリケーション用usrconf.cfgファイルとJ2EEサーバ用usrconf.cfgファイルで共通のデフォルト値です。デフォルト値の詳細については,「2.3 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

(5) 記述例

# EJB client application classpath
# RMI-IIOP Stubs jar file
add.class.path=<Javaアプリケーション格納パス>\stubs.jar
 
# RMI-IIOP interface jar file
add.class.path=<Javaアプリケーション格納パス>\1.jar
 
# User class
add.class.path=<Javaアプリケーション格納パス>\<Javaアプリケーションjar>
#add.class.path=<User classpath>
 
# java vm options
add.jvm.arg=-Xms256m
add.jvm.arg=-Xmx512m

(6) add.jvm.argで指定できるJavaVMのオプション

add.jvm.argで指定できるJavaVMのオプションおよびJavaアプリケーションでのデフォルト値について説明します。

(a) Javaアプリケーションのadd.jvm.argで指定できるJavaVMオプション

Javaアプリケーション用オプション定義ファイルに指定するadd.jvm.argに指定できるJavaVMのオプションについて説明します。JavaVMのオプションには標準で指定できるオプションと,日立固有のJavaVM拡張オプションがあります。また,JavaVMのオプションは使用するサーバによってデフォルト値が異なります。日立固有のJavaVM拡張オプションの詳細については,「19.1 日立固有のJavaVM拡張オプションの一覧」を参照してください。Java HotSpot VMのオプションの詳細については「19.5 Cosminexusで指定できるJava HotSpot VMのオプション」を参照してください。

J2EEサーバのadd.jvm.argで指定できるJavaVMのオプションを次に示します。

(b) Javaアプリケーション用オプション定義ファイルに指定するJavaVMオプションのデフォルト値

J2EEサーバでのJavaVMオプションのデフォルト値を示します。

(7) 注意事項