1.6.6 GADペアを再同期する
中断しているGADペアを再同期します。GADペアを再同期するには、次の2種類の方法があります。
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プライマリボリュームを指定してGADペアを再同期する
プライマリボリュームのデータをセカンダリボリュームにコピーして、ペアを再同期します。
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セカンダリボリュームを指定してGADペアを再同期する(スワップリシンクスワップリシンク)
プライマリボリュームとセカンダリボリュームを入れ替えます。新しいプライマリボリュームのデータをセカンダリボリュームへコピーして、ペアを再同期します。
- メモ
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プライマリボリュームのペア状態がPSUE、かつセカンダリボリュームのペア状態がPAIRのときにGADペアを再同期すると、ペアの再同期が失敗します。プライマリボリュームのペア状態がPSUE、セカンダリボリュームのペア状態がPAIRのときは、次の手順でGADペアを再同期します。
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セカンダリボリュームを指定して、GADペアを中断します(スワップサスペンド)。
セカンダリボリュームのペア状態がPSUEに変わります。
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プライマリボリュームを指定して、GADペアを再同期します。
プライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態がPAIRに変わります。
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コンシステンシーグループに登録されているペアを再同期する場合、そのペアが登録されているコンシステンシーグループ内のすべてのGADペアを再同期することもできます。また、コンシステンシーグループに登録されていないペアを再同期するときに、コンシステンシーグループに登録できます。
コンシステンシーグループ単位でGADペアを再同期すると、再同期操作が完了したあとに、GADペアの状態が二重化中状態または二重化状態に変わります。再同期操作を実施したあとに、コンシステンシーグループ内のすべてのGADペアが二重化中状態または二重化状態に変わったことを確認してください。コンシステンシーグループに登録されているGADペアの数が多い場合は、コンシステンシーグループ内のすべてのGADペアが二重化中状態または二重化状態に変わるまでに、数分掛かることもあります。数分待っても、GADペア状態が二重化中状態または二重化状態に変わらないときは、何らかの障害によってGADペアの状態遷移が失敗しているおそれがあります。
- メモ
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コンシステンシーグループ単位でGADペアの再同期処理が進行している場合、Storage Navigatorでは、コンシステンシーグループの状態に[Resynchronizing]と表示されます。
前提条件
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GADペアが中断していること。
コマンド例
pairresync -g oraHA -IH0
既存ペアのリモートパス障害時IO優先モードを変更する
既存ペアのリモートパス障害時IO優先モードの設定を変更する手順を次に示します。 既存ペアのリモートパス障害時IO優先モードの設定を変更する場合、リモートパス障害時IO優先モードのオプションを指定して、ペアを再同期します。
- メモ
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Storage Navigatorから、リモートパス障害時IO優先モードを設定できません。
前提条件
既存ペアのリモートパス障害時IO優先モードを変更する場合は、通常のペア再同期の前提条件に加え、次の前提条件も満たすようにしてください。
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「(1) リモートパス障害時IO優先モードの要件と仕様」に記載されているマイクロバージョンまたはファームウェアバージョンのストレージシステム間で再同期するGADペアであること。
- メモ
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コンシステンシーグループに所属しているGADペアのリモートパス障害時IO優先モードを変更する場合は、コンシステンシーグループに所属するすべてのペアが同じモードとなるように、コンシステンシーグループ全体に対して、リモートパス障害時IO優先モードの変更をしてください。コンシステンシーグループ単位の設定方法は、RAID Managerコマンドリファレンスを参照してください。
コマンド例
リモートパス障害時IO優先モードを「無効」から「プライマリボリューム」に切り替えてペアを再同期する場合のコマンド例:
pairresync -g oraHA -pr pvol -IH0
リモートパス障害時IO優先モードを「プライマリボリューム」から「無効」に切り替えてペアを再同期する場合のコマンド例:
pairresync -g oraHA -pr disable -IH0
確認コマンド例
PR列を参照して、リモートパス障害時IO優先モードが設定されていることを確認します。
pairdisplay -g oraHA -fcxe Group PairVol(L/R) (Port#,TID, LU),Seq#,LDEV#.P/S,Status,Fence, %,P-LDEV# M CTG JID AP EM E-Seq# E-LDEV# R/W QM DM P PR oraHA dev1(L) (CL1-A-0, 0, 0)411111 60.P-VOL PAIR NEVER , 100 60 - - 0 1 - - - L/M AA S N P oraHA dev1(R) (CL1-C-0, 0, 0)422222 60.S-VOL PAIR NEVER , 100 60 - - 0 1 - - - L/M AA S N P
- PR列:リモートパス障害時IO優先モードが表示されます。
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P:プライマリボリューム
D:無効
- メモ
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リモートパス障害時IO優先モードの設定状態は、次のStorage Navigator画面からも確認できます。詳細は、次のセクションの[リモートパス障害時IO優先モード]の項目説明を参照してください。