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 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.8.4 正サイトのプライマリボリュームの障害(LDEV閉塞)から回復する手順例(URと併用しているとき)

正サイトのプライマリボリュームに障害(LDEV閉塞)が発生すると、GADペアのペア状態がPSUE/SSWSに変わります。このとき、自動でデルタリシンクが実行されます。障害発生前後のペアの種類およびペアの状態の変化について、次の表に示します。

障害発生前

障害発生後

ペアの種類

ペア状態

ペアの種類

ペア状態

P-VOL

S-VOL

P-VOL

S-VOL

GADペア

PAIR

PAIR

GADペア

PSUE

SSWS

URペア

PAIR

PAIR

デルタリシンク用URペア

PSUE

SSUS

デルタリシンク用URペア

PSUS

SSUS

URペア

COPYからPAIRへ変化

COPYからPAIRへ変化

(凡例)

P-VOL:プライマリボリューム

S-VOL:セカンダリボリューム

障害が発生すると、デルタリシンク用URペアがURペアに変わり、GADのセカンダリボリュームからURのセカンダリボリュームへコピーが始まります。URペアのコピーが完了すると、URペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態が、PAIRに変わります。

障害回復の概要

[図データ]

障害回復の流れ

  1. プライマリボリュームの障害(LDEV閉塞)を取り除きます。

  2. プライマリボリュームのフォーマットによる回復が必要な場合は、GADペアを削除したあとにプライマリボリュームをフォーマットします。

    GADペアを削除するときは、I/OモードがLocalのセカンダリボリューム側から削除してください。

  3. 手順2を実施した場合は、GADペア、デルタリシンク用URペア、URペアの順番でペアを再作成します。GADペアは、セカンダリボリューム側から作成してください。また、コマンドを実行したあとは、必要に応じてGADペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームの入れ替えを実施してください。

    コマンド例:

    paircreate -g oraHA -fg never 2 -vl -jq 0 -IH1
    paircreate -g oraDELTA -f async -vl -jp 0 -js 0 -nocsus -IH1
    paircreate -g oraREMOTE -f async -vl -jp 0 -js 0 -IH0

    手順2を実施しない場合は、GADの副サイトのストレージシステムで、プライマリボリュームとセカンダリボリュームを入れ替えて、GADペアを再同期します(スワップリシンク)。

    コマンド例:

    pairresync -g oraHA -swaps -IH1

    正サイトのストレージシステムのボリュームがセカンダリボリューム、GADの副サイトのストレージシステムのボリュームがプライマリボリュームに変わります。

  4. GADペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームのペア状態が、両方ともPAIRに変わったことを確認します。

    コマンド例:

    pairdisplay -g oraHA -fxce -IH0
    Group   PairVol(L/R) (Port#,TID, LU),Seq#,LDEV#.P/S,Status,
    Fence,   %,P-LDEV# M CTG JID AP EM       E-Seq# E-LDEV# R/W
    oraHA   dev1(L)     (CL1-A-0, 0,   0)411111  2222.P-VOL PAIR 
    NEVER ,  100  4444 -   -   0  -  -            -       - L/M
    oraHA   dev1(R)     (CL1-C-0, 0,   0)422222  4444.S-VOL PAIR 
    NEVER ,  100  2222 -   -   0  -  -            -       - L/M
    pairdisplay -g oraHA -fxce -IH1
    Group   PairVol(L/R) (Port#,TID, LU),Seq#,LDEV#.P/S,Status,
    Fence,   %,P-LDEV# M CTG JID AP EM       E-Seq# E-LDEV# R/W
    oraHA   dev1(L)     (CL1-C-0, 0,   0)422222  4444.S-VOL PAIR 
    NEVER ,  100  2222 -   -   0  -  -            -       - L/M
    oraHA   dev1(R)     (CL1-A-0, 0,   0)411111  2222.P-VOL PAIR 
    NEVER ,  100  4444 -   -   0  -  -            -       - L/M
  5. サーバからGADペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームへ、2分程度I/Oを発行し続けます。

  6. デルタリシンク用URペアのプライマリボリュームの状態がPSUSであることを確認します。

    コマンド例:

    pairdisplay -g oraREMOTE -fxce -IH0
    Group     PairVol(L/R)  (Port#,TID, LU),Seq#,  LDEV#.P/S,  
    Status,Fence, %,  P-LDEV#  M  CTG  JID  AP  EM  E-Seq#  E-LDEV#  R/W
    oraDELTA  dev2(L)       (CL1-A-1, 0, 1) 411111 2222. P-VOL 
    PSUS   ASYNC ,0   6666     -  0    0    -   -   -       -       -/-
    oraDELTA  dev2(R)       (CL1-A-1, 0, 1) 444444 6666. S-VOL 
    SSUS   ASYNC ,0   2222     -  0    0    -   -   -       -       -/-
    メモ

    Storage Navigatorでペア状態を確認する場合は、[ファイル]メニューから[すべて更新]を選択し、Storage Navigatorに表示される情報を更新してから、ペア状態を確認してください。デルタリシンク用URペアの状態がHOLDINGからHOLDに変わります。

  7. デルタリシンク用URペアのジャーナルのミラー状態がPJNSであることを確認します。

    コマンド例:

    pairdisplay -g oraREMOTE -v jnl -IH0
    JID  MU  CTG  JNLS  AP  U(%)  Q-Marker  Q-CNT  D-SZ(BLK)  Seq#   Num  LDEV#
    000  1   1    PJNS  4   21    43216fde  30     512345     62500  1    39321 
  8. 障害を通知するSIMが発生していないことを確認します。

  9. 必要に応じて、GADペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームを入れ替えます。