Hitachi

 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.3.3 GADのシステムオプションモード

GADでは、次のシステムオプションモードを用意しています。インストール時のストレージシステムではOFFに設定されており、弊社担当者だけが変更できます。設定の変更については、お問い合わせください。

なお、GADのシステムオプションモードは、TrueCopyのシステムオプションモードと共通です。

モード

説明

689

副サイトのストレージシステムでセカンダリボリュームのMPユニットのWriteペンディング率が60%以上のとき、形成コピー動作を抑止するかどうかを選択できます。

  • ON:副サイトのストレージシステムでセカンダリボリュームのMPユニットのWriteペンディング率が60%以上のとき、形成コピー動作を抑止し、形成コピー動作による副サイトのストレージシステムのWriteペンディング率の増加を抑止します。

  • OFF:副サイトのストレージシステムでセカンダリボリュームのMPユニットのWriteペンディング率が60%以上となっても、形成コピー動作を抑止しません。

784

RIOのMIH時間を5秒に短縮します。正サイトと副サイトのストレージシステムの間のリモートパスに障害を検出したときは、10秒経過すると、交替パスでRIOをリトライします。

  • ON:RIOのMIH時間を5秒に短縮します。

    RIOのタイムアウト時間とABTS(Abort Sequence)のタイムアウト時間がそれぞれ5秒に短縮され、合わせて10秒経過すると、交替パスでRIOをリトライします。

  • OFF:RIOのMIH時間は副サイトのストレージシステムを登録したときに設定した時間です。デフォルトは15秒です。

    RIOのタイムアウト時間とABTSのタイムアウト時間が経過すると、交替パスでRIOをリトライします。

システムオプションモード784は、1つのリモート接続内にあるすべてのリモートパスのポートタイプがFibreの場合だけサポートしています。1つのリモート接続内にあるリモートパスのポートタイプがすべてiSCSI、またはiSCSIとFibreが混在している場合はサポートしていません。

1070

コンシステンシーグループ単位でGADペアを中断または再同期するときに、コンシステンシーグループに登録されているすべてのペアの状態を変更するまでの時間を短縮します。

コンシステンシーグループ単位でペアを中断または再同期するときは、ペアの操作に対してコマンドが応答したあとに、コンシステンシーグループに登録されているペアの状態が、一定周期で順に変わります。

  • ON:システムオプションモード1070をOFFにするときよりも、各周期で多くのペアを処理します。コンシステンシーグループに登録されているすべてのペアの状態の変更が完了するまでの時間を、短くします。

  • OFF:システムオプションモード1070をONにするときよりも、各周期で少ないペアを処理します。コンシステンシーグループに登録されているペアの状態を変更する処理によって、システムオプションモード1070をONにするときよりも、MP稼働率が増加しないようにします。

ホストI/O性能を優先するシステム環境では、システムオプションモード1070をONにしないでください。ONにすると、ホストI/O性能に影響を与えるおそれがあります。

システムオプションモード1070をONにすると、MP稼働率が増加します。MP稼働率の目安を次に示します。

  • M-DKC

    • 1,024ペア/コンシステンシーグループ:MP稼働率20%

    • 2,048ペア/コンシステンシーグループ:MP稼働率30%

    • 4,096ペア/コンシステンシーグループ:MP稼働率40%

    • 8,192ペア/コンシステンシーグループ:MP稼働率60%

  • R-DKC

    • 1,024ペア/コンシステンシーグループ:MP稼働率40%

    • 2,048ペア/コンシステンシーグループ:MP稼働率60%

    • 4,096ペア/コンシステンシーグループ:MP稼働率90%

    • 8,192ペア/コンシステンシーグループ:MP稼働率100%

コンシステンシーグループ単位でGADペアを中断または再同期する前のMP稼働率の状況や、実装されているMP数などの装置の構成によって、MP稼働率が異なることがあります。

1080

Quorumディスクに対するヘルスチェック処理が遅延して15秒以内に完了しない場合、Quorumディスクが閉塞します。ヘルスチェック処理が遅延した場合、交替パスでリトライするまでのタイムアウト時間を変更できます。

  • ON:ヘルスチェックコマンドのタイムアウト時間が3秒に、ABTSのタイムアウト時間が15秒に設定されます。

    ABTSが12秒以内に完了した場合、交替パスでヘルスチェックをリトライすることで、Quorumディスクの閉塞を回避します。ABTSが12秒以内に完了しない場合、Quorumディスクが閉塞します。また、ABTSが15秒以内に完了した場合、同じパスで実行中の他のコマンドはリセットされません。ABTSが15秒以内に完了しない場合、同じパスで実行中の他のコマンドもリセットされます。

  • OFF:ヘルスチェックコマンドのタイムアウト時間が3秒に、ABTSのタイムアウト時間が3秒に設定されます。

    ABTSが3秒以内に完了しなくても、交替パスでヘルスチェックをリトライすることで、Quorumディスクの閉塞を回避します。ABTSが3秒以内に完了した場合は、同じパスで実行中の他のコマンドはリセットされません。ABTSが3秒以内に完了しない場合、同じパスで実行中の他のコマンドもリセットされます。