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 リモートレプリケーション クイックリファレンス 


2.1.10 ハードウェアおよびソフトウェアのコンポーネント

Universal Replicatorシステムは、次のコンポーネントから構成されます。

ファイバチャネルスイッチを含む専用のファイバチャネルデータパスまたはiSCSIデータパスを使用して、正サイトと副サイトのVSP G150, G350, G370, G700, G900、VSP F350, F370, F700, F900およびVSP E990を接続してください。ファイバチャネルデータパスとは、正サイトのストレージシステムのファイバチャネルポートから副サイトのストレージシステムのファイバチャネルポートまでの経路です。iSCSIデータパスとは、正サイトのストレージシステムのiSCSIポートから副サイトのストレージシステムのiSCSIポートまでの経路です。ファイバチャネルポートまたはiSCSIデータパスを使用して、ホストとVSP G150, G350, G370, G700, G900、VSP F350, F370, F700, F900およびVSP E990を接続します。

管理用ソフトウェアは、管理用のLANを通じてストレージシステムに接続します。管理用ソフトウェアとは次のソフトウェアです。

Universal Replicatorのコンポーネントについて次の図に基本構成を示します。

[図データ]
ヒント

ローカルストレージシステムとは、管理クライアントまたはRAID Managerを接続しているストレージシステムを指します。また、リモートストレージシステムとは、ローカルストレージシステムと接続している別のストレージシステムを指します。このマニュアルでは、特に記載がないかぎり、正サイトにローカルストレージシステムがあり、副サイトにリモートストレージシステムがあることを前提に説明しています。

〈この項の構成〉

(1) ストレージシステム

Universal Replicatorシステムは、正サイトと副サイトにある、2台のストレージシステムによって構成されます。正サイトのストレージシステムをMCUMCU(メインコントロールユニット)、副サイトのストレージシステムをRCURCU(リモートコントロールユニット)と表記することがあります。

正サイトのストレージシステム(MCU)は、プライマリボリュームと、次の操作を制御します。

副サイトのストレージシステム(RCU)は、セカンダリボリュームと、次の操作を制御します。

(2) Universal Replicatorのデータパス

正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステムの間のデータ送受信用の接続は、データパスと呼ばれます。Universal Replicatorのコマンドとデータは、ファイバチャネルデータパスまたはiSCSIデータパスと、スイッチを通って送信されます。データパスは、正サイトのストレージシステムのファイバチャネルポートまたはiSCSIデータパスを介して正サイトのストレージシステムに接続され、副サイトのストレージシステムのファイバチャネルポートまたはiSCSIデータパスを介して副サイトのストレージシステムに接続されます。

データパスはハードウェアレベルで冗長化しておくことをお勧めします。

(3) Storage Navigator

Storage Navigatorは、正サイトおよび副サイトのストレージシステムと、TCP/IP接続によって通信します。Storage Navigatorは、正サイトのストレージシステムに接続して使用します。通常は、副サイトのストレージシステムに接続されていなくても運用に支障はありません。保守や災害復旧の際、Universal Replicatorのパラメータを変更したり、セカンダリボリュームを操作したりするときに、Storage Navigatorを副サイトのストレージシステムに接続します。

Universal Replicatorを操作するユーザには、Storage Navigatorの次のロールが必要です。ロールがないユーザは、Universal Replicatorの情報の参照だけができます。

仮想ストレージマシン内のボリュームを使用する場合、Storage NavigatorにはVSP G150, G350, G370, G700, G900、VSP F350, F370, F700, F900およびVSP E990のLDEV IDやシリアル番号も、仮想情報も表示されます。しかし、仮想ストレージマシンのシリアル番号を指定してリモート接続を追加したり、仮想LDEV IDを指定してペアを作成したりはできません。Storage NavigatorUniversal Replicatorを操作するときには、VSP G150, G350, G370, G700, G900、VSP F350, F370, F700, F900およびVSP E990のLDEV IDやシリアル番号を指定します。

注意

Storage Navigatorを使用してUniversal Replicatorペアを作成する場合、その後の運用はStorage Navigatorを使用してください。

(4) RAID Manager

RAID Managerは、スクリプトで使用できるコマンドラインインタフェースを提供します。Storage NavigatorのGUIとほぼ同等の操作を実行できます。

仮想ストレージマシン内のボリュームを使用する場合、RAID Managerでは、構成定義ファイルにVSP G150, G350, G370, G700, G900、VSP F350, F370, F700, F900およびVSP E990のLDEV IDやシリアル番号も仮想情報も指定できます。ただし、正サイトのストレージシステムがHUS VMの場合は、構成定義ファイルにVSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900の情報を指定します。

注意

RAID Managerを使用してUniversal Replicatorペアを作成する場合、その後の運用はRAID Managerを使用してください。

ヒント
  • RAID Managerが定期的に発行するタイムスタンプと、ホストから正サイトのストレージシステムに書き込み要求が発行されたときに取得したシーケンス番号を用いて、Universal Replicatorはジャーナルデータの一貫性を保ちます。セカンダリボリュームにジャーナルデータがリストアされるまで、タイムスタンプとシーケンス番号はジャーナルデータに付いたままです。

  • RAID Managerがタイムスタンプを発行する間隔は、1秒程度にすることをお勧めします。タイムスタンプを発行する間隔を短くすると、ストレージシステムのI/Oレスポンスに与える影響が大きくなります。タイムスタンプを発行する間隔を長くすると、副サイトでリストアを実行する間隔も長くなり、ジャーナルボリュームにジャーナルデータがたまりやすくなります。なお、形成コピーおよび更新コピーの動作中はタイムスタンプに関わらずデータをリストアするため、タイムスタンプを発行する間隔を長くしてもジャーナルデータがたまりやすくなることはありません。