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 リモートレプリケーション クイックリファレンス 


2.1.9 Universal Replicatorのミラーとは

マスタジャーナルとリストアジャーナルの関係はミラーと呼ばれます。

ミラー内に形成コピーが進行中で同期していないペア(ペアの状態がCOPY)、または形成コピーが完了して同期したペア(ペアの状態がPAIR)だけがあるとき、ミラーはActive状態となります。通常、ペアはPAIR状態で運用するため、ミラーの状態も通常はActiveになります。

ミラーを対象にした操作を実行すると、ミラーの状態が変化します。操作が完了したことを確認するために、ミラーの状態を確認してください。ミラーの主な状態について、簡単に説明します。

ミラーの状態は、Storage NavigatorまたはRAID Managerで確認できます。

ヒント

Universal Replicatorペアはミラー単位に操作することを基本としているため、分割や再同期はミラー単位で実施してください。ペア単位で分割や再同期を実行しようとすると、操作要求が拒否されることがあります。

[図データ]
〈この項の構成〉

(1) ミラーの分割

ミラーを分割すると、そのミラーに含まれるすべてのペアが分割されて、マスタジャーナルからリストアジャーナルへのデータコピーが停止します。ミラーを分割するには、ミラーの状態がActiveである必要があります。ミラーの分割が完了すると、ミラーの状態はStoppedになります。

ペアが分割されている間、更新データはセカンダリボリュームに反映されません。ペアを再同期したときに、更新データがセカンダリボリュームに反映されます。ミラーに属するすべてのペアを再同期する場合は、ミラーを再同期します。

ミラーを分割するときも、[セカンダリボリューム書き込み]RAID Managerの場合はpairsplit -rwで、セカンダリボリューム書き込みを有効にするかどうかを選択できます。セカンダリボリューム書き込みを有効にすると、ペアが分割されている間、ホストはセカンダリボリュームにデータを書き込むことができます。

[図データ]

プライマリボリュームの内容とセカンダリボリュームの内容を一致させてから、ミラーを分割することもできます。この場合は、ミラーの分割時に[分割モード]で[フラッシュ]RAID Managerの場合はpairsplitを選択します。[フラッシュ]を選択することで、ペアを分割するときに、更新データがセカンダリボリュームに反映されます。副サイトのストレージシステムがペアの分割を受け付けた時点で、対象となるペアが保留していたすべてのジャーナルデータの内容が、セカンダリボリュームに書き込まれます。その後、対象ペアにジャーナルデータ(更新データ)がない状態が一定時間続くと、対象ペアの状態はPSUSに変わります。ジャーナルのすべてのペアの状態がPSUSに変わったら、ボリュームの複製は完了です。ミラーの状態はStoppedになります。

ヒント

ミラーに属するデータボリュームの完全な複製を作成したいときには、ミラーを分割する前に、ホストからのI/Oを停止させておく必要があります。データの複製を作成したいときに即座に複製を作成すること(またはこのような方法で作成された複製)をPoint-in-Timeコピーといいます。

(2) ミラーの再同期

ミラーを再同期すると、ミラーに属するすべてのペアのプライマリボリュームからセカンダリボリュームへのデータコピーが再開します。ミラーを再同期するには、ミラーの状態がStoppedである必要があります。

メモ

ミラーはI/O負荷が低いときに再同期してください。同じコンシステンシーグループ内に状態が異なる複数のペアが混在している場合、I/O負荷が高い状態でミラーを再同期すると、ペアの再同期が失敗して分割されることがあります(ペアの状態はPSUEになります)。

(3) ミラーの削除

ミラーを削除すると、ミラーに属するすべてのペアが削除され、マスタジャーナルからリストアジャーナルへのデータコピーが終了します。ミラーを削除するとき、削除モードを選択できます。

削除モードに[強制]を選択した状態で削除の操作を実行していて、かつ5分間以上たっているのにミラーの状態がInitialになっていない場合は、再度強制削除の操作を実行するとそのミラーに属するすべてのペアを削除できます。なお、強制削除を実行してから5分間は同じジャーナル内にペアを作成しないでください。ペア作成に失敗するおそれがあります。