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 パフォーマンス最適化 クイックリファレンス 


1.13.3 QoSによる上限値制御

QoSの上限値制御は、I/O要求をしたサービスに対して、ストレージシステムがI/O処理する際のスループットの上限を定める機能です。

上限値はボリューム単位に設定します。上限値を設定したボリュームに対してI/O要求があると、ストレージシステムは、そのボリュームの直近の1秒平均のスループットを確認します 。スループットが上限値に到達すると、サービスからのI/O要求は受け付けますが、処理を中断します。スループットが上限値より下がるとI/O処理が再開されます。

上限値制御には、I/O レートによる制御、転送レートによる制御、I/Oレートと転送レートの両方による制御があります。I/Oレートと転送レートの両方による上限値制御では、どちらかの上限値に到達した場合にI/Oが抑止されます。

QoS上限値制御の設定範囲を次に示します。

項目

I/Oレート(IOPS)

転送レート(MB/s)

上限値設定範囲

100~2,147,483,647

1~2,097,151

注意

実際のI/O頻度に対して上限値を低く設定すると、I/O性能が低下します。「1.13.6 QoSモニタ」を参照して実際のI/O頻度を認識し、適切な上限値に変更してください。

メモ

QoSによって上限値制御されるのは、ホストとストレージシステム間のI/Oです。対象ボリュームをリモートコピーのペアボリュームとして使用する場合に、ストレージシステム間のI/Oの上限値制御は行われません。

Server Priority ManagerSPM)による上限値制御との比較を次に示します。

項目

SPM

QoS

設定単位

ポート

WWN

ボリュームWWN

ボリューム

上限値制御方法

以下のいずれかの設定が可能。

  • I/O レートによる制御

  • 転送レートによる制御

以下のいずれかの設定が可能。

  • I/O レートによる制御

  • 転送レートによる制御

  • I/Oレートと転送レートの両方による制御