1.7.32 新しい外部ストレージシステムと交換して障害から回復する
故障した外部ストレージシステムと、新しい外部ストレージを交換することで、GADペアを削除しないで、Quorumディスクの障害から回復できます。
(1) 新しい外部ストレージシステムと交換する
故障した外部ストレージシステムと、新しい外部ストレージを交換する手順を次に示します。
障害回復の概要
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障害回復の流れ
- 注意
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GADペアが同じQuorumディスクIDに指定されていない場合、いったんQuorumディスクを削除したあとに、Quorumディスクを再度作成してください。GADペアが同じQuorumディスクIDに指定されていないまま、新しいQuorumディスクに交換すると、正しくQuorumディスクを交換できないことがあります。Quorumディスクを再度作成したあとは、必要に応じてGADペアを作成してください。
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Quorumディスクを用意します。
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外部ストレージシステムのディスクをフォーマットします。
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外部ストレージシステムのディスクを、正サイトと副サイトのストレージシステムにマッピングします。
作業の流れは、Quorumディスクを作成する流れと同じです。ただし、外部ボリュームをQuorumディスクに設定する作業は不要です。詳細は、関連概念を参照してください。
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Quorumディスクの状態を確認します。
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正サイトのストレージシステムで、Quorumディスクの状態がBlockedになっていることを確認します。
コマンド例:raidcom get quorum -quorum_id 1 -IH0 QRDID : 1 LDEV : 2045 QRP_Serial# : 411111 QRP_ID : M8 Timeout(s) : 30 STS : BLOCKED
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副サイトのストレージシステムで、Quorumディスクの状態がBlockedになっていることを確認します。
コマンド例:raidcom get quorum -quorum_id 1 -IH1 QRDID : 1 LDEV : 2045 QRP_Serial# : 422222 QRP_ID : M8 Timeout(s) : 30 STS : BLOCKED
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Quorumディスク閉塞時のペア動作モードを確認し、必要に応じてGADペアを分割します。
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Quorum ディスク閉塞時のペア動作モードを確認します。
コマンド例:# pairdisplay -g oraHA -fcxe -d dev0 Group PairVol(L/R) (Port#,TID, LU),Seq#,LDEV#.P/S,Status,Fence,%, P-LDEV# M CTG JID AP EM E-Seq# E-LDEV# R/W QM oraHA dev0(L) (CL1-C-0, 0, 0) 411111 400.P-VOL PAIR NEVER,100 500 - - 0 1 - - - L/M AA oraHA dev0(R) (CL7-C-0,28, 0) 422222 500.S-VOL PAIR NEVER,100 400 - - 0 1 - - - L/M AA
QMがAAの場合は、手順4に進みます。QMがAA以外の場合は、手順b.に進みます。
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GADペアが分割されていない場合は、GADペアを分割します。
コマンド例:pairsplit -g oraHA -IH0
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Quorumディスク用の外部ボリュームを、新しいQuorumディスク用の外部ボリュームと交換します。
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正サイトのストレージシステムで、現在のQuorumディスク用の外部ボリュームを、新しいQuorumディスク用の外部ボリュームと交換します。
コマンド例:raidcom replace quorum -quorum_id 1 -ldev_id 1234 -IH0
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正サイトのストレージシステムで、Quorumディスクの状態がReplacingになっていることを確認します。
コマンド例:raidcom get quorum -quorum_id 1 -IH0 QRDID : 1 LDEV : 1234 QRP_Serial# : 411111 QRP_ID : M8 Timeout(s) : 30 STS : REPLACING
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副サイトのストレージシステムで、現在のQuorumディスク用の外部ボリュームを、新しいQuorumディスク用の外部ボリュームと交換します。
コマンド例:raidcom replace quorum -quorum_id 1 -ldev_id 1234 -IH1
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副サイトのストレージシステムで、Quorumディスクの状態がReplacingになっていることを確認します。
コマンド例:raidcom get quorum -quorum_id 1 -IH1 QRDID : 1 LDEV : 1234 QRP_Serial# : 422222 QRP_ID : M8 Timeout(s) : 30 STS : REPLACING
- メモ
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raidcom replace quorumコマンドが正常に実行された場合、数秒でQuorumディスクの状態がReplacingに変わります。数分経過しても、Quorumディスクの状態がBlockedから変わらない場合は、お問い合わせ先に連絡してください。
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手順3.でGADペアを分割した場合、GADペアを再同期します。
コマンド例:pairresync -g oraHA -IH0
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Quorumディスクの状態がNormalになっていることを確認します。
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正サイトのストレージシステムで、Quorumディスクの状態がNormalになっていることを確認します。
コマンド例:raidcom get quorum -quorum_id 1 -IH0 QRDID : 1 LDEV : 1234 QRP_Serial# : 411111 QRP_ID : M8 Timeout(s) : 30 STS : NORMAL
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副サイトのストレージシステムで、Quorumディスクの状態がNormalになっていることを確認します。
コマンド例:raidcom get quorum -quorum_id 1 -IH1 QRDID : 1 LDEV : 1234 QRP_Serial# : 422222 QRP_ID : M8 Timeout(s) : 30 STS : NORMAL
raidcom replace quorumコマンドが正常に実行された場合、1分以内にQuorumディスクの状態がNormalに変わります。5分経過しても、Quorumディスクの状態がReplacingから変わらない場合は、ストレージシステム間のリモートパスの状態が正常であることを確認してください。また、手順5.でGADペアを再同期した場合、正常に同期していることを確認してください。
- メモ
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ストレージシステムの障害などによって、Quorumディスクの状態がReplacingからNormalに変わった場合、障害が発生していないストレージシステムのQuorumディスクの状態が、5分経過してもReplacingから変わらないことがあります。この場合、障害回復後にGADペアを再同期すると、Normalに変わります。
Quorumディスク交換後、QuorumディスクIDにGADペアが割り当たっていない場合も、Quorumディスクの状態がReplacingから変わりません。この場合、Quorumディスクを削除してQuorumディスクを作成したあとに、GADペアを作成することを推奨します。Quorumディスクを削除しないでGADペアを作成する場合は、GADペアを作成後、もう一度手順6.を実施してください。
これらを実行しているにも関わらず、Quorumディスクの状態がReplacingから変わらない場合は、お問い合わせ先に連絡してください。
- メモ
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Quorumディスクの状態がFailedの場合は、交換先のQuorumディスクが、正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステムでそれぞれ異なっているおそれがあります。正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステムで、同じQuorumディスクに接続するように外部ボリュームを指定して、Quorumディスクの状態のFailedを解決してください。詳細は、関連概念を参照してください。同じQuorumディスクに接続するように外部ボリュームを指定したあとは、手順5以降の手順を実施してください。
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(2) Quorumディスクの状態のFailedを解決する手順例
交換先のQuorumディスクが、正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステムでそれぞれ異なると、Quorumディスクの状態がFailedになります。この場合、Quorumディスクとの接続を切断したあと、新しいQuorumディスク用の外部ボリュームと交換してください。
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Quorumディスクの状態を確認します。
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正サイトのストレージシステムで、Quorumディスクとの接続を切断します。
コマンド例:raidcom disconnect external_grp -ldev_id 0x2045 -IH0
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副サイトのストレージシステムで、Quorumディスクとの接続を切断します。
コマンド例:raidcom disconnect external_grp -ldev_id 0x2045 -IH1
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Quorumディスクとの接続が切断されていることを確認します。
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正サイトのストレージシステムで、Quorumディスクとの接続が切断されていることを確認します。
コマンド例:raidcom get path -path_grp 1 -IH0 PHG GROUP STS CM IF MP# PORT WWN PR LUN PHS Serial# PRODUCT_ID LB PM 1 1-1 DSC E D 0 CL5-A 50060e8007823520 1 0 NML 433333 VSP Gx00 N M
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副サイトのストレージシステムで、Quorumディスクとの接続が切断されていることを確認します。
コマンド例:raidcom get path -path_grp 1 -IH1 PHG GROUP STS CM IF MP# PORT WWN PR LUN PHS Serial# PRODUCT_ID LB PM 1 1-2 DSC E D 0 CL5-C 50060e8007823521 1 0 NML 433333 VSP Gx00 N M
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Quorumディスク用の外部ボリュームを、新しいQuorumディスク用の外部ボリュームと交換します。
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正サイトのストレージシステムで、現在のQuorumディスク用の外部ボリュームを、新しいQuorumディスク用の外部ボリュームと交換します。
コマンド例:raidcom replace quorum -quorum_id 1 -ldev_id 1234 -IH0
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正サイトのストレージシステムで、Quorumディスクの状態がReplacingになっていることを確認します。
コマンド例:raidcom get quorum -quorum_id 1 -IH0 QRDID : 1 LDEV : 1234 QRP_Serial# : 411111 QRP_ID : M8 Timeout(s) : 30 STS : REPLACING
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副サイトのストレージシステムで、現在のQuorumディスク用の外部ボリュームを、新しいQuorumディスク用の外部ボリュームと交換します。
コマンド例:raidcom replace quorum -quorum_id 1 -ldev_id 1234 -IH1
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副サイトのストレージシステムで、Quorumディスクの状態がReplacingになっていることを確認します。
コマンド例:raidcom get quorum -quorum_id 1 -IH1 QRDID : 1 LDEV : 1234 QRP_Serial# : 422222 QRP_ID : M8 Timeout(s) : 30 STS : REPLACING
- メモ
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raidcom replace quorumコマンドが正常に実行された場合、数秒でQuorumディスクの状態がReplacingに変わります。数分経過しても、Quorumディスクの状態がFailedから変わらない場合は、お問い合わせ先に連絡してください。
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