Hitachi

 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.3.25 GADの最大ペア数の制限

装置内のペアの最大数は、システム要件に記載されているモデルごとの値になります。しかし、ユーザの環境(ボリュームのサイズ)に応じて、ビットマップエリアの使用量が変わるため、最大ペア数がシステム要件に記載したモデルごとの値を下回る場合があります。ボリュームサイズから作成できる最大ペア数の算出する計算式について、説明します。

なお、ボリュームの容量が4,194,304MB(8,589,934,592block)より大きいDP-VOLは、ビットマップエリアを使用しません。そのため、ボリュームの容量が4,194,304MB(8,589,934,592block)より大きいDP-VOLを使用してUniversal Replicatorペアを作成する場合、VSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900の最大ペア数は算出不要です。

〈この項の構成〉

(1) シリンダ数を算出する

最初に、論理ブロック数を算出します。論理ブロック数はボリュームの容量で単位はブロックです。

論理ブロック数=ボリューム容量(バイト)÷512

シリンダ数は、次の計算式を使って求めます。

シリンダ数=(↑((↑(論理ブロック数÷512)↑)÷15)↑)

(2) ビットマップエリアを算出する

シリンダ数から、ビットマップエリアを算出します。

ビットマップエリア数=(↑((シリンダ数 × 15)÷ 122,752)↑)

122,752は、ビットマップエリア1つ当たりの差分量です。差分量の単位はビットです。

メモ

必要ビットマップエリア数は、ボリュームごとに計算してください。複数ボリュームのシリンダ数を足した値を使用して必要ビットマップエリア数を算出した場合、正しい算出結果が得られないおそれがあります。

例として10,017シリンダと32,760シリンダの2つのボリュームを使用する場合を示します。以下の正しい計算方法で計算してください。

  • 正しい計算方法

    (↑((10,017 × 15) ÷ 122,752)↑) = 2

    (↑((32,760 × 15) ÷ 122,752)↑) = 5

    合計7ビットマップエリア

  • 誤った計算方法

    10,017 + 32,760 = 42,777シリンダ

    (↑((42,777 × 15) ÷ 122,752)↑) = 6

    合計6ビットマップエリア

(3) 最大ペア数を算出する

次の値から、作成できる最大ペア数は算出します。

作成可能な最大ペア数は、ストレージシステムのビットマップエリア総数と必要ビットマップエリア数を使用して、次の計算式で求めます。

作成可能最大ペア数=(↓(ストレージシステムのビットマップエリア総数 ÷ 必要ビットマップエリア数)↓)

メモ

使用するビットマップエリア数は、TrueCopyUniversal Replicator、およびGADで共用です。そのため、これらのプログラムプロダクトを併用する場合は、ストレージシステムのビットマップエリア総数(65,536)から、それぞれのプロダクトに必要なビットマップエリア数を減算したあとで、上記計算式でGADの作成可能最大ペア数を算出してください。なお、それぞれのプログラムプロダクトの必要ビットマップエリア数の算出方は、対応するユーザガイドを参照してください。

すでに求めた必要ビットマップエリア数と、次の表に示すストレージシステムのビットマップエリア数で計算します。ストレージシステムのビットマップエリア数は、global-active device用に増設したシェアドメモリの有無とモデルによって決定されます。

global-active device用のシェアドメモリの増設状況

ストレージシステムのビットマップエリア数

VSP G150

VSP G350およびVSP F350

VSP G370およびVSP F370

VSP G700およびVSP F700

VSP G900およびVSP F900

Base(増設シェアドメモリなし)

3,712個

3,712個

36,000個

36,000個

65,536個

増設あり

-

36,000個

65,536個

65,536個

65,536個