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 ボリューム管理 クイックリファレンス


4.2.7 外部パスの冗長化(交替パスの追加)

冗長化した外部パスの集まりの中で、優先度が最も高い外部パスをプライマリパスプライマリパスと呼び、プライマリパス以外の外部パスを交替パスと呼びます。

内部ボリュームとしてマッピングした外部ボリュームの使用を開始するには、内部ボリュームから外部ボリュームへの外部パスを設定する必要があります。

外部パスの冗長化(交替パスの追加)は、外部パスの設定と同時にできます。また、外部ボリュームのマッピングが完了したあとに、交替パスを追加したり、優先順位を変更したりすることもできます。

〈この項の構成〉

(1) 交替パスの設定例

交替パスの設定例(スイッチなし)

交替パスの設定例を図に示します。この例では、ローカルストレージシステムで外部ストレージシステムへ接続するポートに設定されている「CL1-A」と「CL2-A」に、それぞれ「外部ポート A」と「外部ポート B」という外部ストレージシステムのポートを接続しています。またこの図で「CL1」のポートと「CL2」のポートを指定しているように、交替パスにはローカルストレージシステムの異なるクラスタのポートを指定する必要があります。

[図データ]

交替パスの設定例(スイッチあり)

スイッチを使う場合の交替パスの設定例を図に示します。この例では、ローカルストレージシステムで2個のポートを指定し、スイッチを経由して、外部ストレージシステムのポートに接続しています。この場合、ローカルストレージシステムで2個の異なるクラスタのポートを指定しているため、交替パスの設定は有効になります。

[図データ]

交替パスの設定として無効な例

次の例でも、内部ボリュームと外部ボリュームの間に2個のパスが設定されています。しかし、ローカルストレージシステムで指定されているポートは1個で、スイッチを経由して、外部ストレージシステムで2個のポートを指定しています。Universal Volume Managerの交替パスの設定では、ローカルストレージシステムで2個の異なるクラスタのポートを設定する必要があるため、この例の設定は推奨できません。

[図データ]

(2) 交替パスへのI/O実行パス切り替えの例(パスモードがSingleモードの場合)

次の図は、パスモードがSingleの場合の例を示しています。I/Oを実行しているパスに障害が発生すると、次に優先順位の高いパスを使用してI/Oが実行されます。

I/Oを実行しているパスより優先順位の高いパスを回復すると、I/Oを実行するパスは、回復したパスに自動的に切り替えられます。

[図データ]

(3) 交替パスへのI/O実行パス切り替えの例(パスモードがMultiモードの場合)

次の図は、パスモードがMultiの場合の例を示しています。1個のパスに障害が発生すると、障害が発生したパス以外のパスを使用してI/Oが実行されます。

障害が発生したパスを回復すると、回復したパスの使用を自動的に再開します。

[図データ]