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 ボリューム管理 クイックリファレンス


3.4.2 容量拡張設定が有効なパリティグループ、LDEV、およびプールを作成する

背景

プール使用量の削減効果があると確認できた場合、容量拡張設定が有効なパリティグループ、LDEV、およびプールを作成します。次のワークフローに従って操作してください。なお、プール使用量の削減効果がない場合、この節の操作は実行しないでください。

注意

容量拡張設定が有効なパリティグループにLDEVを作成した場合、作成したすべてのLDEVをプールに追加してください。プールに追加されないLDEVがある場合、ドライブ障害時のデータ復旧に失敗するおそれがあります。必ずすべてのLDEVをプールに登録してください。プールに追加されないLDEVがある場合、ドライブの障害時にリプレースした圧縮機能をサポートしているドライブにデータを復旧するときに、これらのLDEVも復旧対象になります。この場合、復旧対象のデータサイズが復旧前よりも増えてしまうため、次の懸念があります。

  • プールの削減率を大幅に悪化させるおそれがあります。

  • データをコピーする圧縮機能をサポートしているドライブ容量を枯渇させて、データ復旧が失敗するおそれがあります。

  • 圧縮機能をサポートしているドライブ容量の枯渇に伴い、キャッシュのライトペンディング率が高止まりして、ストレージシステムへのアクセスロストを引き起こすおそれがあります。

また、次のLDEVをフォーマットしないまま運用を続けた場合、圧縮機能をサポートしているドライブ容量は消費されたままとなり、ドライブ容量の枯渇、キャッシュのライトペンディング率の高止まり、さらにはストレージシステムへのアクセスロストを引き起こすおそれがあります。

これらのプールに未登録のLDEVは、必ず事前にフォーマット(クイックフォーマットは実行できません)してから、削除してください。

  • 容量拡張設定を有効にする前に、通常ボリュームとして使用していたLDEV

  • プール容量の縮小によって、プールから削除したLDEV

容量拡張設定が有効なパリティグループに作成したLDEVを、プールのプールボリュームとして使用すると、プールの使用量に応じてシステムが自動でLDEVを作成し、プールボリュームとしてプールに追加します。 詳細は「1.2.4 Dynamic ProvisioningDynamic Tieringactive flash、およびThin Imageのプールの要件」の「プールボリュームの自動追加機能を使用するプールの要件」を参照してください。

[図データ]

図中の番号の手順について、次に説明します。

操作手順

  1. 既存の容量拡張が可能なパリティグループがあるかどうかを判定します。

    既存の容量拡張が可能なパリティグループがある場合、手順2に進んでください。容量拡張が可能なパリティグループがない場合、手順3に進んでください。

  2. 既存のパリティグループの容量拡張設定を有効にします。

    [パリティグループ編集]画面で、容量拡張設定を有効にします。

  3. 購入した新規の圧縮機能をサポートしているドライブの容量を使用して、容量拡張設定が有効なパリティグループを作成します。

    パリティグループを作成する場合、[パリティグループ作成]画面を操作します。

  4. プールボリュームとして使用するLDEVを作成します。

    [LDEV作成]画面を操作して、LDEVを作成します。1個のLDEVの容量は、プールボリュームの最大容量の2.99TBを推奨します。1個のパリティグループに定義するLDEVの個数は、次の式を使用して算出します。

    LDEVの個数 = ↑容量拡張設定が有効なパリティグループの容量 ÷ 2.99TB

    ↑で囲まれた部分は、小数点以下を切り上げることを示します。

  5. プールを作成します。またはプールを拡張します。

    作成したすべてのLDEVをプールに追加します。

    メモ

    1つのパリティグループから作成されたすべてのLDEVを、1つのプールに追加してください。

    メモ

    プールを構成する容量拡張設定が有効なパリティグループ1つにつき、プールの容量が約120GB減少します。プールの容量が減少するまで、時間がかかることがあります。