3.9.2 mdデバイスの作成
HDLMをインストールしたマルチパス環境で新規にmdデバイスを作成する手順を,次に説明します。
次の手順では,/dev/sddlmaa1および/dev/sddlmab1上に/dev/md0を作成しています。「図3‒10 HDLMデバイス上にmdデバイスを作成した場合のデバイス構成」に示す環境は,次の手順で構築してください。
ディスクパーティションを作成します。
ディスクパーティションタイプは83に設定して作成してください。
fdiskコマンドを実行してディスクパーティションを作成する場合の例を次に示します。
# fdisk /dev/sddlmaa コマンド (m でヘルプ): n コマンドアクション e 拡張 p 基本領域 (1-4) p 領域番号 (1-4): 1 最初 シリンダー (1-1018, default 1): Using default value 1 終点 シリンダー または +サイズ または +サイズM または +サイズK (1-1018, default 1018): Using default value 1018 コマンド (m でヘルプ): t Selected partition 1 16進数コード (L コマンドでコードリスト表示): 83 コマンド (m でヘルプ): p Disk /dev/sddlmaa: 5368 MB, 5368709120 bytes 166 heads, 62 sectors/track, 1018 cylinders Units = シリンダー数 of 10292 * 512 = 5269504 bytes デバイス Boot Start End Blocks Id System /dev/sddlmaa1 1 1018 5238597 83 Linux コマンド (m でヘルプ): w 領域テーブルは交換されました! ioctl() を呼び出して領域テーブルを再読込みします。 ディスクを同期させます。
/dev/sddlmabも同様に実行してください。
mdデバイスを作成します。
mdデバイスにRAID1(ミラーリング)が適用されている場合の実行例を次に示します。
# mdadm -C /dev/md0 -l1 -n2 /dev/sddlmaa1 /dev/sddlmab1 mdadm: /dev/sddlmaa1 appears to contain an ext2fs file system size=5238592K mtime=Fri Jan 25 19:26:25 2008 mdadm: /dev/sddlmab1 appears to contain an ext2fs file system size=5238592K mtime=Fri Jan 25 19:27:07 2008 Continue creating array? y mdadm: array /dev/md0 started.
mdデバイスがHDLM上に作成されたことを確認します。
mdデバイスにRAID1(ミラーリング)を使用されている場合の実行例を次に示します。
# cat /proc/mdstat Personalities : [raid1] md0 : active raid1 sddlmaa1[0] sddlmab1[1] 5238528 blocks [2/2] [UU] unused devices: <none>
「md0 : active」と表示され,HDLMデバイスが表示されていることを確認してください。
必要に応じてコンフィグレーションファイルをバックアップします。
すでにコンフィグレーションファイル(/etc/mdadm.conf)が作成されている場合は,次のコマンドを実行してバックアップを作成してください。
# cp -pr /etc/mdadm.conf /etc/mdadm.conf.backup
次のコマンドを実行して,コンフィグレーションファイルを作成します。
# echo "DEVICE /dev/sddlmaa1 /dev/sddlmab1" >> /etc/mdadm.conf # mdadm --detail --scan | grep -w "/dev/md0" >> /etc/mdadm.conf
sddlmaa1およびsddlmab1には手順3で表示されたmd0と対応するHDLMデバイスを指定してください。
コンフィグレーションファイルの作成例を次に示します。
# cat /etc/mdadm.conf DEVICE /dev/sddlmaa1 /dev/sddlmab1 ARRAY /dev/md0 level=raid1 num-devices=2 UUID=e39a6b15:32e48a5d:ca05f4db:25bc8af9
コンフィグレーションファイルの記述内容については,Linuxのマニュアルやmanコマンドを参照してください。
手順5で作成したコンフィグレーションファイルを編集します。
/etc/mdadm.confファイルを編集して,ARRAY行に「auto=yes」を追加してください。
DEVICE /dev/sddlmaa1 /dev/sddlmab1 ARRAY /dev/md0 level=raid1 num-devices=2 UUID=e39a6b15:32e48a5d:ca05f4db:25bc8af9 auto=yes
ホストを再起動します。
mdデバイスが活性化されていることを確認します。
mdデバイスにRAID1(ミラーリング)が適用されている場合の実行例を次に示します。
# cat /proc/mdstat Personalities : [raid1] md0 : active raid1 sddlmaa1[0] sddlmab1[1] 5238528 blocks [2/2] [UU] unused devices: <none>
「md0 : active」と表示され,HDLMデバイスが表示されていることを確認してください。