Replication Manager Application Agent CLI ユーザーズガイド

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3.14.6 オペレーション定義ファイルの作成(バックアップ対象がファイルシステムの場合)

オペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを使用するシステムの構成に合わせて作成します。作成したオペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを実行する各サーバーの次のディレクトリーに格納します。

<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\

オペレーション定義ファイルを所定のディレクトリーに格納したあとは,オペレーション定義ファイルチェックツールを実行して,オペレーション定義ファイルの内容のチェックと,拡張コマンド用一時ディレクトリーの自動生成をします。

この項の構成
(1) オペレーション定義ファイルの配置
(2) オペレーション定義ファイルの形式
(3) オペレーション定義ファイルの作成例(クラスター構成の場合)

(1) オペレーション定義ファイルの配置

オペレーション定義ファイルは,処理の対象となるマウントポイントまたはファイルに対して作成し,拡張コマンドを実行する各サーバーに配置します。バックアップサーバーを使用する場合は,ファイルサーバーとバックアップサーバーとで同一のオペレーション定義ファイルを配置してください。ファイルサーバーがクラスター構成の場合は,バックアップ対象となるクラスターリソース(マウントポイントまたはファイル)が定義されているすべてのサーバーに,同一のオペレーション定義ファイルを配置します。

オペレーション定義ファイルの配置例を次の図に示します。

図3-11 オペレーション定義ファイルの配置例(クラスター構成で,バックアップ対象がファイルシステムの場合)

[図]

この例では,クラスターを構成するファイルサーバーA(サーバー名:FSServer_A)およびファイルサーバーB(サーバー名:FSServer_B)で,仮想サーバーC(サーバー名:VServer_C)が動作しています。

ファイルサーバーAおよびファイルサーバーB上には3つのマウントポイント「D:」,「M:」および「N:」が在り,クラスターリソースとして仮想サーバーCが定義されています。マウントポイント「M:」および「N:」は,一括して処理の対象とするようにマウントポイントディレクトリー一括定義ファイル「app.txt」で設定されているものとします。

この場合,ファイルサーバーAおよびファイルサーバーBには,「D:」に関するオペレーション定義ファイルと,「app.txt」に指定されたマウントポイントディレクトリー(M:およびN:)に関するオペレーション定義ファイルを配置します。バックアップサーバー(サーバー名:BKServer)には,「D:」,「M:およびN:」に関するオペレーション定義ファイルを配置します。

(2) オペレーション定義ファイルの形式

オペレーション定義ファイルは,処理の対象を一意に特定するオペレーションIDに対応して,次のような名称で作成します。

<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_<オペレーションID>.dat

オペレーション定義ファイルのサンプルは,次の場所にあります。

<Application Agentのインストール先>\DRM\script\sample

オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大バイト数を次の表に示します。

表3-41 オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大バイト数(バックアップ対象がファイルシステムの場合)

指定項目 指定内容 最大バイト数
BACKUP_OBJECT バックアップ対象の種別を示す文字列を指定します。
FILESYSTEM」と指定します。
32
DB_SERVER_NAME ファイルサーバー名を指定します。
クラスター構成のときは,クラスターリソースに対応する仮想サーバー名を指定します。この仮想サーバー名は,Application Agentの構成定義ファイル(init.conf)の「DRM_DB_PATH=<共有ディスク上のディレクトリー>;<仮想サーバー名>」に定義されている必要があります。
128
INSTANCE_NAME マウントポイントディレクトリー名またはマウントポイントディレクトリー一括定義ファイル名を指定します。複数のマウントポイントを指定する場合は,マウントポイントディレクトリー一括定義ファイルを指定してください。
空白を含む場合は引用符(")で囲んで記述します。
128
TARGET_NAME この項目については値を入力しないで,「TARGET_NAME=」を指定してください。 値は入力しないでください。
FTP_HOME_DIR バックアップサーバーを使用する場合,バックアップサーバーのIISで指定したFTPサービスのホームディレクトリー名を指定します。
バックアップサーバーを使用しない場合は,サンプルの値から変更しないでください。
128
FTP_SUB_DIR バックアップサーバーを使用する場合,FTPサービスのホームディレクトリー(FTP_HOME_DIRで指定したバックアップサーバーのディレクトリー)の下に作成するサブディレクトリーの名前を指定します。
ここで指定したディレクトリーの配下に,拡張コマンド用一時ディレクトリーが自動で作成されます。拡張コマンド用一時ディレクトリーの詳細は,「3.14.9 拡張コマンド用一時ディレクトリーの確認」を参照してください。
バックアップサーバーを使用しない場合は,サンプルの値から変更しないでください。
128
SET_DRM_HOSTNAME クラスター構成の場合は「1」,クラスター構成でない場合は「0」を指定します。 1

注※
複数指定するときに使用するコンマも1バイトと見なします。ヘッダー部分「<指定項目名>=」はバイト数に含みません。

(3) オペレーション定義ファイルの作成例(クラスター構成の場合)

ファイルサーバーがクラスター構成のシステムで,オペレーション定義ファイルを作成する例について,図3-11 オペレーション定義ファイルの配置例(クラスター構成で,バックアップ対象がファイルシステムの場合)のシステム構成を例として説明します。

前提条件は次のとおりです。

次の表に示すオペレーションIDに対応するオペレーション定義ファイルを作成します。

表3-43 オペレーション定義ファイルを作成するオペレーションID(クラスター構成で,バックアップ対象がファイルシステムの場合)

オペレーションID 対象ファイルサーバー名 対象マウントポイントまたはファイル
Operation_A VServer_C D:の全体
Operation_B VServer_C app.txt」に指定されたマウントポイントディレクトリー(M:およびN:

オペレーション定義ファイルを作成するには:

  1. 現用サーバー(ファイルサーバーA)にオペレーション定義ファイルを作成し,必要な項目を設定します。
    次の2つのファイルを作成します。
    <Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_A.dat
    <Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_B.dat
    「<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_A.dat」の記述例を次に示します。
    BACKUP_OBJECT=FILESYSTEM
    DB_SERVER_NAME=VServer_C
    INSTANCE_NAME=D:
    TARGET_NAME=
    FTP_HOME_DIR=C:\FTP_ROOT
    FTP_SUB_DIR=script
    SET_DRM_HOSTNAME=1
    「<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_B.dat」の記述例を次に示します。
    BACKUP_OBJECT=FILESYSTEM
    DB_SERVER_NAME=VServer_C
    INSTANCE_NAME=app.txt
    TARGET_NAME=
    FTP_HOME_DIR=C:\FTP_ROOT
    FTP_SUB_DIR=script
    SET_DRM_HOSTNAME=0
  2. 現用サーバー(ファイルサーバーA)でオペレーション定義ファイルのチェックツール「EX_DRM_FS_DEF_CHECK」を実行します。
    EX_DRM_FS_DEF_CHECK <オペレーションID> -db
    オペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリーが自動生成されます。
    エラーがあった場合はファイルの指定内容を修正し,再度チェックツールを実行します。
  3. 現用サーバー(ファイルサーバーA)で作成したオペレーション定義ファイルをバックアップサーバーにコピーします。
    次のディレクトリーにコピーします。
    <Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\
  4. バックアップサーバー上でオペレーション定義ファイルのチェックツール「EX_DRM_FS_DEF_CHECK」を実行します。
    EX_DRM_FS_DEF_CHECK <オペレーションID> -bk
    オペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリーが自動生成されます。
    エラーがあった場合は,バックアップサーバーの構成をオペレーション定義ファイルの内容に合わせて変更するか,オペレーション定義ファイルの内容をバックアップサーバーの構成に合わせて変更するかしてください。バックアップサーバーの構成を変更する場合は,チェックツールを再度実行します。オペレーション定義ファイルの内容を変更する場合は,ファイルサーバーにも同一のファイルを格納し,チェックツールを再度実行します。
  5. 現用サーバー(ファイルサーバーA)で作成したオペレーション定義ファイルを待機サーバー(ファイルサーバーB)にコピーします。
    次のディレクトリーにコピーします。
    <Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\
  6. 待機サーバー(ファイルサーバーB)でオペレーション定義ファイルのチェックツール「EX_DRM_FS_DEF_CHECK」を実行します。
    EX_DRM_FS_DEF_CHECK <オペレーションID> -db
    オペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリーが自動生成されます。