Hitachi Global Link Manager 導入・設定ガイド
サイレントインストールとは,Global Link Managerのインストール時に,応答処理を省略できるインストール方法です。応答内容をあらかじめインストール情報設定ファイルに定義しておきます。サイレントインストールの処理の流れを次に示します。
- インストールに必要な情報を,インストール情報設定ファイルに定義します。定義を省略することもできます。インストール情報設定ファイルについては,「(2) インストール情報設定ファイルの定義内容」を参照してください。
- インストールコマンド(installhglm)※でインストールを実行します。
- 応答処理は,インストール情報設定ファイルの内容に従って自動的に行われます。
- インストールが完了します。インストールの状況や結果について,ログが出力されます。
- 注※
- UAC機能をサポートしているWindows OSでは,UAC機能が有効になっている場合,コマンドの実行時に管理者権限への昇格が求められることがあります。管理者権限に昇格してコマンドを実行してください。
- この項の構成
- (1) サイレントインストール
- (2) インストール情報設定ファイルの定義内容
- (3) ログファイルについて
サイレントインストールの手順は次のとおりです。
- Global Link ManagerのインストールDVD-ROMをセットします。
表示されたウィンドウの[Hitachi Global Link Manager Software]の横にある[Install]ボタンをクリックします。
ウィンドウが表示されない場合は,インストーラー(setup.exe)を直接実行してください。
インストーラーは,<インストールDVD-ROMをセットしたドライブ>:\HGLMに格納されています。
インストーラーが起動すると,Microsoft Visual C++ 2013再頒布可能パッケージ(Microsoft Visual C++ 2013 Redistributable Package (x86)およびMicrosoft Visual C++ 2013 Redistributable Package (x64))が自動的にインストールされます。この処理が完了すると,Hitachi Global Link Managerのインストールへようこそダイアログが表示されます。
- 再頒布可能パッケージのインストールが完了した時点で再起動を要求される場合があります。その場合は,再起動後にGlobal Link Managerのインストールが開始されます。
- インストール先の環境に,すでに同じバージョン以上のMicrosoft Visual C++ 2013再頒布可能パッケージがインストールされている場合,この処理はスキップされます。
- [キャンセル]ボタンをクリックします。
キャンセルを問い合わせるダイアログが表示されます。- [はい]ボタンをクリックします。
ダイアログが閉じます。- 次のコマンドを実行して,サイレントインストールを実行します。
<インストールDVD-ROMをセットしたドライブ>:\HGLM\GLMTools\installhglm [/f <インストール情報設定ファイル名>] [/s]installhglmコマンドには,次の表に示すオプションを指定できます。
コマンドを実行すると,インストールが開始します。インストール中は,インストールの中断はできません。[Ctrl]+[C]などによって強制終了しないでください。
項目 説明 /f <インストール情報設定ファイル> インストール情報設定ファイルを作成している場合,格納場所を指定します。相対パス,絶対パスのどちらでも指定できます。255バイト以内のパスを指定してください。使用できる文字を次に示します。
A~Z,a~z,0~9,'.','_',' '(半角スペース),そのほかにパスの区切り文字として(\),(:)が使用できます。
このオプションを指定しない場合,インストール情報設定ファイルのデフォルトの値が適用されます。
インストール情報設定ファイルについては,「(2) インストール情報設定ファイルの定義内容」を参照してください。/s 実行を確認するメッセージを出力させないときに指定します。
インストールが正常終了すると,KAIF40111-Iのメッセージが出力されます。KAIF40111-Iのメッセージが出力されない場合は,出力されたメッセージに従って対処してください。
また,インストールの結果がログファイル(installhglm_yyyy-mm-dd_hh-mm-ss.log※)にも出力されます。installhglm.logについては,「(3) ログファイルについて」を参照してください。
- 注※
- yyyy-mm-dd_hh-mm-ss は,年-月-日-時-分-秒を示します。
Global Link Managerでは,インストール情報設定ファイルのサンプルファイルを提供しています。格納場所を次に示します。
<インストールDVD-ROMをセットしたドライブ>:\HGLM\GLMTools\sample_installhglm.iniサンプルファイルの内容を次に示します。
[INSTALLATION_SETTINGS] HGLM_INSTDIR="C:\Program Files\HiCommand" HGLM_DBDIR="C:\Program Files\HiCommand\HGLAM\database" HGLM_IPADDRESS= HGLM_PORT=22015 HGLM_SNMPTRAP=TRUE HGLM_SNMPIPADDRESS= HGLM_SNMPIPV6ADDRESS= HGLM_SNMPTRAPPORT=22620 HGLM_RUNSERVICE=TRUE HGLM_DBTMPDIR="C:\Program Files\HiCommand\databackup" HGLM_DATATMPDIR="C:\Program Files\HiCommand\databackup" HGLM_HDLMINSTALLDOWNLOAD=FALSE [EOF]クラスタ環境をセットアップする場合は,HGLM_CLUSTER_SETUPなどのキーを指定してください。クラスタ環境をセットアップする場合の定義内容の例を次に示します。
[INSTALLATION_SETTINGS] HGLM_INSTDIR="C:\Program Files\HiCommand" HGLM_DBDIR="X:\HiCommand\HGLAM\database" HGLM_IPADDRESS=HCSClientAccessPoint HGLM_PORT=22015 HGLM_SNMPTRAP=TRUE HGLM_SNMPIPADDRESS= HGLM_SNMPIPV6ADDRESS= HGLM_SNMPTRAPPORT=22620 HGLM_RUNSERVICE=FALSE HGLM_DBTMPDIR="C:\Program Files\HiCommand\databackup" HGLM_DATATMPDIR="C:\Program Files\HiCommand\databackup" HGLM_CLUSTER_SETUP=TRUE HGLM_CLUSTER_MODE=2 HGLM_CLUSTER_RESOURCEGROUPNAME=HCSClusterServices HGLM_CLUSTER_HOSTNAME_ACTIVE=activenodehost HGLM_CLUSTER_HOSTNAME_STANDBY=standbynodehost HGLM_HDLMINSTALLDOWNLOAD=FALSE [EOF]sample_installhglm.iniファイルを編集する場合は,任意のフォルダにコピーしてください。
[INSTALLATION_SETTINGS]セクションにインストール応答処理の内容を定義します。
- 「#」で始まる行はコメントして見なされます。セクション名の先頭に「#」を付けると,セクション内の定義はすべてコメントとして見なされ,デフォルト値が適用されます。
- 空行は無視されます。
[INSTALLATION_SETTINGS]セクションのキーの内容および指定できるインストールの種別を次の表に示します。
表2-5 [INSTALLATION_SETTINGS]セクションで指定するキー名
キー名 説明 指定できるインストールの種別 HGLM_INSTDIR インストール先のフォルダを絶対パス名で指定します。64バイト以内のパスを指定します。使用できる文字を次に示します。
A~Z,a~z,0~9,'.','_',' '(半角スペース),そのほかにパスの区切り文字として(\),(:)が使用できます。
デフォルトは「C:\Program Files\HiCommand」です。
次のフォルダは指定できません。
- %ProgramFiles(x86)%\以下
- %CommonProgramFiles(x86)%\以下
- %SystemRoot%\SysWOW64\以下
- %SystemRoot%\system32\以下
- %ProgramFiles%\WindowsApps\以下
新規インストール,またはv6もしくはv7からのアップグレードインストール HGLM_DBDIR データベース格納先を絶対パス名で指定します。64バイト以内のパスを指定します。使用できる文字を次に示します。
A~Z,a~z,0~9,'.','_',' '(半角スペース),そのほかにパスの区切り文字として(\),(:)が使用できます。
デフォルトは「C:\Program Files\HiCommand\HGLAM\database」です。
次のフォルダは指定できません。
- %ProgramFiles(x86)%\以下
- %CommonProgramFiles(x86)%\以下
- %SystemRoot%\SysWOW64\以下
- %SystemRoot%\system32\以下
- %ProgramFiles%\WindowsApps\以下
新規インストール,またはv6もしくはv7からのアップグレードインストール HGLM_IPADDRESS Global Link ManagerサーバのIPアドレスまたはホスト名を指定します。IPv6アドレスで指定する場合,IPアドレスを[ ]で囲んで指定します。
デフォルトは<Global Link ManagerサーバのIPアドレス>です。
クラスタ設定の場合は論理ホスト名を指定します。新規インストール HGLM_PORT Global Link Managerサーバのポート番号を指定します。
デフォルトは「22015」です。新規インストール,またはv6もしくはv7からのアップグレードインストール HGLM_SNMPTRAP SNMP Trap受信機能を使用するかどうか指定します。
TRUE:使用します。
FALSE:使用しません。
デフォルトは「TRUE」です。新規インストール HGLM_SNMPIPADDRESS SNMP Trapを受信するIPv4アドレスを指定します。
デフォルトは<Global Link ManagerサーバのIPアドレス>です。新規インストール HGLM_SNMPIPV6ADDRESS SNMP Trapを受信するIPv6アドレスを指定します。IPアドレスを[ ]で囲んで指定します。
デフォルトは<Global Link ManagerサーバのIPアドレス>です。新規インストール HGLM_SNMPTRAPPORT SNMP Trapを受信するポート番号を指定します。
デフォルトは「22620」です。新規インストール HGLM_RUNSERVICE インストール後にサービス起動するかどうか指定します。
TRUE:起動します。
FALSE:起動しません。
デフォルトは「TRUE」です。
クラスタ環境への新規インストール,アップグレードインストール,または上書きインストールの場合は,「TRUE」を指定してもインストール後にサービスを起動しません。新規インストール,アップグレードインストール,または再インストール HGLM_DBTMPDIR Hitachi Command Suite製品(Global Link Managerを含む)のデータベース情報退避フォルダを絶対パス名で指定します。
デフォルトは「C:\Program Files\HiCommand\databackup」です。v6またはv7からのアップグレードインストール HGLM_DATATMPDIR Global Link Managerのパスステータスログ,プロパティファイル,ログファイルの退避先フォルダを絶対パス名で指定します。
デフォルトは「C:\Program Files\HiCommand\databackup」です。v6またはv7からのアップグレードインストール HGLM_CLUSTER_SETUP Hitachi Command Suite共通コンポーネントおよびHiRDBが,クラスタ構成と非クラスタ構成のどちらでもない場合に,クラスタ環境または非クラスタ環境のどちらをセットアップするかを指定します。
TRUE:クラスタ環境をセットアップします。
FALSE:非クラスタ環境をセットアップします。
デフォルトは「FALSE」です。
HGLM_CLUSTER_SETUPで「TRUE」を指定した場合,次のキー名の指定は必須です。
- HGLM_CLUSTER_RESOURCEGROUPNAME
- HGLM_CLUSTER_HOSTNAME_ACTIVE
- HGLM_CLUSTER_HOSTNAME_STANDBY
新規インストール,アップグレードインストール,または再インストール HGLM_CLUSTER_MODE クラスタ構成でインストールする場合に,動作モードを指定します。
2:実行系
3:待機系
デフォルトは「2」です。新規インストール,アップグレードインストール,または再インストール HGLM_CLUSTER_RESOURCEGROUPNAME リソースグループ名を指定します。
クラスタ構成で,ユーザーが設定しないでサイレントインストールした場合,エラーになります。新規インストール,アップグレードインストール,または再インストール HGLM_CLUSTER_HOSTNAME_ACTIVE 実行系のホスト名を指定します。
クラスタ構成で,ユーザーが設定しないでサイレントインストールした場合,エラーになります。新規インストール,アップグレードインストール,または再インストール HGLM_CLUSTER_HOSTNAME_STANDBY 待機系のホスト名を指定します。
クラスタ構成で,ユーザーが設定しないでサイレントインストールした場合,エラーになります。新規インストール,アップグレードインストール,または再インストール HGLM_HDLMINSTALLDOWNLOAD HDLMインストーラーのダウンロード機能を使用するかどうか指定します。
TRUE:使用します。
FALSE:使用しません。
デフォルトは「FALSE」です。
アップグレードインストールまたは再インストールの場合で,ダウンロード機能を有効にしてすでにインストール済みのときは,このキー項目は使用されません。指定値に関係なく,ダウンロード機能は有効となります。新規インストール,アップグレードインストール,または再インストール
サイレントインストールを使用したインストールでは,インストール処理結果がログファイル(installhglm_yyyy-mm-dd_hh-mm-ss.log)に出力されます。
installhglm_yyyy-mm-dd_hh-mm-ss.logファイルの出力先を次に示します。
<システムドライブ>:\installhglm_yyyy-mm-dd_hh-mm-ss.logログファイルにKAIF40111-Iのメッセージが出力されていない場合は,出力されたメッセージに従って対処してください。
- 注意事項
- installhglm_yyyy-mm-dd_hh-mm-ss.logファイルおよびsetup_yyyy-mm-dd_hh-mm-ss.logファイル※のサイレントインストールのログファイルはシステムドライブの直下に生成され,Global Link Managerのアンインストールと同時に削除されることはありません。したがって,サイレントインストールのログファイルが不要になったときは,手動で削除してください。
- 注※
- 内部処理で出力されるログファイル
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