Hitachi Global Link Manager ユーザーズガイド

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3.3.7 マルチパスLU設定

Global Link Managerでは,LU単位のロードバランス設定,LU単位のダイナミックI/Oパスコントロール設定,LU単位の同一パス使用回数設定,およびLU単位の拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O)設定を実行できます。

LU単位のロードバランス設定

ホストから接続するLUの単位でロードバランスを設定し,次のような設定を実行できます。

LU単位のダイナミックI/Oパスコントロール設定

次の条件をすべて満たす場合に,LU単位でダイナミックI/Oパスコントロール機能を使用するかどうかの設定を変更できます。

注意事項
ホストのOSがVMwareの場合,ホストへの操作では100LU当たり数分の時間(3分程度)が掛かる場合があります。
LU単位の同一パス使用回数設定

ホストのHDLMバージョンが7.4.1以降かつホストのOSがVMware以外の場合に,LU単位で次のような設定を実行できます。

LU単位の拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O)設定

ホストのHDLMバージョンが8.1.2以降かつホストのOSがVMware以外の場合に,LU単位で次のような設定を実行できます。

ホストのOSがVMwareの場合,「HDLM設定」で設定したロードバランス,同一パス使用回数,およびダイナミックI/OパスコントロールはすべてのマルチパスLUに適用されます。ホストのOSがVMware以外の場合,ダイナミックI/OパスコントロールはすべてのマルチパスLUに適用されます。LU単位で設定する場合は「マルチパスLU設定」で設定します。なお,Global Link Managerのリソースとしてホストを新規に追加した時点では,ホストごとに設定しているロードバランスの設定値をLU単位でも引き継ぐ設定になっています。

LU単位で,ロードバランス,同一パス使用回数,およびダイナミックI/Oパスコントロールを設定する場合の例を次の図に示します。

図3-4 LU単位のロードバランスおよびダイナミックI/Oパスコントロールの設定例

[図]

LU単位のロードバランス設定,LU単位の同一パス使用回数設定,およびLU単位のダイナミックI/Oパスコントロール設定は,LUに対応するマルチパスLUに対して実行します。マルチパスLU一覧には,パスの本数に関係なくLU単位で集約されたHDev(HDLMで管理するホストデバイス)がマルチパスLUとして表示されるため,LUと1対1でマルチパスLUを選択して設定できます。マルチパスLUの設定例をホストのOSごとに次の図に示します。

図3-5 マルチパスLU設定の概要(ホストのOSごとの設定例)

[図]

マルチパスLU設定は,ホスト単位,ホストグループ単位,またはストレージシステム単位にマルチパスLU一覧を表示して設定できます。ユーザーアプリケーションで使用するホストの構成に応じた単位で設定してください。

注意事項

マルチパスLU設定情報の初期化について
次のどちらかの条件に当てはまる場合には,Global Link Manager GUIで設定したマルチパスLU設定情報は初期化されます。
  • ホストのHDLMのユーザーインターフェース(HDLM GUI,HDLM Web GUI,またはHDLMコマンド)を使用してロードバランスを設定した場合
    HDLMではホスト単位で環境を設定します。LU単位での設定はできません。そのため,HDLMのユーザーインターフェースを使用してロードバランス,同一パス使用回数,拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O),またはダイナミックI/Oパスコントロールを設定した場合には,設定した内容がホスト単位で反映され,個々のマルチパスLU設定は初期化されます。
  • ホストのOSがWindowsの場合にLUの動的再構成が行われたとき(Windows版HDLMでLUの動的削除機能を使用している場合)
    LUに接続しているすべてのパスが切断されたときにHDLMの管理対象からLUが自動で削除され,そのあと復旧した場合,そのLUに対して行っていたマルチパスLU設定は初期化されます。

マルチパスLU設定時のHDLMコマンドの実行結果について
ホストごとの設定と異なる値でLUごとのロードバランスを設定,またはLUごとのダイナミックI/Oパスコントロール機能を設定した場合,HDLMコマンドのviewオペレーションに-sys -sfuncパラメーターを指定して実行すると,次に示す例のようにLoad Balance,またはDynamic I/O Path Controlの値に「*」が出力されます。ただし,ホストのOSがVMwareの場合,Load Balanceの値に「*」は出力されません。
(例)HDLM設定またはマルチパスLU設定を次のように設定した場合
HDLM設定
  • ロードバランス:「拡張ラウンドロビン」を指定
  • ダイナミックI/Oパスコントロール:「使用しない」を指定
マルチパスLU設定
  • ロードバランス:LUごとに「拡張最小I/O数」または「ホストの設定に従う」を指定
  • ダイナミックI/Oパスコントロール:LUごとに「使用しない」または「使用する」を指定
HDLM Version                   : 8.0.0-00
Service Pack Version           : 
Load Balance                   : on(exrr)*
Support Cluster                : 
Elog Level                     : 3
Elog File Size(KB)             : 9900
Number Of Elog Files           : 2
Trace Level                    : 0
Trace File Size(KB)            : 1000
Number Of Trace Files          : 4
Path Health Checking           : on(30)
Auto Failback                  : off
Intermittent Error Monitor     : off
Dynamic I/O Path Control       : off(10)*
 
この項の構成
(1) マルチパスLU設定手順(ホスト単位)
(2) マルチパスLU設定手順(ホストグループ単位)
(3) マルチパスLU設定手順(ストレージシステム単位)

(1) マルチパスLU設定手順(ホスト単位)

LU単位の同一パス使用回数機能は,ホストのHDLMバージョンが7.4.1以降の場合だけ設定できます。LU単位の拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O)機能は,ホストのHDLMバージョンが8.1.2以降の場合だけ設定できます。LU単位のダイナミックI/Oパスコントロール機能は,ホストのHDLMバージョンが7.3以降で,ホストから接続しているストレージシステムが,ダイナミックI/Oパスコントロールに対応している場合に設定できます。

  1. エクスプローラメニューで,次のどちらかを選択します。
    • リソース]-[ホスト
    • マイグループ]-[ホストグループ
    ホストサブウィンドウまたはホストグループサブウィンドウが表示されます。
  2. オブジェクトツリーを展開して,目的のホストを選択します。
    <ホスト名>サブウィンドウが表示されます。
  3. マルチパスLU一覧]タブで同じロードバランスアルゴリズム,同じ同一パス使用回数,同じ拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O),または同じダイナミックI/Oパスコントロールを設定するマルチパスLUのチェックボックスを選択し,[マルチパスLU設定]ボタンをクリックします。
    マルチパスLU設定ダイアログが表示されます。
  4. 選択したマルチパスLUに対してロードバランスのアルゴリズム,同一パス使用回数,拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O),またはダイナミックI/Oパスコントロールを設定します。
    マルチパスLUの情報が更新されたことを<ホスト名>サブウィンドウで確認してください。
    複数のアルゴリズムを設定する場合は,手順3に戻って繰り返し設定します。

(2) マルチパスLU設定手順(ホストグループ単位)

LU単位の同一パス使用回数機能は,ホストのHDLMバージョンが7.4.1以降の場合だけ設定できます。LU単位の拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O)機能は,ホストのHDLMバージョンが8.1.2以降の場合だけ設定できます。LU単位のダイナミックI/Oパスコントロール機能は,ホストのHDLMバージョンが7.3以降で,ホストから接続しているストレージシステムが,ダイナミックI/Oパスコントロールに対応している場合に設定できます。

  1. エクスプローラメニューの[マイグループ]-[ホストグループ]を選択します。
    ホストグループサブウィンドウが表示されます。
  2. オブジェクトツリーを展開して,目的のホストグループを選択します。
    <ホストグループ名>サブウィンドウが表示されます。
  3. マルチパスLU一覧]タブで同じロードバランスアルゴリズム,同じ同一パス使用回数,同じ拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O),または同じダイナミックI/Oパスコントロールを設定するマルチパスLUのチェックボックスを選択し,[マルチパスLU設定]ボタンをクリックします。
    マルチパスLU設定ダイアログが表示されます。
  4. 選択したマルチパスLUに対してロードバランスのアルゴリズム,同一パス使用回数,拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O),またはダイナミックI/Oパスコントロールを設定します。
    マルチパスLUの情報が更新されたことを<ホストグループ名>サブウィンドウで確認してください。
    複数のアルゴリズムを設定する場合は,手順3に戻って繰り返し設定します。

(3) マルチパスLU設定手順(ストレージシステム単位)

LU単位の同一パス使用回数機能は,ホストのHDLMバージョンが7.4.1以降の場合だけ設定できます。LU単位の拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O)機能は,ホストのHDLMバージョンが8.1.2以降の場合だけ設定できます。LU単位のダイナミックI/Oパスコントロール機能は,ホストのHDLMバージョンが7.3以降で,ホストから接続しているストレージシステムが,ダイナミックI/Oパスコントロールに対応している場合に設定できます。

  1. エクスプローラメニューの[リソース]-[ストレージシステム]を選択します。
    ストレージシステムサブウィンドウが表示されます。
  2. オブジェクトツリーを展開して,目的のストレージシステムを選択します。
    <ストレージシステム名>サブウィンドウが表示されます。
  3. マルチパスLU一覧]タブで同じロードバランスアルゴリズム,同じ同一パス使用回数,同じ拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O),または同じダイナミックI/Oパスコントロールを設定するマルチパスLUのチェックボックスを選択し,[マルチパスLU設定]ボタンをクリックします。
    マルチパスLU設定ダイアログが表示されます。
  4. 選択したマルチパスLUに対してロードバランスのアルゴリズム,同一パス使用回数,拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O),またはダイナミックI/Oパスコントロールを設定します。
    マルチパスLUの情報が更新されたことを<ストレージシステム名>サブウィンドウで確認してください。
    複数のアルゴリズムを設定する場合は,手順3に戻って繰り返し設定します。