Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Solaris用)

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7.8.2 パラメタ

-d 出力先ディレクトリ名
dlmsetconfユティリティが作成する構成定義ファイルを出力するディレクトリ名を指定します。指定するディレクトリ名は絶対パスで指定してください。マルチバイト文字は指定できません。出力先ディレクトリ名を省略した場合は,/kernel/drvに構成定義ファイルを作成します。出力先ディレクトリを作成してから,ユティリティを実行してください。

-c
-tパラメタで使用するストレージシステム移行用情報定義ファイルの整合性をチェックします。ストレージシステム移行用情報定義ファイルを読み込み,既存のdlmfdrv.confと移行後の物理パスリスト(ストレージシステムの情報)をストレージシステム移行用情報定義ファイルと比較し,実行結果をファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.conf_check)に出力します。構成定義ファイルは作成されません。

-r
既存の構成定義ファイルの定義を無効にして,新規に構成定義ファイルとHDLMドライバ非構成定義ファイルを作成する場合に指定します。このパラメタを省略した場合,既存の構成定義ファイルとHDLMドライバ非構成定義ファイルの定義情報を引き継ぎ,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)に対しては構成変更部分の追加,削除を行い,HDLMネクサスドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmndrv.conf)に対しては構成変更部分の追加を行います。
SVMを使用する場合は,-rパラメタを指定しないでください。HDLMデバイスの構成変更によって,インスタンス番号,つまりHDLMデバイスのマイナー番号が変わると,メタデバイスやボリュームが使用できなくなります。-rパラメタを使用しなければ,既存の構成定義ファイルに定義されているインスタンス番号が維持されるため,ストレージシステムの構成を変更しても,メタデバイスやボリュームを引き続き使用できます。

注意事項
  • -rパラメタを指定してdlmsetconfユティリティを実行後,再構成オプションを指定してホストを再起動すると,新しい論理デバイスファイルが作成されることがあります。この場合,古い方の論理デバイスファイルを削除してください。
  • このパラメタを指定して構成定義ファイルを作成した場合は,dlmcfgmgrコマンドを使用した動的再構成は未サポートです。構成変更は再構成リブートしてください。
  • ブートディスクをHDLMの管理下に置いている環境では,-rパラメタを指定してdlmsetconfユティリティは実行できません。

-u
HDLM管理対象外にするLUを示すHDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)の内容に従って,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)内の既存エントリ中のHDLM管理対象かどうかを示す属性値だけを更新します。再構成オプションを指定してホストを起動したときに,HDLM管理対象かどうかを示す属性値がシステムに反映されます。
-uパラメタ指定時には,LUの追加または削除などのシステム構成変更があった場合でも,エントリの追加または削除は行われません。-uパラメタを指定してdlmsetconfユティリティを実行した結果,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)内のHDLM管理対象かどうかを示す属性値に変化がない場合,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)は更新されません。HDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)がない場合や,HDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)内に無効なエントリがある場合はエラーとなります。

-t
既存のdlmfdrv.confdevice-nameプロパティ(論理デバイス名)を,移行先のLUのdevice-nameプロパティ(論理デバイス名)に引き継ぐことで,ストレージシステムが移行されてもHDLMの論理デバイス名をそのまま維持できます。

-tパラメタだけを指定した場合(ストレージシステム移行用情報定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmmiginfo.conf)を使用しない場合)
既存のdlmfdrv.confのホストLUNと,移行後のストレージシステムのホストLUNが同じときだけ論理デバイス名を引き継ぎます。ただし,移行前または移行後のストレージシステムでホストLUNが重複している場合は,論理デバイス名引き継ぎ機能は未サポートです。

-tパラメタを指定し,かつストレージシステム移行用情報定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmmiginfo.conf)を使用した場合
ストレージシステム移行用情報定義ファイルに記載されている移行前後のストレージシステムおよびLU情報を,既存のdlmfdrv.confおよび移行後のストレージシステムの情報と比較して,一致したLUの論理デバイス名だけを引き継ぎます。
使用例

(例1)パラメタを省略した場合
/kernel/drvディレクトリ内に,構成定義ファイルを作成します。すでに構成定義ファイルが作成されている場合は定義情報を引き継ぎ,構成変更部分を追加,削除します。
 
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf
  

(例2)-dパラメタを指定した場合
/tmpディレクトリ内に,構成定義ファイルを作成します。
 
# mkdir /tmp/dlmdir
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf -d /tmp/dlmdir
 

(例3)-rパラメタを指定した場合
/kernel/drvディレクトリ内に,構成定義ファイルを新規作成します。既存ファイルがあっても定義情報を引き継ぎません。
 
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf -r
 

(例4)-u パラメタを指定した場合
HDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)の定義内容に従って,HDLM管理対象から外すLUを定義します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf -u