Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Solaris用)

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3.1.5 HDLMがサポートするクラスタソフトウェアとボリュームマネージャの組み合わせ

この項の構成
(1) PRIMECLUSTER環境の場合
(2) Solaris ClusterまたはVCS環境の場合
(3) Oracle RAC 11g環境の場合
(4) Oracle RAC 12c環境の場合

(1) PRIMECLUSTER環境の場合

PRIMECLUSTER環境においてHDLMを使用する場合,ボリュームマネージャは PRIMECLUSTER GDSをお使いください。

(2) Solaris ClusterまたはVCS環境の場合

HDLMがサポートするクラスタソフトウェアとボリュームマネージャの組み合わせを次の表に示します。

表3-6 HDLMがサポートする関連プログラムの組み合わせ

OS クラスタ ボリュームマネージャ
Solaris 10 なし なし
SVM※1 ※4 ※5
Oracle Solaris Cluster 3.3※7 ※8 なし
SVM※2 ※3 ※5 ※6
VCS 6.0※9 VxVM 6.0※2 ※5
Solaris 11.0 Oracle Solaris Cluster 4.0 なし
SVM
VCS 6.0※9 VxVM 6.0※2 ※5
Solaris 11.1 Oracle Solaris Cluster 4.1 なし
SVM
VCS 6.0.3※9 VxVM 6.0.3※2 ※5
Solaris 11.2 Oracle Solaris Cluster 4.2 なし
SVM
VCS 6.2.1※9 VxVM 6.2.1※2 ※5
Solaris 11.3 Oracle Solaris Cluster 4.3 なし
SVM
VCS 6.2.1※9 VxVM 6.2.1※2 ※5
VCS 7.1※9 VxVM 7.1※2 ※5
VCS 7.2※9 VxVM 7.2※2 ※5
VCS 7.3.1※9 VxVM 7.3.1※2 ※5
VCS 7.4※9 VxVM 7.4※2 ※5
Solaris 11.4 Oracle Solaris Cluster 4.4 なし
SVM
VCS 7.4.1※9 VxVM 7.4.1※2 ※5

注※1
次に示すSVMの機能はサポートしていません。
  • マルチオーナーディスクセット(複数所有者ディスクセット)
  • ディスクセットのインポート
  • ボリュームの自動(トップダウン)作成

注※2
EFIラベルはサポートしていません。

注※3
次に示すSVMの機能はサポートしていません。
  • 1TB以上のディスクの使用
  • マルチオーナーディスクセット(複数所有者ディスクセット)
  • ディスクセットのインポート
  • ボリュームの自動(トップダウン)作成

注※4
Oracle社のHBAドライバ以外(qlc, emlxsドライバ以外)を使用している構成では,HDLMが管理するディスクをSVMの共有ディスクセット機能で使用できません。

注※5
ZFSはサポートしていません。

注※6
Oracle社のHBAドライバ以外(qlc, emlxsドライバ以外)を使用している構成でHDLMが管理するディスクをSVMの共有ディスクセット機能で使用する場合は,Solaris ClusterのデバイスID(/dev/did/dsk下の論理デバイスファイル)を使用してください。SVMの共有ディスクセット機能でHDLMの論理デバイス名を使用できません。

注※7
2ノード構成の場合,ストレージデバイスのSCSIプロトコル(フェンシングプロトコル)の設定はpathcountだけをサポートします。
ストレージデバイスのSCSIプロトコルの設定方法は,Solaris Clusterのマニュアルを参照してください。

注※8
2ノード構成の場合だけサポートします。

注※9
I/Oフェンシング機能をサポートします。ただし,ストレージシステムがHUS100シリーズの場合はサポートしていません。なお,サポートするサービスグループの種類は,フェイルオーバサービスグループだけです。パラレルサービスグループおよびハイブリッドサービスグループは,サポートしていません。

(3) Oracle RAC 11g環境の場合

必要なプログラム

Oracle RAC 11g環境の構築に必要なプログラムを次の表に示します。

表3-7 Oracle RAC 11g環境の構築に必要なプログラム(Solaris 10またはSolaris 11の場合)

構成 プログラム 備考
構成1 OS Solaris 10
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.6.0
クラスタ Oracle Clusterware 11.1.0.6.0
ボリュームマネージャ なし(HDLMのrawデバイスを指定)
構成2 OS Solaris 10
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.6.0
クラスタ Oracle Clusterware 11.1.0.6.0
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle RAC 11gに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
    手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
構成3 OS Solaris 10
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.6.0 2ノード構成だけサポート
クラスタ Oracle Solaris Cluster 3.3およびOracle Clusterware 11.1.0.6.0
ボリュームマネージャ なし(HDLMのrawデバイスを指定)
構成4 OS Solaris 10
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.6.0 2ノード構成だけサポート
クラスタ Oracle Solaris Cluster 3.3およびOracle Clusterware 11.1.0.6.0
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle RAC 11gに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。ASMが使用するディスクデバイスは,Solaris ClusterのデバイスIDを指定してください。
    手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
構成5 OS Solaris 10
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.7.0
クラスタ Oracle Clusterware 11.1.0.7.0
ボリュームマネージャ なし(HDLMのrawデバイスを指定)
構成6 OS Solaris 10
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.7.0
クラスタ Oracle Clusterware 11.1.0.7.0
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle RAC 11gに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
    手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
構成7 OS Solaris 10
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.1.0
クラスタ Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.1.0
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
    手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
構成8 OS Solaris 10
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.2.0 2ノード構成だけサポート
クラスタ Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.2.0
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
    手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
構成9 OS Solaris 10
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.3.0 2ノード構成だけサポート
クラスタ Oracle Solaris Cluster 3.3およびOracle Grid Infrastructure 11.2.0.3.0
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
    手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
構成10 OS Solaris 11
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.3.0 2ノード構成だけサポート
クラスタ Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.3.0
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
    手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
構成11 OS Solaris 11
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.3.0 2ノード構成だけサポート
クラスタ Oracle Solaris Cluster 4.0およびOracle Grid Infrastructure 11.2.0.3.0
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
    手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
構成12 OS Solaris 10
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.4.0 2ノード構成だけサポート
クラスタ Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.4.0
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
    手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
構成13 OS Solaris 11
Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.4.0 2ノード構成だけサポート
クラスタ Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.4.0
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
    手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
注意事項

(4) Oracle RAC 12c環境の場合

必要なプログラム

Oracle RAC 12c環境の構築に必要なプログラムを次の表に示します。

表3-10 Oracle RAC 12c環境の構築に必要なプログラム(Solaris 11の場合)

構成 プログラム 備考
構成1 OS Solaris 11
Oracle RAC 12c Oracle 12c Database 12.1.0.2 2ノード構成だけサポート
クラスタ Oracle Grid Infrastructure 12.1.0.2
ボリュームマネージャ ASM
  • ASMはOracle RAC 12cに同梱
  • OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 12cでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
    手順については,Oracle RAC 12cのマニュアルを参照してください。
注意事項