15.2 Volume Migrationの操作の流れ
Volume Migrationで使用するボリュームの要件や、マイグレーション実行時の注意事項などについては、マニュアルVolume Migrationユーザガイドを参照してください。
マイグレーションの準備
マイグレーションを開始する前に、移動先のボリューム(ターゲットボリューム)の準備をします。ターゲットボリュームにはLUパスを設定しておく必要があります。
操作の流れを次に説明します。
- ボリュームの作成(ターゲットボリューム)
- データの移動先となるターゲットボリュームを作成します。
- ホストグループの作成
- ターゲットボリュームにLUパスを設定するために、ホストグループを作成します。このホストグループはホストに割り当てられている必要はありません。既存のホストグループを使用することもできますが、移動元ボリューム(ソースボリューム)が属するホストグループは使用できません。
- LUパスの設定
- ターゲットボリューム用に作成したホストグループを指定して、LUパスを設定します。
マイグレーションの実行
ソースボリュームをP-VOL、ターゲットボリュームをS-VOLとしてVolume Migration用のペアを作成し、データのコピーを行います。ペアはコピーグループ単位でも操作できます。コピーグループは、コピーペアを1つにグループ化したものです。P-VOLをグループ化したデバイスグループと、S-VOLをグループ化したデバイスグループから構成されます。
操作の流れを次に説明します。
- ペアを作成する(Volume Migration)
- ソースボリュームとターゲットボリュームでVolume Migration用のペアを作成します。Volume Migration用のペアを作成した時点では、ペア状態はSMPLです。マイグレーションを実行するまではデータのコピーは行われません。
- マイグレーションを実行する
- ペア単位またはコピーグループ単位で、ソースボリュームからターゲットボリュームへデータのコピーを行います。データのコピーが完了すると、ソースボリュームとターゲットボリュームのLDEV IDやパスの設定が入れ替わり、ターゲットボリューム側にホストのI/Oが切り替わります。
- ペアを削除する(Volume Migration)
- マイグレーションのジョブが完了し、成功していた場合は、マイグレーション用のペアを削除します。
- マイグレーションをキャンセルする
- 実行中のマイグレーションを中止したい場合や、マイグレーションのジョブが失敗した場合などは、マイグレーションをキャンセルします。マイグレーションをキャンセルすると、ペアの状態がSMPLになり、マイグレーションを再実行できる状態になります。
マイグレーション後の処理
マイグレーション用に作成したボリュームやホストグループを削除します。
操作の流れを次に説明します。
- LUパスを削除する
- ソースボリュームに設定されたLUパスを削除します。ただし、マイグレーション完了時にパスの設定がソースボリュームとターゲットボリュームで入れ替わっているため、ボリュームマイグレーション用に作成したホストグループ(ホストに割り当てられていないホストグループ)側に設定されたパスを削除します。
- ボリュームを削除する(ソースボリューム)
- ソースボリュームを削除します。ただし、マイグレーション完了時にLDEV IDが入れ替わっているため、削除するボリュームのLDEV IDには、ターゲットボリュームとして作成したボリューム(ホストからのI/Oがないボリューム)のLDEV IDを指定します。
- ホストグループを削除する
- ソースボリュームが属していたホストグループが不要になった場合は、削除します。
リクエストヘッダでのJob-Mode-Wait-Configuration-Changeの指定について
マイグレーションの実行やキャンセルの操作では、データコピーに時間がかかるためにジョブのステータスがCompletedにならず、複数の非同期処理を同時に実行するとジョブが滞留することがあります。この場合、リクエストヘッダにJob-Mode-Wait-Configuration-Change:NoWaitを指定して実行することで、データコピーが完了するまで待たないでジョブのステータスがCompletedになり、次のジョブの実行が開始されます。このとき、ジョブの実行が完了してもデータコピーは継続されます。データのコピーが完了したかどうかは、ジョブのステータスではなく対象のペアの状態を取得して確認してください。ペアの状態については、ペアの状態遷移の説明を参照してください。