Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)
Oracle RACを使用する場合の注意事項を次に説明します。
- Oracle RAC環境でOracle Cluster file Systemを使用する場合は,/etc/ocfs.confファイル中のパラメタ「comm_voting」を「0」に設定してください。
- Oracle RAC環境でOracle Cluster file System 2を使用する場合は,/etc/sysconfig/o2cbfファイル中のパラメタ「O2CB_HEARTBEAT_THRESHOLD」を次の値に設定してください。
- Hitachi USPシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Virtual Storage Platformシリーズ,VSP G1000シリーズ,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,またはHUS VMを使用している場合
(Oracle Cluster file System 2へ接続するパス数×60秒÷2)+1- Hitachi AMS2000/AMS/TMS/WMS/SMSシリーズ,またはHUS100シリーズを使用している場合
(Oracle Cluster file System 2へ接続するパス数×30秒÷2)+1- ホストとOracle RACの投票ディスク(Voting Disk)を複数のパスで接続しているとき,それらのパスの一部でI/Oタイムアウトが発生すると通常のパスと同様にHDLMはフェイルオーバ処理を実行します。
ただし,Oracle RACの設定状態によっては,HDLMのフェイルオーバ処理が完了する前にOracle RAC側でノード障害が発生したと見なし,クラスタを再構成してしまうおそれがあります。
したがって,Oracle RACの投票ディスクに接続したパスをHDLMが管理する場合,使用しているOracle RACのバージョンに応じて,次に示す設定値を変更してください。なお,次の「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の計算式で示すパス数は,各ホストごとに投票ディスクに接続しているパスの数です。1つのホストから2パスづつ投票ディスクに接続している場合,パス数は2となります。「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の変更方法については,Oracleサポートサービスを契約した会社へお問い合わせください。
- Oracle RAC 10g 10.1.0.3.0以降,Oracle RAC 11g,またはOracle RAC 12cを使用している場合
ストレージシステムの種別に応じて,「MISSCOUNT」の値を変更してください。設定する値は,次に示す表に従って計算してください。算出した値以上に変更してください。
ストレージシステム種別 「MISSCOUNT」に設定する値の計算式
- Hitachi USPシリーズ
- Universal Storage Platform V/VMシリーズ
- Virtual Storage Platformシリーズ
- VSP G1000シリーズ
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- HUS VM
投票ディスクへ接続するパスの数×60秒
- Hitachi AMS2000/AMS/TMS/WMS/SMSシリーズ
- HUS100シリーズ
投票ディスクへ接続するパスの数×30秒 - Oracle RAC 10g 10.2.0.2.0以降,Oracle RAC 11g,またはOracle RAC 12cを使用している場合
上記の「MISSCOUNT」の値の変更に加え,「DISKTIMEOUT」の値も変更してください。「DISKTIMEOUT」に設定する値は,「MISSCOUNT」の値の変更と同様,ストレージシステムの種別に応じて異なります。設定する値は,次に示す表に従って計算してください。算出した値以上に変更してください。
ストレージシステム種別 投票ディスクへ接続するパスの数 「DISKTIMEOUT」に設定する値の計算式
- Hitachi USPシリーズ
- Universal Storage Platform V/VMシリーズ
- Virtual Storage Platformシリーズ
- VSP G1000シリーズ
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- HUS VM
3以下 「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 4以上 投票ディスクへ接続するパスの数×60秒
- Hitachi AMS2000/AMS/TMS/WMS/SMSシリーズ
- HUS100シリーズ
6以下 「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 7以上 投票ディスクへ接続するパスの数×30秒
なお,上記の構成からHDLMをアンインストールする場合,変更した「MISSCOUNT」や「DISKTIMEOUT」の設定値を元の値に戻す必要があるため,変更する前のそれぞれの設定値を控えておいてください。- OracleのoracleasmコマンドをHDLMデバイスに対して実行すると,KAPL05023-Eのメッセージをsyslogに出力する場合があります。
このエラーメッセージのあとに,次に示すoracleasmコマンド成功のメッセージを出力している場合は,HDLMの動作上の問題はありません。oracleasm: succeeded- Oracle RAC 10gまたはOracle RAC 11gとHDLMを組み合わせて使用する場合で,Oracle RAC 10gまたはOracle RAC 11gのASMLibを使用するときは,ASMLib構成ファイルの設定を変更する必要があります。
ASMLibをインストールしたあと,すべてのノードに対して次に示す操作を行ってください。
- 次に示すコマンドを実行し,ASMLib構成ファイルを作成します。
- ASMLibのバージョンが2.1.0以降の場合
# /usr/sbin/oracleasm configure- ASMLibのバージョンが2.1.0より前の場合
# /etc/init.d/oracleasm configure- ASMLib構成ファイル(/etc/sysconfig/oracleasm)を開きます。
- ORACLEASM_SCANORDERの行を,次のように変更します。
ORACLEASM_SCANORDER ="sddlm"
HDLMデバイスに定義済みのASMディスクがすでに存在する場合は,この手順を実行したあとすべてのノードを再起動します。
この操作は,設定を有効にするために行います。- Red Hat Enterprise Linuxのバージョンによって次のように異なります。
Red Hat Enterprise Linux 6で,Oracle RAC 11g Release 2とHDLMを組み合わせて使用する場合,ADVM およびACFSで作成した共有ファイルシステムを,アーカイブREDOログの領域として使用できます。ただし,Red Hat Enterprise Linux 6.0 / 6.1 / 6.2で,Oracle RAC 11g Release 2(11.2.0.3.0)とHDLMを組み合わせて使用する場合は,PSU 11.2.0.3.3以降が必要です。
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