Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)

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3.6.1 HDLMを新規インストールする前の準備

HDLMを新規インストールする前の準備について説明します。HDLM管理対象予定のデバイスのバックアップ,ハードウェアの設定,ボリューム管理ソフトウェアの設定などを行います。

この項の構成
(1) HDLM管理対象予定のデバイスへの操作
(2) ボリュームグループの確認方法
(3) syslogの設定ファイルの設定
(4) マウントポイントの設定(Red Hat Enterprise Linux 5,Red Hat Enterprise Linux 6またはRed Hat Enterprise Linux 7)
(5) パーティションの確認
(6) Xenの設定

(1) HDLM管理対象予定のデバイスへの操作

この手順は,HDLM管理対象予定のデバイスをすでに運用している場合に行ってください。

  1. HDLM管理対象予定のデバイスにアクセスする,すべてのアプリケーションのプロセスを終了します。
  2. 必要があれば,HDLM管理対象予定のデバイスの内容を,テープなどにバックアップします。
  3. デバイスの登録を解除します。
    クラスタソフトウェアを含むプログラム(ボリューム管理ソフトウェア以外)にHDLMが管理する予定のデバイスを登録している場合,登録を解除してください。HDLMインストール後に管理対象のデバイスにアクセスするときは,HDLMが作成するHDLMデバイスの論理デバイスファイル名を使用するため,これまでの設定名ではアクセスできません。
  4. マウントを解除します。
    SCSIデバイスを指定してHDLM管理対象予定のデバイスをマウントしている場合は,マウントを解除します。
    はじめに,現在の設定を確認します。次に示すコマンドを実行します。
     
    # mount
     
    現在の設定が次に示すように出力されます。

    図3-2 mountコマンドの実行結果

    [図]

    網掛けの部分がHDLMで管理する予定のSCSIデバイスです。このSCSIデバイスに対して次に示すコマンドを実行して,マウントを解除します。
     
    # umount /mntpt
     
  5. ホストの起動時に自動でマウントする設定をしている場合は,/etc/fstabファイルを編集してその設定を削除してください。
    /etc/fstabファイルの編集例を次に示します。

    図3-3 /etc/fstabファイルの編集例

    [図]

    網掛け部分の行の先頭に「#」を付けてコメントアウトしてください。

(2) ボリュームグループの確認方法

すでにLVMを使用して物理ボリューム,ボリュームグループ,論理ボリュームを作成した場合,「3.10 LVM2の設定」で説明する手順を実行するには,次に示すすべての条件を満たす必要があります。論理ボリュームやファイルシステムを作成していても,移行作業への影響はありません。

ここでは,vg02というボリュームグループが,1つの物理ボリュームで作成されている場合,および2つの物理ボリュームで作成されている場合の確認の方法を説明します。なお,/dev/sdeおよび/dev/sduは同じHDLM管理対象予定のデバイスに対して定義されたSCSIデバイスの論理デバイスファイルであることとします。

vg02というボリュームグループが,どの物理ボリュームによって作成されているかを確認するためには,次に示すコマンドを実行します。

# vgdisplay -v
 

1つの物理ボリュームで作成されている場合(条件を満たす場合)と,2つの物理ボリュームで作成されている場合(条件を満たしていない場合)の実行例を次に示します。

図3-4 vgdisplay -vの実行結果(物理ボリュームが1つの場合)

[図]

網掛けの部分を確認することによって,vg02が,/dev/sdeによって作成されていることを確認します。

図3-5 vgdisplay -vの実行結果(物理ボリュームが2つの場合)

[図]

網掛けの部分を確認することによって,vg02が,同一のHDLM管理対象予定のデバイスに対応する/dev/sdeおよび/dev/sduによって作成されていることを確認します。

(3) syslogの設定ファイルの設定

インストール実行時のログは,syslogに出力します。syslogの設定ファイルを参照して,Errorレベル以上のメッセージが出力される設定になっていることを確認します。Red Hat Enterprise Linuxでsyslogdを使用してしいる場合の設定ファイルの内容例を次に示します。

図3-6 syslogdの設定ファイルの内容例(Red Hat Enterprise Linuxの場合)

[図]

監査ログを採取する場合は,拡張用のFacility(local0~7)に監査ログ専用の出力先を指定することを推奨します。また,拡張用のFacilityの重要度は「info」を指定することを推奨します。/etc/syslog.confの設定例を次に示します。

 
local0.info /usr/local/audlog
 

(4) マウントポイントの設定(Red Hat Enterprise Linux 5,Red Hat Enterprise Linux 6またはRed Hat Enterprise Linux 7)

Red Hat Enterprise Linux 5,Red Hat Enterprise Linux 6またはRed Hat Enterprise Linux 7の場合,DVD-ROMは自動マウントされません。

あらかじめ,/media/cdromディレクトリを作成してください。

(5) パーティションの確認

/etc/optディレクトリがルートディレクトリ「/」と同じパーティション上に配置されているか,確認してください。

/etc/optディレクトリはOSの構築時に作成しておいてください。

(6) Xenの設定

Xenを使用している場合は,あらかじめdomainUを停止しておいてください。また,domain0の起動と連携してdomainUも自動的に起動されるよう設定している場合,domainUが自動的に起動しないよう一時的に設定を変更してください。

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