Replication Manager ユーザーズガイド
GUIを使用する場合の注意事項について説明します。
- この節の構成
- A.3.1 コピーペア構成が定義情報と一致しない場合(オープン系システム)
- A.3.2 コピーペア構成が定義情報と一致しない場合(メインフレーム系システム)
- A.3.3 コピーペアの構成定義が複雑な場合
- A.3.4 HUS100シリーズでCopy-on-Write SnapshotまたはTrueCopy Extended Distanceを使用する場合
- A.3.5 Hitachi USPでコピーペアを表示する場合
- A.3.6 表示情報がシステム構成によって異なる場合(メインフレーム系システム)
- A.3.7 複数のReplication Managerサーバで同じ情報取得元を管理する場合
- A.3.8 Replication Managerが複数のプレフィックスを扱う場合(メインフレーム系システム)
- A.3.9 Device Managerを使用してメインフレームボリュームのペアを監視する場合
- A.3.10 Replication Managerが作成をサポートしていないコピーペア構成の場合
A.3.1 コピーペア構成が定義情報と一致しない場合(オープン系システム)
オープン系システムで,ホストビューまたはストレージシステムビューに表示されるコピーペア構成が,コピーペア構成定義ビューに表示される定義情報と異なる場合について説明します。
ホストビューまたはストレージシステムビューでは,パスが指定されているボリュームは[Paired]一覧または[Unpaired]一覧のどちらかに表示されます。コピーペアを構成するボリュームは[Paired]一覧に表示され,そのほかのボリュームは[Unpaired]一覧に表示されます。ただし,simplex状態のコピーペアは定義上のコピーペアであり実在しないため,そのコピーペアを構成するボリュームは,[Unpaired]一覧に表示されます。
コピーペア構成定義ビューでは,simplex状態のコピーペアの情報を含む構成定義情報は,構成定義ファイルの定義情報に基づいて表示されます。既存のコピーペアを管理するための構成定義ファイルの条件については,「5.2.4 構成定義ファイルの生成と適用」を参照してください。
simplex状態のコピーペアを含むコピーグループと構成定義ファイルが存在する構成の例を次に示します。
図A-3 simplex状態のコピーペアと構成定義ファイルを含むコピーグループが存在する構成の例(オープン系システム)
上記の例では,simplex状態のコピーペアと構成定義ファイルを含むコピーグループが存在しています。この場合,ホストビューまたはストレージシステムビューで,コピーグループCG.TCA01に属するボリューム5:11および4:88が[Paired]一覧に表示されます。また,コピーグループCG.TCA02に属するボリューム6:11および5:88が[Unpaired]一覧に表示されます。コピーペア構成定義ビューには,2つのコピーグループCG.TCA01およびCG.TCA02に関する情報が表示されます。
A.3.2 コピーペア構成が定義情報と一致しない場合(メインフレーム系システム)
メインフレーム系システムで,ホストビューまたはストレージシステムビューに表示されるコピーペア構成が,コピーペア構成定義ビューに表示される定義情報と異なる場合について説明します。
ホストビューまたはストレージシステムビューでは,ホストまたはストレージシステムに属するペアボリューム(コピーペアを構成しているボリューム)だけが表示されます。ただし,simplex状態のコピーペアは定義上のコピーペアであり実在しないため,そのコピーペアを構成するボリュームは表示されません。
コピーペア構成定義ビューでは,simplex状態のコピーペアの情報を含む構成定義情報が,コピーグループ定義ファイル(プレフィックス)に基づいて表示されます。ただし,Storage Navigatorなどのストレージシステムの運用管理ソフトウェアでコピーペアを作成した場合は,コピーグループ定義ファイルが存在しないため,コピーペア構成定義ビューに構成定義情報は表示されません。
メインフレーム系システムで,同じコピーグループに対して2つのコピーグループ定義ファイルを使用する構成の例を次に示します。
図A-4 2つのコピーグループ定義ファイルが同じコピーグループに対して使用される構成の例(メインフレーム系システム)
上記の例では,バックアップ処理のために常時適用されるコピーグループ定義ファイルが同一のコピーグループに対して使用されます。また,2つのコピーグループ定義ファイルが同じコピーグループで有効になるため,ホストビューまたはストレージシステムビューでは2つのコピーグループ名(CG.TCA01およびCG.TCA02)が表示されます。
コピーペア構成定義ビューでは,1つのコピーグループが各定義ファイル(Prefix-AとしてのCG.TCA01およびPrefix-BとしてのCG.TCA02)に対して表示されます。
コピーグループに2つの正ボリュームがあるなど,構成が複雑な場合には,コピーペア構成定義ビューのようにコピーグループが一覧表示されていると,コピーグループの構成情報を表示できません。
具体的な例を次に示します。
- 1つのコピーグループに対して,正副ボリュームが反対の関係にある2つの構成定義ファイルを使用している場合
この場合の例を次の図に示します。図A-5 同じコピーグループに対して正副を逆にして定義されている例
構成定義ファイルAでは,Copy Group_Aを正ボリューム,Copy Group_Bを副ボリュームと定義しています。一方,構成定義ファイルBでは,Copy Group_Bを正ボリューム,Copy Group_Aを副ボリュームと定義しています。
- カスケード構成の要素が正ボリューム,副-正ボリューム,および副ボリュームで,正ボリュームおよび副ボリュームを同じコピーペアでペアにしている場合(同じコピーグループで2つのペア関係を定義している場合)
この場合の例を次の図に示します。図A-6 カスケード構成の2つのコピーペアが同じコピーグループで定義されている例
A.3.4 HUS100シリーズでCopy-on-Write SnapshotまたはTrueCopy Extended Distanceを使用する場合
HUS100シリーズでCopy-on-Write SnapshotまたはTrueCopy Extended Distanceのコピーペアを作成する場合に,指定するDPプールが次のどれかの状態のときはコピーペア作成に失敗することがあります。
- DPプールのプール使用率が,次に示す値以上である。
<レプリケーションデータ解放しきい値> - 5(%)
上記の状態に該当しないDPプールを指定してください。- すでに作成されたCopy-on-Write SnapshotまたはTrueCopy Extended Distanceのコピーペアで使用されているボリュームを使用する場合,そのコピーペアが使用している差分データおよび管理領域が,それぞれ異なったDPプールに関連付けられている。
コピーペアが使用する差分データおよび管理領域が,それぞれ異なったDPプールに関連付けられている場合は,Hitachi Command Suite製品以外のストレージシステム運用管理ソフトウェア(Hitachi Storage Navigator Modular 2など)を使用してコピーペアを作成してください。- すでに作成されたCopy-on-Write SnapshotまたはTrueCopy Extended Distanceのコピーペアで使用されているボリュームを使用する場合,そのコピーペアが使用しているDPプールと異なるDPプールを指定している。
すでに作成されたコピーペアと同じDPプールを指定してください。また,HUS100シリーズでCopy-on-Write SnapshotまたはTrueCopy Extended Distanceで使用するDPプールでは,合計容量がプール全体の容量よりも小さく表示されることがあります。
Replication Managerで表示するプールの容量に関する項目とその内容を次に示します。
- [合計容量] コピーペアに使用できない容量を含めたプール全体の容量
- [プール使用率] コピーペアに使用できる容量のうち,使用されている容量の比率
プール情報の詳細については,Hitachi Command Suite製品以外のストレージシステム運用管理ソフトウェア(Hitachi Storage Navigator Modular 2など)で確認してください。
A.3.5 Hitachi USPでコピーペアを表示する場合
Hitachi USPでコピーペアの情報を正しく表示するために,バージョン50-09-85-00/00以降のマイクロコードを使用してください。
次のすべての条件を満たす場合,Universal ReplicatorのコピーペアではないHitachi USPのボリュームがUniversal Replicatorのコピーペアとして表示されます。
- Hitachi USPのマイクロコードのバージョンが50-03-00-00/00以降で,かつ50-09-85-00/00より前である。
- Device Managerで管理しているHitachi USPでUniversal Replicatorのコピーペアを作成し,かつ,そのコピーペアを解除して正ボリュームおよび副ボリュームのパスも削除している。
- 上記で削除した正ボリュームまたは副ボリュームと同じパス(ポート,セキュリティ,LUN番号の組み合わせ)を設定している。
A.3.6 表示情報がシステム構成によって異なる場合(メインフレーム系システム)
Replication Managerでは,表示情報がシステム構成の制約を受けることがあります。
メインフレーム系システムでは,ホストに接続されているストレージシステムがDevice Managerサーバに登録されており,なおかつそのサーバがReplication Managerの情報取得元として登録されている場合に,ストレージシステムの情報詳細を表示できます。ただし,接続されているストレージシステムがDevice Managerサーバに登録されていない,またはそのようなサーバがReplication Managerの情報取得元として登録されていない場合には,次のように表示されます。
表A-14 ストレージシステム詳細情報が取得できない構成の場合の表示内容(メインフレーム系システム)
表示制限のある情報 表示される内容 ストレージシステム名 ストレージシステム種別部分がストレージシステムファミリー※ ストレージシステム種別 ストレージシステムファミリー※ ジャーナルボリューム情報 なし([JNLG一覧]タブは表示されない) コピーライセンス情報 「No Object」
- 注※
- 「VSP 5100」,「VSP 5500」,「VSP 5100H」,「VSP 5500H」,「VSP G1000」,「VSP G1500」,「VSP F1500」,「VSP」,「USP_V,H24000/20000」,または「USP,H12000/10000」のうち,該当するファミリーが表示されます。
さらに,Mainframe Agentがメインフレーム系システムの情報取得元として登録されている場合には,PPRCを使用して作成したコピーペアしか監視できません。このため,副ボリュームの一部の情報が表示されません。Mainframe Agentが情報取得元であるコピーペアの副ボリューム情報は,次のように表示されます。
表A-15 Mainframe Agentが情報取得元のコピーペアの副ボリューム表示内容
表示制限のある副ボリューム情報 表示される内容 ストレージシステム名 「n/a」 ストレージシステムの情報(ストレージシステムビュー) LDEV情報(ストレージシステムビュー) サイドファイル使用率(TrueCopy Asyncの場合) DEVN情報(ホストビュー) なし(DEVN一覧には表示されない)
A.3.7 複数のReplication Managerサーバで同じ情報取得元を管理する場合
複数のReplication Managerサーバで同じ情報取得元を管理する構成では,ペアの監視および管理は各サーバから同時には実行できません。情報取得元に関連付けられたDevice ManagerエージェントまたはBusiness Continuity Managerエージェントに対して,異なるサーバが同時処理要求を発行した場合,Device ManagerエージェントまたはBusiness Continuity Managerエージェントの処理中にエラーが発生するおそれがあります。
ディザスタリカバリーに備えて,プライマリーサイトとセカンダリーサイトの両方にReplication Managerをインストールする場合,セカンダリーサイトのReplication Managerをメンテナンスモードに設定することをお勧めします。メンテナンスモードにしていない場合,プライマリーサイトとセカンダリーサイトのReplication Managerから情報取得元に対し同時に処理が実行されたときに,どちらかのサイトでエラーが発生するおそれがあります。
A.3.8 Replication Managerが複数のプレフィックスを扱う場合(メインフレーム系システム)
Replication Managerを使えば,複数のプレフィックスに対して同時にコピーペアの確認,定義,操作ができます。ホストビューまたはストレージシステムビューで,プレフィックスを指定したり識別したりしないでDEVNおよびLDEVを確認できます。ペア構成時には,Replication Managerはメインフレーム系ホストの複数プレフィックスからの正ボリューム/副ボリュームの選択を禁止します。
複数プレフィックスの管理時に混乱を避けるために,Replication Managerでは,すでに同じホストからスキャンされてディスク構成定義ファイルに格納されているボリュームは,ボリューム範囲として追加できません。複数プレフィックスでスキャンされたボリュームが検出されると,Replication Managerはそのプレフィックスをホストビューに表示して,プレフィックスの重複がわかるようにします。
A.3.9 Device Managerを使用してメインフレームボリュームのペアを監視する場合
情報取得元に登録しているDevice Managerでメインフレーム系システムの情報を管理している場合,Business Continuity Managerで管理していないメインフレームボリュームに関しても,Device Managerを介して情報を取得できます。
ただし,次に示す機能は実行できません。
- コピーペア定義
- コピーペア状態の変更
また,メインフレームボリュームのペアを監視する際,Device Managerから取得した情報とBusiness Continuity Managerから取得した情報は,表示項目によって異なります。次の表にメインフレームボリュームの情報の表示内容を示します。
表示内容が異なる項目 表示される内容 Device Managerから取得した場合 Business Continuity Managerから取得した場合 ストレージシステムサマリー キャッシュサイズ キャッシュサイズ(実際の値) 「n/a」 最大形成コピー数 最大形成コピー数(実際の値) 該当情報がないことを示す矩形アイコン プラットフォーム一覧 総容量 総容量(実際の値) 「n/a」 割り当て済み容量 「未サポート」 「未サポート」 メインフレームストレージシステムサマリー 総容量 総容量(実際の値) 「n/a」 割り当て済み容量 「未サポート」 「未サポート」 CU一覧 総容量 「未サポート」 「未サポート」 割り当て済み容量 「未サポート」 「未サポート」 LDKCボリュームサマリー 総容量 総容量(実際の値) 「n/a」 割り当て済み容量 「未サポート」 「未サポート」 キャッシュサイズ キャッシュサイズ(実際の値) 「n/a」 CUサマリー 総容量 「未サポート」 「未サポート」 割り当て済み容量 「未サポート」 「未サポート」 LDEV一覧(Paired) LDEV LDEV(実際の値) LDEV(実際の値) DEVN 「n/a」 DEVN(実際の値) VOLSER 該当情報がないことを示す矩形アイコン ボリュームシリアル番号(実際の値) コピー種別 コピー種別のライセンスの登録状況(実際の値) コピー種別のライセンスの登録状況(実際の値) ディスク構成 「n/a」 ディスク構成ラベル(実際の値) プレフィックス 「n/a」 プレフィックス(実際の値) ホスト 「n/a」 ホスト名(実際の値) 容量 容量(実際の値) 「n/a」 ボリューム属性 ボリューム属性(実際の値) 「n/a」 LDEV一覧(Unpaired) LDEV LDEV(実際の値) LDEV(実際の値) DEVN 「n/a」 DEVN(実際の値) VOLSER 該当情報がないことを示す矩形アイコン ボリュームシリアル番号(実際の値) ディスク構成 「n/a」 ディスク構成ラベル(実際の値) プレフィックス 「n/a」 プレフィックス(実際の値) ホスト 「n/a」 ホスト名(実際の値) 容量 容量(実際の値) 「n/a」 ボリューム属性 ボリューム属性(実際の値) 「n/a」 LDEVサマリー SSID 「n/a」 ストレージシステムID(実際の値) VOLSER 該当情報がないことを示す矩形アイコン ボリュームシリアル番号(実際の値) 容量 容量(実際の値) 「n/a」 RAIDレベル RAIDレベル(実際の値) 「n/a」 エミュレーションタイプ エミュレーションタイプ(実際の値) 「n/a」 ストレージシステム ストレージシステム名(実際の値) ストレージシステム名(実際の値) ボリューム属性 ボリューム属性(実際の値) 「n/a」 コピーペアの関連 コピーグループ 「n/a」 コピーグループ(実際の値)
A.3.10 Replication Managerが作成をサポートしていないコピーペア構成の場合
3つのUniversal Replicatorサイトによる3DC構成など,Replication Managerで作成をサポートしていないコピーペア構成の場合には,Universal ReplicatorのコピーペアをデルタURのコピーペアとして認識する,またはデルタURのコピーペアをUniversal Replicatorのコピーペアとして認識することがあります。
この場合,コピーペア構成定義ウィザードを起動すると,コピー種別の「UR」または「UR (3DC Delta Resync)」が正しく表示されません。
正しく認識されていないコピーペアに対する操作は,失敗する,または意図しない実行結果になるおそれがあるため,RAID Managerで実行してください。
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