Replication Manager ユーザーズガイド
SQL Serverのデータベースのレプリカをリストアする手順について説明します。
- この項の構成
- (1) レプリカのリストアの流れ
- (2) リストアレプリカウィザードの概要
- (3) リストアレプリカウィザードの起動に関する要件
SQL Serverのデータベースのレプリカをリストアするには,リストアレプリカウィザードを使用します。このウィザードを完了するとコピーグループ単位のタスクが自動で登録されます。レプリカのリストアの処理は,即時実行されます。
レプリカのリストアの流れを次の図に示します。
Replication Managerでは,アプリケーションと連携してデータベースのレプリカをリストアするためのリストアレプリカウィザードを提供しています。アプリケーションのリソース(インスタンス,データベースなど)単位での最新復旧ポイントからのリストア,または,復旧ポイントを指定したリストアによって,データを復旧できます。
リストアレプリカウィザードの起動時には,次に示す要件をすべて満たしている必要があります。
- リストアするためのコピーペアが存在すること。
- リストア対象の副ボリュームがマウントされていないこと。
マウントされていると,予期しないI/Oによって,副ボリュームのデータが破壊されるおそれがあります。アプリケーションビューで該当するデータベースサーバの[レプリカ履歴]タブでレプリカを選択し,[アンマウントレプリカ]ボタンをクリックしてアンマウントしておいてください。- データベースサーバのApplication Agentの設定で次の設定が完了していること。
- 対象のHORCMインスタンス
- バックアップサーバ(バックアップサーバを使用する場合)
- RAID Managerインストールパス
- SQLインスタンス
- バックアップサーバを使用する場合,バックアップサーバのApplication Agentの設定で次の設定が完了していること。
- 対象のHORCMインスタンス
- RAID Managerインストールパス
- SQLインスタンス(バックアップサーバでSQLインスタンスを起動する場合)
また,リストアを実行する前に,次の注意事項を参照してください。
- 名称を変更したSQL Serverデータベースに対してリストアを実行する場合,リストアを実行する前にリストア対象データベースをデタッチしておいてください。
- リストア先のSQL Serverデータベースの構成(ドライブ名およびパス)をレプリカ作成時と合わせてください。SQL Serverデータベースの構成がレプリカ作成時と異なる場合は,リストアできません。
- 正ボリューム上のファイルやディレクトリがほかのアプリケーションで使用されていないことを確認してください。
特に,次の点に注意してください。
・コマンドプロンプトで,正ボリュームにドライブを移動した場合は,コマンドプロンプトのウィンドウを閉じてください。正ボリューム以外にドライブを移動すると,アンマウント時にエラーとなります。
・エクスプローラで正ボリュームのドライブ下を開いている場合は,正ボリューム以外のドライブにポイントを移動するか,エクスプローラを終了してください。
・ネットワーク経由で正ボリュームのドライブ下のリソースにアクセスしている場合は,アクセスしているアプリケーションを終了してください。
・常駐プロセス型の監視プログラムによって,正ボリュームが開かれている場合があります。クラスタソフトウエア以外の監視プログラムを停止してください。- リストア対象となるデータベースにアクセスするアプリケーションが停止していることを確認してください。アプリケーションとは,SQL Serverの上位アプリケーションを含んでいます。つまり,Reporting ServicesのようなSQL ServerコンポーネントもSQL Serverの上位アプリケーションに相当するため,リストアする前に停止していることを確認する必要があります。データベースに接続するアプリケーションが動作している場合,VDIメタファイル適用後のロールフォワードに失敗することがあるため,正しくリストアできません。
例えば,ODBCセッションの確立ができないときにリトライするアプリケーションが実行中だと,VDIメタファイル適用後のロールフォワード時にODBCセッションの確立要求が発行されて,ロールフォワードに失敗します。- SQL Server Management Studioでリストアの対象となるデータベースを参照した場合,リストアする前に,SQL Server Management Studioで対象データベースとの接続を解除するか,またはSQL Server Management Studioを終了してください。
- リストア対象となるすべてのデータベースがリストアできる状態になっていることを確認してください。リストアできるデータベースの状態については,「(5) レプリカを管理するためのSQL Serverデータベースの条件」を参照してください。なお,「未確認」状態のデータベースは,自動的に削除され,リストアされます。
リストア対象に,リストアできない状態のデータベースが1つでもある場合,正常にリストアできないことがあります。リストアできない状態のデータベースを削除してから,再度リストアしてください。
クラスタリソースを対象としてリストアする場合,データベースを含むクラスタリソースがオフラインになるため,リストアの対象となっているデータベースは一時的に使用できなくなります。- SQL Serverのシステムデータベースをリストアする場合,リストアの対象となるSQL Serverのサービスを一度停止します。したがって,リストアの対象となっているデータベースには一時的にアクセスできなくなります。リストアの実行中はSQL Serverに接続しないでください。
- 名称を変更したSQL Serverデータベースに対してリストアを実行する場合,必ずリストアの対象となるSQL Serverデータベースをデタッチしてください。デタッチしないでリストアした場合,コマンドが正常に終了しないで,リストアしたあとのSQL Serverデータベースが使用できなくなることがあります。SQL Serverデータベースが使用できなくなったときは,データベースをデタッチしてから,リストアを再実行してください。
- クラスタリソースを対象としてリストアする場合,リストア対象のSQL Serverインスタンスのサービスリソースに依存関係を設定しているクラスタリソースは,すべてオフラインにしておいてください。
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