Tuning Manager - Agents
ここでは,HTM - Agent for RAIDで監視対象とする論理デバイスを指定する方法について説明します。デフォルトの設定では,HTM - Agent for RAIDは,監視できるすべての論理デバイスに関する情報を収集し,Performanceデータベースに格納します。特定の論理デバイスだけを監視対象として指定し,HTM - Agent for RAIDが扱う論理デバイスの数を絞りこむと,次に示す効果が得られます。
- 履歴レポートの表示性能が向上する
- Performanceデータベースの使用容量が抑えられる
- レポートの視認性が高まる
監視対象論理デバイスを指定するためには,HTM - Agent for RAIDが提供する論理デバイス定義ファイル(ldev_filter.ini)を使用します。論理デバイス定義ファイルに監視したい論理デバイスの論理デバイス番号を定義しておくと,ストレージシステムから収集されたすべての論理デバイスに関する情報のうち,定義した論理デバイスの情報だけがPerformanceデータベースに格納されます。同様に,履歴レポートやリアルタイムレポートにも,定義した論理デバイスの情報だけが表示されます。
なお,Main Consoleでは,HTM - Agent for RAIDで監視対象として指定されている論理デバイスの性能情報だけが表示されます。
- 注意
- TCP/IP接続でパフォーマンスデータを収集する場合,論理デバイス定義ファイル(ldev_filter.ini)を使用してHTM - Agent for RAIDが扱う論理デバイスの数を絞りこむはできません。ただし,Performance Monitorで監視対象のCUを設定することで,CU単位ではありますが収集対象の論理デバイスを指定することはできます。
- LUSEを構成している論理デバイスを監視する場合,LUSEの先頭論理デバイス(HUS VM,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USP,またはSANRISE Hシリーズの場合)またはメイン論理ユニット(HUS100シリーズまたはHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズの場合)を論理デバイス定義ファイルに定義した場合だけ,LUSEを構成するすべての論理デバイスが監視対象になります。LUSEの先頭論理デバイスまたはメイン論理ユニット以外の論理デバイスだけを定義した場合は,その論理デバイスを含むLUSE全体が監視対象外になります。
- アラームを使用してストレージシステムの稼働状況を監視している場合,論理デバイス定義ファイルに定義した論理デバイスだけが,評価の対象となります。
- この節の構成
- E.2.1 論理デバイス定義ファイルを作成する
- E.2.2 論理デバイス定義ファイルの定義を有効にする
論理デバイス定義ファイル(ldev_filter.ini)は,インスタンス環境を設定したあと,HTM - Agent for RAIDを起動する前に作成します。作成する単位は,インスタンス単位です。
論理デバイス定義ファイルの格納先ディレクトリを次に示します。論理デバイス定義ファイルを作成するときは,同じディレクトリに格納されているサンプルファイル(ldev_filter.ini.sample)をコピーしてお使いください。
- Windowsの場合
- 物理ホスト環境:インストール先フォルダ\agtd\agent\インスタンス名\
- 論理ホスト環境:環境ディレクトリ\jp1pc\agtd\agent\インスタンス名\
- UNIXの場合
- 物理ホスト環境:/opt/jp1pc/agtd/agent/インスタンス名/
- 論理ホスト環境:環境ディレクトリ/jp1pc/agtd/agent/インスタンス名/
なお,HTM - Agent for RAIDのソリューションセットを使用すると,論理デバイス定義ファイルが容易に作成できます。特に,LUSEを構成している論理デバイスを持つストレージシステムを監視する場合,この方法をお勧めします。詳細についてはこの項の末尾を参照してください。
論理デバイス定義ファイルには,監視したい論理デバイスの論理デバイス番号を記述します。
- 論理デバイス定義ファイルの記述規則
- 論理デバイス番号はすべて半角文字で記述します。
- 監視対象ストレージシステムがVSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USP,およびSANRISE Hシリーズである場合,論理デバイス番号は「CU番号:LDEV番号」または「論理DKC番号:CU番号:LDEV番号」の書式で記述します。論理DKC番号,CU番号およびLDEV番号は,2桁の16進数で記述します。
- 監視対象ストレージシステムがHUS100シリーズおよびHitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズである場合,論理デバイス番号は4桁以内の10進数で記述します。
- 1行に定義できる論理デバイスは1つです。
- 論理デバイス定義ファイルに定義できる論理デバイスの数は65,280です。
- 半角文字のシャープ「#」で始まる行は,コメントとして扱われます。
- 注意
- マルチバイト文字は使用できません。
- 規則に従って記述されていない行は無効になります。
- 論理デバイス定義ファイルに有効な行が1行も存在しない場合でも,論理デバイス定義ファイルの定義は有効になります。この場合,HTM - Agent for RAIDは論理デバイスを一切監視しません。
- 終端文字を含めて1,024バイト以上の長さの行が存在する場合,論理デバイス定義ファイルの定義は無効になります。
- 論理デバイス定義ファイルの記述例
- 監視対象ストレージシステムがHitachi USP1100である場合:
#USP S/N: 14053 00:01 01:11 2F:AC- 監視対象ストレージシステムがHitachi AMS500である場合:
#AMS S/N: 75010005 1 15 1022
- ソリューションセットを使用した論理デバイス定義ファイルの作成方法
- 論理デバイスの構成情報を表示するソリューションセットのレポートを使用すると,論理デバイス定義ファイルが容易に作成できます。手順を次に示します。
- HTM - Agent for RAIDを起動する。
- Logical Device Configuration(7.1)レポートの内容をCSVファイルに出力する。
- CSVファイルから,HTM - Agent for RAIDが監視する論理デバイスの論理デバイス番号を示す列(LDEV Number列)を抽出する。
- サンプルファイルをコピーしてldev_filter.iniファイルを作成する。
- 手順cで抽出したデータをldev_filter.iniファイルに貼り付ける。
- ldev_filter.iniファイルに貼り付けた論理デバイス番号から,監視しない論理デバイスの論理デバイス番号を削除する。
Logical Device Configuration(7.1)レポートの詳細については,「14. アンインストール(Windowsの場合)」を,レポートの内容を出力する方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の稼働分析のためのレポートの作成について説明している章を参照してください。
論理デバイス定義ファイルを作成し,指定されたディレクトリに格納したあと,HTM - Agent for RAIDを起動します。共通メッセージログに出力されるメッセージを見て,論理デバイス定義ファイルの定義が有効になっているかどうかを確認してください。
なお,HTM - Agent for RAIDの起動中または起動後に論理デバイス定義ファイルを指定されたディレクトリに格納しても,論理デバイス定義ファイルは有効になりません。また,HTM - Agent for RAIDの起動中に論理デバイス定義ファイルを更新しても,更新された内容は有効になりません。このため,HTM - Agent for RAIDを再起動して,格納または更新した論理デバイス定義ファイルを有効にしてください。
- 注意
- クラスタシステムで運用している場合は,クラスタソフトからHTM - Agent for RAIDを再起動してください。クラスタソフトの操作以外でjpcspm start(jpcstart)コマンドやjpcspm stop(jpcstop)コマンドなどを直接実行してHTM - Agent for RAIDを起動や停止をした場合,クラスタソフトが管理するHTM - Agent for RAIDの状態と実際のHTM - Agent for RAIDの状態が異なり,クラスタソフトが誤って障害と判定するなどの問題が発生します。
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