Tuning Manager - Agents

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E.1 パフォーマンスデータの収集タイミングを変更する

ここでは,HTM - Agent for RAIDのパフォーマンスデータの収集タイミングを変更する方法について説明します。HTM - Agent for RAIDやストレージシステムの性能を維持するために,パフォーマンスデータの収集タイミングを変更してください。パフォーマンスデータの収集間隔を広くすると,HTM - Agent for RAIDやストレージシステムに掛かる負荷が軽減されます。

HTM - Agent for RAIDのパフォーマンスデータの収集タイミングを変更する方法は,パフォーマンスデータの性質によって異なります。HTM - Agent for RAIDのパフォーマンスデータは,性能情報と構成情報に大別できます。

性能情報の収集タイミングを変更する場合
性能情報は,PIレコードタイプのレコードに格納されます。性能情報の収集タイミングを変更するためには,jpcasrec outputコマンドおよびjpcasrec updateコマンドを使用して,PIレコードタイプのレコードのCollection Intervalの値を変更します。GUIで性能情報の収集タイミングを変更する方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager ユーザーズガイド」を参照してください。
jpcasrec outputコマンドおよびjpcasrec updateコマンドの詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager 運用管理ガイド」を参照してください。また,変更できる値は,レコードごとに定義されています。変更できる値については「17.7 HTM - Agent for RAIDのレコード」および「17.8 HTM - Agent for RAIDのレコード(TCP/IP接続を使用しての収集)」を参照してください。

構成情報の収集タイミングを変更する場合
構成情報は,PDレコードタイプのレコードに格納されます。しかしHTM - Agent for RAIDの場合,PDレコードタイプのレコードのCollection Intervalの値は変更できません。構成情報の収集タイミングを変更するためには,HTM - Agent for RAIDが提供する収集時刻定義ファイルまたはコマンドを使用します。
収集時刻定義ファイルとコマンドは,目的に応じて使い分けてください。
  • 収集時刻定義ファイル
    ボリュームマイグレーションなど定期的に実施される構成変更に対応します。
  • コマンド
    ドライブの追加など不定期に実施される構成変更に対応します。
2つの手段を併用すると,HTM - Agent for RAIDを柔軟に運用できます。

次項では,構成情報の収集タイミングを変更する方法について説明します。

この節の構成
E.1.1 収集時刻定義ファイルに定義したタイミングで構成情報を収集する
E.1.2 コマンドを実行したタイミングで構成情報を収集する

E.1.1 収集時刻定義ファイルに定義したタイミングで構成情報を収集する

収集時刻定義ファイル(conf_refresh_times.ini)に構成情報の収集時刻を定義しておくと,定義したタイミングでストレージシステムの構成情報を収集できます。また,構成情報の収集に時間が掛かる環境でも,同じタイミングで実施する性能情報の収集が保証されます。

収集時刻定義ファイルに定義したタイミングで構成情報を収集できるレコードを次に示します。次に示すレコード以外のPDレコードタイプのレコードでは,収集時刻定義ファイルが有効になっていても,Collection Intervalに基づいて構成情報が収集されます。

注※
監視対象ストレージシステムがHUS100シリーズの場合だけ,該当します。

デフォルトの設定では,収集時刻定義ファイルに収集時刻を定義できる構成情報は,毎時00分に収集が開始されます。収集された構成情報は,同じタイミングで生成されるPDレコードタイプのレコードに格納されます。

収集時刻定義ファイルの定義内容を有効にすると,毎時00分の構成情報の収集が停止され,収集時刻定義ファイルに定義された時刻にだけ構成情報が収集されます。収集された構成情報は,次に構成情報が収集されるまで,毎時00分に生成されるPDレコードタイプのレコードや,リアルタイムレポートに反映されます。

PDレコードタイプのレコードに格納されている構成情報が収集された時刻は,各レコードのCollection Time(COLLECTION_TIME)フィールドの値で確認してください。

(例)
1日2回00時00分と12時00分に構成情報を収集するように定義した場合でも,その構成情報の格納先であるPDレコードタイプのレコードは,毎時00分に生成されます。00時00分の情報収集以降,12時00分の情報収集までに生成されるレコードには,00時00分に収集した構成情報が反映されます。同じ時間帯に表示するリアルタイムレポートにも同様に,00時00分に収集した構成情報が反映されます。

また,デフォルトの設定では,構成情報の収集に1分以上の時間が掛かると,同じ時間帯に実施される性能情報の収集がスキップされることがあります。収集時刻定義ファイルを使用すると,構成情報の収集に1分以上の時間が掛かる環境でも,性能情報の収集がスキップされなくなります。

注意
  • 構成情報の収集タイミングを変更すると,PIレコードタイプのレコードの生成結果にも影響があります。複数インスタンスレコードのインスタンスやLogical Device Aggregation(PI_LDA)レコードで集約の対象になる論理デバイスが増減するタイミングは,構成情報の収集タイミングと同期します。
    注※ VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USPまたはH12000/H10000を監視する場合,CLPR Summary(PI_CLPS)レコードは対象外になります。
  • 実際に構成情報が収集される時刻が,収集時刻定義ファイルに定義した時刻と異なる場合があります。
    構成情報の収集は,Collection Intervalに基づく定期的な情報収集のタイミングに合わせて実施されます。収集時刻定義ファイルに定義した時刻にCollection Intervalに基づく定期的な情報収集が発生しなかった場合,構成情報は,定義された時刻以降最も近い時刻に発生する定期的な情報収集のタイミングで収集されます。
    例えば,最小のCollection Intervalの値が300(5分)に設定されている環境で,12時02分に構成情報を収集するように定義した場合,構成情報は,12時05分に性能情報が収集されるタイミングで同時に収集されます。

(1) 収集時刻定義ファイルを作成する

収集時刻定義ファイル(conf_refresh_times.ini)は,インスタンス環境を設定したあと,HTM - Agent for RAIDを起動する前に作成します。作成する単位は,インスタンス単位です。

収集時刻定義ファイルの格納先ディレクトリを次に示します。収集時刻定義ファイルを作成するときは,同じディレクトリに格納されているサンプルファイル(conf_refresh_times.ini.sample)をコピーしてお使いください。

Windowsの場合
物理ホスト環境:インストール先フォルダ\agtd\agent\インスタンス名\
論理ホスト環境:環境ディレクトリ\jp1pc\agtd\agent\インスタンス名\

UNIXの場合
物理ホスト環境:/opt/jp1pc/agtd/agent/インスタンス名/
論理ホスト環境:環境ディレクトリ/jp1pc/agtd/agent/インスタンス名/

収集時刻定義ファイルには,ストレージシステムの構成情報を収集したい時刻を「hh:mm」の書式で記述します。

収集時刻定義ファイルの記述規則
  • hh:mm」はすべて半角文字で記述します。
  • hh」は時間,「mm」は分を示します。どちらも必ず2桁で記述します。
  • 時刻は24時間表記(00:00~23:59)で記述します。
  • 1行に定義できる時刻は1つです。
  • 収集時刻定義ファイルに定義できる時刻の数は48です。
  • 各行の6文字目以降は無視されます。
  • 半角文字のシャープ「#」で始まる行は,コメントとして扱われます。

注意
  • 規則に従って記述されていない行は無効になります。
  • 収集時刻定義ファイルに有効な行が1行も存在しない場合でも,収集時刻定義ファイルの定義は有効になります。この場合,HTM - Agent for RAIDの起動時に一度だけ構成情報が収集されます。起動時の収集以降は,構成情報を収集しません。
  • 終端文字を含めて1,024バイト以上の長さの行が存在する場合,収集時刻定義ファイルの定義は無効になります。

収集時刻定義ファイルの記述例
#USP S/N: 14053
02:30    #for Volume Migration 1
04:30    #for Volume Migration 2

(2) 収集時刻定義ファイルの定義を有効にする

収集時刻定義ファイルを作成し,指定されたディレクトリに格納したあと,HTM - Agent for RAIDを起動します。共通メッセージログに出力されるメッセージを見て,収集時刻定義ファイルの定義が有効になっているかどうかを確認してください。

なお,HTM - Agent for RAIDの起動中または起動後に収集時刻定義ファイルを指定されたディレクトリに格納しても,収集時刻定義ファイルの定義は有効になりません。また,HTM - Agent for RAIDの起動中に収集時刻定義ファイルを更新しても,更新された内容は有効になりません。

E.1.2 コマンドを実行したタイミングで構成情報を収集する

jpctdrefreshコマンドを実行すると,コマンドを実行したタイミングで随時,ストレージシステムの構成情報を収集できます。jpctdrefreshコマンドの詳細については,「18.2.15 jpctdrefresh」を参照してください。

構成情報を定期的に収集する必要がない環境でHTM - Agent for RAIDを運用する場合,次に示す方法で構成情報を収集すると,HTM - Agent for RAIDやストレージシステムに掛かる負荷が軽減されます。

  1. 毎時00分に実施される定期的な構成情報の収集を停止する。
  2. ストレージシステムの構成が変更されたときだけjpctdrefreshコマンドを実行して構成情報を収集する。

毎時00分の構成情報の収集を停止するためには,空の収集時刻定義ファイル(conf_refresh_times.ini)を作成して指定されたディレクトリに配置したあと,HTM - Agent for RAIDを再起動します。収集時刻定義ファイルの作成方法については,「E.1.1 収集時刻定義ファイルに定義したタイミングで構成情報を収集する」を参照してください。

注意
実際に構成情報が収集される時刻が,jpctdrefreshコマンドを実行した時刻と異なる場合があります。
構成情報の収集は,Collection Intervalに基づく定期的な情報収集のタイミングに合わせて実施されます。jpctdrefreshコマンドを実行した時刻にCollection Intervalに基づく定期的な情報収集が発生しなかった場合,構成情報は,jpctdrefreshコマンドが実行された時刻以降,最も近い時刻に発生する定期的な情報収集のタイミングで収集されます。
例えば,最小のCollection Intervalの値が300(5分)に設定されている環境で,12時02分にjpctdrefreshコマンドを実行した場合,構成情報は,12時05分に性能情報が収集されるタイミングで同時に収集されます。

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