Tuning Manager - Agents
累積値として管理されている情報を取得元とするフィールドのパフォーマンスデータを変化量で表すことを「デルタ」と呼びます。例えば,I/O回数のカウンタを取得元とするフィールドの場合,1回目に収集したときのカウンタの値が「3」,2回目に収集したときのカウンタの値が「7」とすると,2回目のデータ収集時に出力するフィールドの値は,デルタではない場合は,2回目のカウンタ値の「7」,デルタの場合は,2回目と1回目のカウンタ値の差分である「4」となります。
HTM - Agentsで収集されるパフォーマンスデータは,「表17-6 リアルタイムレポートで[デルタ値で表示]にチェックあり※の場合,履歴レポートの場合,およびアラームの場合のフィールドの値」および「表17-7 リアルタイムレポートで[デルタ値で表示]にチェックなし※の場合のフィールドの値」に示すように異なります。
表17-6 リアルタイムレポートで[デルタ値で表示]にチェックあり※の場合,履歴レポートの場合,およびアラームの場合のフィールドの値
レコードタイプ デルタ データソース データソース欄にデルタ=Yesのフィールドがあるか 表示される値またはアラーム監視で評価される値 PIレコードタイプ Yes なし - 変化量 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果の変化量 あり 変化量を基に計算した結果 No なし - 収集時点の値 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果 あり 変化量を基に計算した結果 PDレコードタイプ No なし - 収集時点の値 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果 あり
- (凡例)
- -:該当しない
- 注※
- 次に示すPerformance Reporterのダイアログボックスの項目でチェックされていることを示します。
- レポートウィザードの[編集 > 表示設定(リアルタイムレポート)]画面の[デルタ値で表示]
- レポートウィンドウの[Properties]タブの[表示設定(リアルタイムレポート)]の[デルタ値で表示]
- HTM - Agent for RAIDの場合
PDレコードタイプで「デルタ=Yes」として定義されるパフォーマンスデータ,およびPIレコードタイプで「デルタ=Yes,データソース=あり,デルタがYesのフィールド=なし」として定義されるパフォーマンスデータはありません。- HTM - Storage Mapping Agentの場合
PIレコードタイプのレコードはありません。また,PDレコードタイプで「デルタ=Yes」として定義されるパフォーマンスデータはありません。- HTM - Agent for NASの場合
PDレコードタイプおよびPIレコードタイプで「デルタ=Yes」として定義されるパフォーマンスデータはありません。表17-7 リアルタイムレポートで[デルタ値で表示]にチェックなし※の場合のフィールドの値
レコードタイプ デルタ データソース データソース欄にデルタ=Yesのフィールドがあるか 表示される値 PIレコードタイプ Yes なし - 収集時点の値 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果 あり No なし - 収集時点の値 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果 あり PDレコードタイプ No なし - 収集時点の値 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果 あり
- (凡例)
- -:該当しない
- 注※
- 次に示すPerformance Reporterのダイアログボックスの項目でチェックされていないことを示します。
- レポートウィザードの[編集 > 表示設定(リアルタイムレポート)]画面の[デルタ値で表示]
- レポートウィンドウの[Properties]タブの[表示設定(リアルタイムレポート)]の[デルタ値で表示]
- HTM - Agent for RAIDの場合
PDレコードタイプで「デルタ=Yes」として定義されるパフォーマンスデータ,およびPIレコードタイプで「デルタ=Yes,データソース=あり,デルタがYesのフィールド=なし」として定義されるパフォーマンスデータはありません。- HTM - Storage Mapping Agentの場合
PIレコードタイプのレコードはありません。また,PDレコードタイプで「デルタ=Yes」として定義されるパフォーマンスデータはありません。- HTM - Agent for NASの場合
PDレコードタイプおよびPIレコードタイプで「デルタ=Yes」として定義されるパフォーマンスデータはありません。パフォーマンスデータが収集される際の注意事項を次に示します。
- PIレコードタイプのレコードの履歴データには,前回の収集データとの差分を必要とするデータ(デルタ値など)が含まれているため,2回以上のデータの収集が必要になります。このため,Agentサービスを起動した時点またはPerformance ReporterでCollection Intervalを設定した時点から履歴データがPerformanceデータベースに格納されるまでには,Collection Intervalに設定した時間の最大2倍の時間が掛かります。
例えば,パフォーマンスデータの収集間隔が300秒(5分)に設定されたAgentを18:32に起動した場合,最初のデータ収集は18:35に実行されますが,差分計算の対象となるデータが存在しないため,この時点ではPerformanceデータベースに格納されるレコードは生成されません。次の18:40に実行されるデータ収集で,18:35と18:40に収集されたデータを基に履歴データが作成され,Performanceデータベースに格納されます。- リアルタイムレポートには,最初にデータが収集されたときから値が表示されます。ただし,前回のデータを必要とするレポートの場合,初回の値は0で表示されます。2回目以降のデータ収集は,レポートによって動作が異なります。
- PFM - Agentがインストールされたマシンの時刻を変更する場合,収集されるパフォーマンスデータは次のとおりになります。
なお,Tuning Manager serverまたはAgentをインストールしたあとのマシンの時刻の変更手順については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager 運用管理ガイド」を参照してください。
- マシンの時刻を,PFM - Agentがパフォーマンスデータを収集した最終時刻より前の時刻に変更する場合
変更後の時刻からパフォーマンスデータを収集した最終時刻までのパフォーマンスデータは上書きされます。- マシンの時刻を,現在時刻よりも未来の時刻に変更する場合
変更前の時刻から変更後の時刻までのパフォーマンスデータは収集されません。
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