Tuning Manager インストールガイド

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A.5 カーネルパラメーターおよびシェル制限の設定方法（Linuxの場合）

Tuning Manager serverをインストールする前に，Linuxのカーネルパラメーターおよびシェル制限に適切な値を設定する必要があります。カーネルパラメーターおよびシェル制限の値は，次のファイルに設定してください。

Linux 6の場合

カーネルパラメーターの値
/etc/sysctl.confファイル

シェル制限の値
・/etc/security/limits.confファイル
・/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイル

Linux 7の場合

カーネルパラメーターの値
/etc/sysctl.confファイル

シェル制限の値
・/etc/security/limits.confファイル
・/etc/security/limits.d/20-nproc.confファイル

カーネルパラメーターおよびシェル制限の値が適切に設定されていないと，インストールに失敗します。

次の手順に従って，カーネルパラメーターおよびシェル制限の値を設定してください。なお，カーネルパラメーターおよびシェル制限の値の確認および設定は，rootユーザーで実施します。

  1. カーネルパラメーターおよびシェル制限の値のバックアップを取得します。
    カーネルパラメーターおよびシェル制限を設定する前に，次のファイルのバックアップを取得してください。

    Linux 6の場合
    ・/etc/sysctl.confファイル
    ・/etc/security/limits.confファイル
    ・/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイル

    Linux 7の場合
    ・/etc/sysctl.confファイル
    ・/etc/security/limits.confファイル
    ・/etc/security/limits.d/20-nproc.confファイル

  2. /etc/sysctl.confファイルに設定する各カーネルパラメーターの値を算出します。
    カーネルパラメーターの値は，「表A-3 Linux の/etc/sysctl.confファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値」を参照して，次の計算式に従い算出してください。計算式の“Max｛x，y，z｝”は，x，y，zの中で最も大きい値を選択するという意味です。

    kernel.shmmaxの場合：
    カーネルパラメーターの設定値 = Max { Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } , <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>, <HiRDBの推奨値> }

    kernel.shmallの場合：
    カーネルパラメーターの設定値 = Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値> + <HiRDBの推奨値>

    上記以外の場合：
    カーネルパラメーターの設定値 = Max { Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>, <HiRDBの推奨値> }

    注意
    各カーネルパラメーターの最大値は，OSが規定する最大値を超えないようにしてください。

  3. 次のファイルに設定する各シェル制限の値を算出します。

    Linux 6の場合
    ・/etc/security/limits.confファイル
    ・/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイル

    Linux 7の場合
    ・/etc/security/limits.confファイル
    ・/etc/security/limits.d/20-nproc.confファイル
    シェル制限は，softとhardの両方に値を設定してください。このとき，softの値は，hardの値以下に設定する必要があります。
    シェル制限の値は，「表A-4 Linux 6の/etc/security/limits.confファイルに設定するシェル制限の推奨値」，「表A-5 Linux 6の/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイルに設定するシェル制限の推奨値」，「表A-6 Linux 7の/etc/security/limits.confファイルに設定するシェル制限の推奨値」および「表A-7 Linux 7の/etc/security/limits.d/20-nproc.confファイルに設定するシェル制限の推奨値」を参照して，次の計算式に従い算出してください。計算式の“Max｛x，y｝”は，x，yの中で最も大きい値を選択するという意味です。
    シェル制限の設定値 = Max { Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>, <HiRDBの推奨値> }

  4. 算出したカーネルパラメーターの値およびシェル制限の値を設定します。
    /etc/sysctl.confファイル，/etc/security/limits.confファイルおよび/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイルに設定します。

  5. OSを再起動します。

カーネルパラメーターの値およびシェル制限の値を算出するために必要な値を次に示します。

表A-3 Linux の/etc/sysctl.confファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値

カーネルパラメーター (Tuning Manager server v8.5のインストーラーチェック値) OSの初期値 HiRDBの推奨値 共通コンポーネントの推奨値 Tuning Manager server v8.5の推奨値 Device Manager v8.5の推奨値 Tiered Storage Manager v8.5の推奨値 Replication Manager v8.5の推奨値
fs.file-max (183113) 99483 42276 42276 41354 155161 512 512
kernel.threads-max (16558) 16384 576 142 32 162 30 30
kernel.msgmni (2034) 1978 44 44 12 44 0 0
kernel.sem の第4パラメーター (1024) 128 1024 9 12 10 1 1
kernel.sem の第2パラメーター (32080) 32000 7200 80 0 128 50 50
kernel.shmmax (4294967295) 4294967295 200000000 24372224 966656000 613392384 100745216 150000000
kernel.shmmni (4096) 4096 2000 0 0 995 0 0
kernel.shmall (1283257344) 268435456 24372224 23793664 966656000 745348096 147486720 150000000

表A-4 Linux 6の/etc/security/limits.confファイルに設定するシェル制限の推奨値

シェル制限 (Tuning Manager server v8.5のインストーラーチェック値) OSの初期値 HiRDBの推奨値 共通コンポーネントの推奨値 Tuning Manager server v8.5の推奨値 Device Manager v8.5の推奨値 Tiered Storage Manager v8.5の推奨値 Replication Manager v8.5の推奨値
nofile（soft/hard） (8192) 4096 8192 1346 1024 0 0 0

表A-5 Linux 6の/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイルに設定するシェル制限の推奨値

シェル制限 (Tuning Manager server v8.5のインストーラーチェック値) OSの初期値 HiRDBの推奨値 共通コンポーネントの推奨値 Tuning Manager server v8.5の推奨値 Device Manager v8.5の推奨値 Tiered Storage Manager v8.5の推奨値 Replication Manager v8.5の推奨値
nproc（soft/hard） (8422) 8192 512 198 32 1 0 0

表A-6 Linux 7の/etc/security/limits.confファイルに設定するシェル制限の推奨値

シェル制限 (Tuning Manager server v8.5のインストーラーチェック値) OSの初期値 HiRDBの推奨値 共通コンポーネントの推奨値 Tuning Manager server v8.5の推奨値 Device Manager v8.5の推奨値 Tiered Storage Manager v8.5の推奨値 Replication Manager v8.5の推奨値
nofile（soft/hard） (8192) 4096 8192 1346 1024 0 0 0

表A-7 Linux 7の/etc/security/limits.d/20-nproc.confファイルに設定するシェル制限の推奨値

シェル制限 (Tuning Manager server v8.5のインストーラーチェック値) OSの初期値 HiRDBの推奨値 共通コンポーネントの推奨値 Tuning Manager server v8.5の推奨値 Device Manager v8.5の推奨値 Tiered Storage Manager v8.5の推奨値 Replication Manager v8.5の推奨値
nproc（soft/hard） (8422) 8192 512 198 32 1 0 0

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