Tuning Manager 運用管理ガイド

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1.8 ユーザープロパティファイルの設定について

Tuning Manager serverのインストールおよびセットアップのあと,ユーザープロパティファイルの設定が必要な場合があります。ユーザープロパティファイルの設定を変更すれば,Tuning Manager serverの運用に関する設定を変更できます。

ユーザープロパティファイルの格納先を次に示します。

Windowsの場合:
<Tuning Manager serverのインストール先フォルダ>\conf\user.properties

Linuxの場合:
<Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>/conf/user.properties

ユーザープロパティファイルの設定を変更する手順を次に示します。

  1. HiCommand Suite TuningManagerサービスを停止します。
    Tuning Manager serverの停止方法については,「1.7 サービスの停止」を参照してください。
  2. ユーザープロパティファイルを手動でコピーして,バックアップを取得します。
    バックアップしたユーザープロパティファイルをリストアする場合は,HiCommand Suite TuningManagerサービスを停止して,ユーザープロパティファイルの格納先にバックアップしたファイルを上書き保存します。
  3. ユーザープロパティファイルをテキストエディターで開き,次の記述形式で修正します。
    <プロパティ>=<設定値>

    注意
    ・行の先頭に#が指定されている場合,その行はコメントになります。
    ・同一のプロパティ名が複数指定された場合には,最後に記述した設定値が有効になります。
    ・Windows環境でインストール先フォルダを指定する場合,フォルダの区切りに,\ではなく,/を使用してください。
  4. HiCommand Suite TuningManagerサービスを起動します。
    HiCommand Suite TuningManagerサービスの起動方法は,「1.6 サービスの起動」を参照してください。

ユーザープロパティファイルの設定方法については,次の表を参照してください。

表1-4 ユーザープロパティファイルのプロパティ一覧

プロパティ 説明 入力可能文字 デフォルト値
alert.email.from Tuning Manager serverから送信するemailの送信者アドレスを特定するときに指定します。 大文字と小文字は区別します。
半角スペース A-Z a-z 0-9 ` ~ ! " # $ % & ' ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ \※1 ] ^ _ { | }
alert.email.smtpport Tuning Manager serverから送信するemailが使用するSMTPサーバのポート番号です。 1-65535 25
alert.email.subject Tuning Manager serverから送信するemailのSubjectです。 大文字と小文字は区別します。
半角スペース A-Z a-z 0-9 ` ~ ! " # $ % & ' ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ \※1 ] ^ _ { | }
csv.encode.type エクスポートされたCSVファイルで使用する文字コードについて指定します。この設定値を省略すると,デフォルト値とは異なるUTF-8が設定されます。
この設定値は,Main ConsoleのGUIからレポートをエクスポートする場合に適用されます。
大文字と小文字は区別しません。
Shift_JISまたはUTF-8
Shift_JIS
pr.incontextlaunch.mode エージェントを指定してインフォメーションエリア(詳細情報)からPerformance Reporterを起動する場合,メイン画面を表示するか,レポートツリー選択画面を表示するかを指定します。Performance Reporterを起動する方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager ユーザーズガイド」を参照してください。
指定可能な設定値以外を指定した場合,ログファイルにエラーメッセージが出力され,デフォルトが設定されます。
大文字と小文字は区別しません。
main:メイン画面を表示します。
tree:レポートツリー選択画面を表示します。
tree
table.filter.default.unit.datasize フィルタリング機能の条件入力画面に表示するデータサイズの単位を指定します。フィルタリング機能については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager ユーザーズガイド」の,フィルター条件について説明している個所を参照してください。 大文字と小文字は区別しません。
KBMBGBTB,またはPBを入力します。
GB
table.filter.default.unit.transferRate フィルタリング機能の条件入力画面で,デフォルトで選択するデータ転送率の単位を指定します。データ転送率の単位は,「KB/sec」,「MB/sec」,「GB/sec」,「TB/sec」,または「PB/sec」です。このプロパティの設定値では「/sec」を省略しています。 大文字と小文字は区別しません。
KBMBGBTB,またはPBを入力します。
GB
portNumberCLI 報告系コマンドがHBase 64 Storage Mgmt Web Serviceにアクセスする際に使用するポート番号です。 1-65535 22015
poller.offset ポーリングスケジュールの開始時刻に適用するオフセット値を指定します(単位:分)。設定した値だけ,開始時刻があとにずれます。 0-59 15
dbvup.workDir データベースがバージョンアップされる場合,一時的に利用する作業用ディレクトリのパス名を絶対パスで指定します。指定する作業用ディレクトリは,空のディレクトリである必要があります。
作業用ディレクトリの容量の見積もりについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager インストールガイド」のアップグレードインストールの準備について説明している個所を参照してください。
詳細については,「表1-5 dbvup.workDirプロパティの指定可能値について」を参照してください。

Windowsの場合
<Tuning Manager serverのインストール先フォルダ>\system\work

Linuxの場合
<Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>/system/work
userData.cleanup.enable ユーザーデータのクリーンナップの有効または無効を指定します。
ユーザーデータのクリーンナップでは,所有者がユーザー管理に存在しないレポートウィンドウおよび履歴チャートの情報の検出と削除が定期的に実行されます。ただし,共有する設定にした履歴チャートの情報は削除されません。
大文字と小文字は区別しません。
true:Tuning Manager serverのサービスの起動時,およびTuning Manager serverのサービスの起動後24時間ごとに,ユーザーデータのクリーンナップを実施します。
false:ユーザーデータのクリーンナップを実施しません。
true
rpt.flashmode 履歴レポートおよび予測レポートのチャートの表示形式を指定します。デスクトップアプリケーションのGUI(Adobe AIR環境で動作する GUI)を使用する場合,falseを指定してください。 大文字と小文字は区別しません。
true:チャートをAdobe Flash Playerで表示します。
false:チャートを画像(PNG形式)で表示します。
false
rpt.printView.fullsize チャートの印刷形式の表示サイズを指定します。 大文字と小文字は区別しません。
true:チャートをフルサイズ表示します。
false:チャートをサムネイル表示します。
true
rpt.antialiasing 画像(PNG形式)で表示するチャートのアンチエイリアスの有効または無効を指定します。 大文字と小文字は区別しません。
true:アンチエイリアスを有効にします。
false:アンチエイリアスを無効にします。
true
cli.workDir htm-hostgroupsコマンドの実行時に出力される一時ファイルの出力先ディレクトリを指定します。 詳細については,「表1-6 cli.workDirプロパティの指定可能値について」を参照してください。

Windowsの場合
<Tuning Manager serverのインストール先フォルダ>\system\work

Linuxの場合
<Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>/system/work
rest.discovery.agent.interval Tuning Manager APIを利用してパフォーマンスデータを取得するために必要なエージェント情報を定期リフレッシュする実行間隔(時間単位)を指定します。
0を指定すると,定期リフレッシュは実行されません。
リフレッシュするエージェント情報についての詳細は,「6.2.9 Tuning Manager API利用時に実施するエージェント情報のリフレッシュ」を参照してください。
0-2147483647 24
rest.discovery.agent.global.primary.enabled 全ホスト共通の検出方法(プライマリ)の有効または無効を指定します。 大文字と小文字は区別しません。
true:全ホスト共通の検出方法(プライマリ)を有効にします。
false:全ホスト共通の検出方法(プライマリ)を無効にします。
true
rest.discovery.agent.global.primary.protocol Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントのHTTP I/F情報検出時にURLパラメータを生成する際のプロトコル(プライマリ)を指定します。設定単位は全ホスト共通です。 大文字と小文字は区別しません。
httpまたはhttps
https
rest.discovery.agent.global.primary.port Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントのHTTP I/F情報検出時にURLパラメータを生成する際のポート番号(プライマリ)を指定します。設定単位は全ホスト共通です。 0-65535 24222
rest.discovery.agent.global.secondary.enabled 全ホスト共通の検出方法(セカンダリ)の有効または無効を指定します。 大文字と小文字は区別しません。
true:全ホスト共通の検出方法(セカンダリ)を有効にします。
false:全ホスト共通の検出方法(セカンダリ)を無効にします。
true
rest.discovery.agent.global.secondary.protocol Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントのHTTP I/F情報検出時にURLパラメータを生成する際のプロトコル(セカンダリ)を指定します。設定単位は全ホスト共通です。 大文字と小文字は区別しません。
httpまたはhttps
http
rest.discovery.agent.global.secondary.port Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントのHTTP I/F情報検出時にURLパラメータを生成する際のポート番号(セカンダリ)を指定します。設定単位は全ホストです。 0-65535 24221
rest.discovery.agent.host.<HostName>※2.host jpchostsファイルで名前解決していて,かつTuning Manager APIの利用を有効化する場合,Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントのHTTP I/F情報検出時にURLパラメータを生成する際のIPアドレスまたは,IPアドレスが解決できるエージェントのホスト名※3を指定します。設定単位はホストごとです。※4 大文字と小文字は区別します。
IPv4のアドレス形式または,IPアドレスが解決できるエージェントのホスト名
rest.discovery.agent.host.<HostName>※2.protocol jpchostsファイルで名前解決していて,かつTuning Manager APIの利用を有効化する場合,Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントのHTTP I/F情報検出時にURLパラメータを生成する際のプロトコルを指定します。設定単位はホストごとです。 大文字と小文字は区別しません。
httpまたはhttps
https
rest.discovery.agent.host.<HostName>※2.port jpchostsファイルで名前解決していて,かつTuning Manager APIの利用を有効化する場合,Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントのHTTP I/F情報検出時にURLパラメータを生成する際のポート番号を指定します。設定単位はホストごとです。 0-65535 24222
rest.discovery.agent.use.cipher.type Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントへアクセスするときに使用する暗号方式を指定します。 大文字と小文字は区別しません。
SUITEB128:楕円曲線暗号(ECC)を利用するときに設定します。Oracle JDKを使用する場合はこちらを設定してください。
SUITEB192:楕円曲線暗号(ECC)を利用するときに設定します。
RSA:RSA暗号を利用するときに設定します。
RSA

(凡例)
-:該当なし

注※1
\を文字として使用する場合は,\\と記述してください。

注※2
<HostName>には,Tuning Manager APIを利用して取得したいパフォーマンスデータのインスタンスがあるエージェントのホスト名(jpctool service listjpcctrl list)コマンドで表示されるHost Name)を指定してください。

注※3
IPアドレスが解決できるホスト名には,jpchostsファイルだけで設定したホスト名は使用できません。

注※4
次に示すとおりに指定しない場合,Tuning Manager APIが正しく動作しないおそれがあります。
<HostName>のホスト名でIPアドレス解決できる場合:
  • SSL通信のとき:
    ・<HostName>のホスト名がSSL証明書作成時のCN(Common Name)と一致するならば,このプロパティの値は省略できます。
    ・<HostName>のホスト名がSSL証明書作成時のCNと一致しないならば,SSL証明書作成時のCNに指定しているホスト名を指定してください。
  • 非SSL通信のとき:
    このプロパティの値は省略できます。ただし,Tuning Manager serverとエージェントが2つ以上のネットワークで接続していて,特定のネットワークだけでアクセスしたい場合には,IPアドレスを指定してください。
<HostName>のホスト名でIPアドレス解決できない場合:
  • SSL通信のとき:
    SSL証明書作成時のCNに指定しているホスト名を指定してください。
  • 非SSL通信のとき:
    IPアドレスを指定してください。

表1-5 dbvup.workDirプロパティの指定可能値について

項目 指定可能値
使用可能文字 使用できる文字を次に示します。

Windows の場合
半角スペース A-Z a-z 0-9 _ . ( )
このほかにパスの区切り文字として円記号(\※1)およびコロン(:)を指定できます。
注意:通常使用できるパス名の引用符(")での囲みは,使用できません。

Linux の場合
A-Z a-z 0-9 _
このほかにパスの区切り文字としてスラント(/)を指定できます。
パス名の長さ 128バイト以内のパス名で指定します。
ルート指定 次のルートは使用できません。

Windows の場合
<ドライブ>:\\

Linux の場合
/
ディレクトリの存在 存在し,かつ空のディレクトリを指定します。指定するパス名の英字についての注意点を次に示します。

Windows の場合
大文字・小文字を区別しません。

Linux の場合
大文字・小文字を区別します。
ネットワークドライブ ネットワークドライブは指定できません。
シンボリックリンク シンボリックリンクは指定できません。
アクセス権 指定したパスには,次に示すアクセス権の付与が必要です。

Windows の場合
SYSTEMユーザー※2に対して,read権限,write権限および実行権限が必要です。

Linux の場合
rootユーザーに対して,read権限,write権限および実行権限が必要です。

注※1
\を区切り文字として使用する場合は,\\と記述してください。

注※2
SYSTEMユーザーとは,Tuning Manager serverのサービスプロセスを実行するユーザーです。Administratorsグループに所属するユーザーと同等の権限を持ちますが,Administratorsグループに所属していないため,個別に権限を付与する必要があります。

表1-6 cli.workDirプロパティの指定可能値について

項目 指定可能値
使用可能文字 使用できる文字を次に示します。

Windows の場合
半角スペース A-Z a-z 0-9 ! # $ % & ' ( ) + , - . ; = @ [ ] ^ _ ` { } ~
このほかにパスの区切り文字として円記号(\)およびコロン(:)を指定できます。
注意:通常使用できるパス名の引用符(")での囲みは,使用できません。

Linux の場合
半角スペース A-Z a-z 0-9 ! " # $ % & ' ( ) * + , - . : ; < = > ? @ [ \ ] ^ _ ` { | } ~
このほかにパスの区切り文字としてスラント(/)を指定できます。
パス名の長さ 128バイト以内のパス名で指定します。
ルート指定 次のルートは使用できません。

Windows の場合
<ドライブ>:\\

Linux の場合
/
ディレクトリの存在 存在するディレクトリの絶対パスを指定します。
  • 一時ファイルの出力先に<Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>直下は指定しないでください。
  • 一時ファイル出力先ディレクトリにほかのファイルを配置しないでください。
  • サービスの起動中にプロパティの設定値を変更しないでください。
  • 一時ファイル出力先ディレクトリをデフォルトから変更した場合,Tuning Manager serverのアンインストール時に,一時ファイル出力先ディレクトリは自動で削除されません。手動で削除してください。
  • 指定するパス名の英字についての注意点を次に示します。

    Windows の場合
    大文字・小文字を区別しません。

    Linux の場合
    大文字・小文字を区別します。
ネットワークドライブ ネットワークドライブは指定できません。
シンボリックリンク シンボリックリンクは指定できません。
アクセス権 指定したパスには,次に示すアクセス権の付与が必要です。

Windows の場合
Administratorユーザーに対して,フルコントロールのアクセス権が必要です。

Linux の場合
rootユーザーに対して,read権限,write権限および実行権限が必要です。

注※
\を区切り文字として使用する場合は,\\と記述してください。

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