Hitachi Command Suite システム構成ガイド

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F.1 コピーペア定義の移行とは

構成定義ファイルで管理されているコピーペア定義を,ストレージシステム上のデバイスグループ定義に移行します。

構成定義ファイルを利用してコピーペアを管理している場合,ペア管理サーバ上にある構成定義ファイルの情報が消失したり,ペア管理サーバが使用できなくなったりして,コピーペアを管理できなくなるおそれがあります。この状況を回避するには,構成定義ファイルにコピーペアを定義するのではなく,ストレージシステム上でコピーペアの実体と定義とを一元管理することが必要です。デバイスグループを用いたコピーペア定義により,ストレージシステム上にコピーペア定義を持たせられます。

Device Manager ,Replication ManagerまたはRAID Managerを利用していたユーザーが,デバイスグループを用いてコピーペアを管理しているHitachi Command Suite REST APIを利用したい場合,コピーペア定義をデバイスグループ定義に移行する必要があります。

コピーペア定義をデバイスグループ定義に移行するには,構成定義ファイルが格納されているペア管理サーバでペア定義移行コマンド(PairCfgMigration)を実行します。ペア定義移行コマンドを実行すると,移行元の構成定義ファイルからコピーペア情報を取得し,ストレージシステム上にデバイスグループおよびコピーグループを作成します。

移行後のデバイスグループ定義のコピーグループを操作するために,HORCM_LDEVGを記載した構成定義ファイルも作成できます。

ペア定義を移行する場合のシステム構成例を次に示します。

図F-1 ペア定義を移行する場合のシステム構成例

[図]

デバイスグループ名は,ペア定義移行コマンドの実行時に指定したプレフィックスによって決まります。移行後のコピーグループ名は,移行前の構成定義ファイルで定義されたコピーグループ名と同じです。

移行後の構成を次に示します。

表F-1 デバイスグループ定義への移行後の構成

移行対象のコピーペア種別 移行後の構成
ShadowImage

デバイスグループ
ペア管理サーバ上にP-VOL用,S-VOL用両方の構成定義ファイルがある場合,P-VOL用,S-VOL用のデバイスグループが1つずつ作成されます。
ペア管理サーバ上にP-VOL用の構成定義ファイルだけがある場合,P-VOL用,S-VOL用のデバイスグループが1つずつ作成されます。S-VOL用の構成定義ファイルがある別のペア管理サーバでペア定義移行コマンドを実行する必要はありません。

コピーグループ
1つのコピーグループ定義に対して,1つのコピーグループが作成されます。
TrueCopy
Universal Replicator
High Availability Manager
global-active device

デバイスグループ
ペア管理サーバ上にP-VOL用,S-VOL用両方の構成定義ファイルがある場合,正側のストレージシステムにP-VOL用のデバイスグループが1つ,副側のストレージシステムにS-VOL用のデバイスグループが1つ作成されます。
ペア管理サーバ上にP-VOL用(またはS-VOL用)の構成定義ファイルだけがある場合,正側(または副側)のストレージシステムにP-VOL用(またはS-VOL用)のデバイスグループが1つ作成されます。S-VOL用(またはP-VOL用)の構成定義ファイルがある別のペア管理サーバでも,ペア定義移行コマンドを実行してください。

コピーグループ
1つのコピーグループ定義に対して,正側のストレージシステムにP-VOL用のコピーグループが1つ,副側のストレージシステムにS-VOL用のコピーグループが1つ作成されます。
注意
コピーペア定義をデバイスグループ定義へ移行する場合,次の点に注意してください。
  • Replication Managerでは,ペア定義移行コマンドの実行時に再作成したデバイスグループによる構成定義ファイルを利用してコピーペアを操作または参照できますが,コピーペアを作成できなくなります。
  • [レプリケーション]タブまたはDevice Manager CLIでは,コピーペアを管理できなくなります。

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