Hitachi Command Suite インストールガイド

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5.4 非クラスタ環境からクラスタ環境に移行する(Windowsの場合)

Hitachi Command Suite製品の運用を開始したあとで,非クラスタ環境からクラスタ環境に移行する場合,次の手順を実施してください。ここでは,すでに運用中のDevice Managerサーバ,Tiered Storage ManagerサーバおよびReplication Managerサーバがインストールされたマシンを実行系ノードとする場合を想定して説明します。

注意
  • Hitachi Command Suite製品の設定をカスタマイズして運用している場合,クラスタ環境への移行前にカスタマイズした内容を控えておいてください。クラスタ環境への移行処理中にHitachi Command Suite製品をいったんアンインストールするため,クラスタ環境への移行後にカスタマイズした内容の再設定が必要です。
  • クラスタ環境への移行前に,Tuning Managerをアンインストールしてください。次の手順では,Tuning Managerの一部のデータを移行できません。
  • クラスタ環境のセットアップでは,Hitachi Command Suiteのサービスの停止を伴う操作を実行します。セットアップ中は,Hitachi Command Suiteにアクセスしないでください。
  • REST APIクライアントとREST APIサーバ間で,認証局の署名済みの証明書,または独自に作成した自己署名証明書を使用してSSL通信している場合,クラスタ環境に移行したあともSSL通信をするときは,証明書発行要求のCommon Nameに設定したIPアドレスまたはホスト名を確認してください。Common Nameに設定したIPアドレスまたはホスト名が,クラスタ管理IPアドレスまたは論理ホスト名と異なる場合は,クラスタ環境に移行したあと,次の作業が必要です。
    ・認証局へのサーバ証明書の再申請
    ・実行系および待機系の各ノードでのSSL通信の設定
    各操作の詳細は,マニュアル「Hitachi Command Suite Configuration Manager REST API リファレンスガイド」を参照してください。

操作手順

  1. 次のコマンドを実行して,Hitachi Command Suite製品のデータベースを一括でエクスポートします。
    Hitachi Command Suiteのインストール先\Base64\bin\hcmds64dbtrans /export /workpath 作業用フォルダ /file アーカイブファイル /auto

    workpath
    データベース情報を一時的に配置するための作業用フォルダを絶対パスで指定します。ローカルディスクのフォルダを指定してください。workpathオプションに指定するフォルダの下には,ファイルおよびサブフォルダがないことを確認してください。

    file
    出力されるアーカイブファイルの名称を絶対パスで指定します。

    auto
    Hitachi Command Suite製品のサービスを自動的に起動/停止するオプションです。
  2. REST APIを使用する場合は,次の操作を実施します。
    各操作の詳細は,マニュアル「Hitachi Command Suite Configuration Manager REST API リファレンスガイド」を参照してください。
    • ストレージシステムの構成変更の通知を利用しているときは,ストレージシステムに登録した構成変更の通知先を削除するAPIを実行する
    • データベースおよび環境設定ファイルをバックアップする
  3. 非クラスタ環境でHiRDBが使用するポート番号をデフォルト(22032/tcp)以外に変更している場合は,ポート番号を控えてください。
  4. Hitachi Command Suiteをアンインストールします。
    ほかのHitachi Command Suite 製品がインストールされている場合は,あわせてアンインストールします。
  5. 実行系ノードにHitachi Command Suiteをインストールします。
    バージョン8.0.0以降のほかのHitachi Command Suite製品をインストールする場合,あわせてインストールします。
  6. 次のコマンドを実行して,Hitachi Command Suite製品のデータベースを一括でインポートします。
    Hitachi Command Suiteのインストール先\Base64\bin\hcmds64dbtrans /import /workpath 作業用フォルダ [/file アーカイブファイル] /type ALL /auto

    workpath
    アーカイブファイルを使用してインポートする場合:
    アーカイブファイルを展開する,ローカルディスクのフォルダを絶対パスで指定します。アーカイブファイルを使用する場合,fileオプションの指定は必須です。workpathオプションに指定するフォルダの下には,ファイルおよびサブフォルダがないことを確認してください。
    アーカイブファイルを使用しないでインポートする場合:
    移行元から転送したデータベース情報を格納したフォルダを指定してください。転送したフォルダ以下のファイル構成は変更しないでください。アーカイブファイルを使用しない場合,fileオプションは指定しないでください。

    file
    移行元サーバから転送したデータベースのアーカイブファイルを,絶対パスで指定します。workpathに指定したフォルダに移行元から転送したデータベース情報が格納されている場合,このオプションを指定する必要はありません。

    type
    原則として,ALLを指定してください。ALLを指定すると,移行先にインストールされているHitachi Command Suite製品のデータベースが自動的に選択され,移行されます。
    管理サーバのプログラム構成の違いなどの理由によって,特定のHitachi Command Suite製品のデータベースしか移行しない場合は,次の表に従って移行対象の製品の名称を指定します。複数の製品を指定する場合,コンマ(,)で区切って指定してください。
    なお,typeオプションを使用してデータベースを移行できるのは,指定したすべての製品のデータベースが,アーカイブファイルまたはworkpathオプションに指定したフォルダにあり,かつ,指定したすべての製品が移行先にインストールされている場合です。条件を満たさない製品が1つでもある場合,移行は実行されません。

    表5-1 データベースを移行する場合のtypeオプションの指定値

    製品 指定値
    Device Manager※1※2 DeviceManager
    Tiered Storage Manager※1 TieredStorageManager
    Replication Manager※2 ReplicationManager
    そのほかの製品 それぞれの製品のマニュアルを参照
    注※1 バージョン7.0以降の環境でエクスポートしたデータベースをインポートする場合は,Tiered Storage Managerのライセンスの有無に関係なく,Device ManagerとTiered Storage Managerのデータベースを必ず両方一緒にインポートしてください。
    注※2 Replication Managerのデータベースをインポートする場合は,Device Managerのデータベースも必ず一緒にインポートしてください。

    auto
    Hitachi Command Suite製品のサービスを自動的に起動/停止するオプションです。
  7. REST APIを使用する場合は,実行系ノードで次の操作を実施します。
    各操作の詳細は,マニュアル「Hitachi Command Suite Configuration Manager REST API リファレンスガイド」を参照してください。
    • REST APIサーバのサービスを停止する
    • 共有ディスク上にREST API用の共有フォルダを作成する
    • データベースファイルを共有フォルダにコピーする
    • REST APIサーバのクラスタ環境を設定する
    • ストレージシステムの構成変更の通知を利用するための任意の文字列を設定する
    • REST APIサーバのサービスを起動する
    • バージョン情報を取得するAPIを実行して,リクエストが適切に処理されることを確認する
    • REST APIサーバのサービスを停止する
    • 実行系ノードのOS起動時にREST APIのサービスが自動的に起動しないように設定を変更する
  8. 待機系ノードにHitachi Command Suiteをインストールします。
    バージョン8.0.0以降のほかのHitachi Command Suite製品をインストールする場合,あわせてインストールします。
  9. 非クラスタ環境でHiRDBが使用するポート番号をデフォルト(22032/tcp)以外に変更していた場合は,手順2で控えたポート番号と同じ番号を,実行系および待機系の両方で再設定します。
  10. 非クラスタ環境で運用していた時にTuning Managerとリモート接続していた場合は,必要に応じて,Tuning Managerのサービスを起動したあと,Tuning Managerと連携するための設定を再度実施します。
  11. REST APIを使用する場合は,待機系ノードで次の操作を実施します。
    各操作の詳細は,マニュアル「Hitachi Command Suite Configuration Manager REST API リファレンスガイド」を参照してください。
    • REST APIサーバのサービスを停止する
    • 実行系ノードでバックアップしたデータベースファイルおよび環境設定ファイルを,待機系ノードでリストアする
    • 次に示す実行系ノードの環境設定ファイルを待機系ノードに上書きする
      StartupV.propertiesファイル
      rabbitmq-env-conf.batファイル
      rabbitmq.configファイル
      .erlang.cookieファイル
    • ストレージシステムの構成変更の通知を利用するための文字列を設定する
    • REST APIサーバのサービスを起動する
    • バージョン情報を取得するAPIを実行して,リクエストが適切に処理されることを確認する
    • REST APIサーバのサービスを停止する
    • 待機系ノードのOS起動時にREST APIのサービスが自動的に起動しないように設定を変更する
    • REST APIのサービスの起動停止を制御するためのスクリプトをクラスタ管理アプリケーションに登録する
  12. クラスタ環境での運用を開始します。
    詳細は,クラスタ環境での運用の開始手順について記載されている個所を参照してください。

関連タスク

関連参照

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