Hitachi Command Suite CLI リファレンスガイド

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4.1.15 AddStorageArray

AddStorageArrayコマンドは,ストレージシステム(SMI-S enabledストレージシステムを含む)を検出し,Device Managerサーバのデータベースにストレージシステムの情報(IPアドレス,ユーザーID,パスワードなど)を登録します。すでに登録されているストレージシステムに対しては,登録された情報を変更し,ストレージシステムの情報を更新(リフレッシュ)します。登録情報を変更する場合,ストレージシステムのタイプ(パラメーターfamily)およびストレージシステムのシリアル番号(パラメーターserialnum)の値以外は,変更できます。

SMI-S enabledストレージシステムを対象とする場合,次の注意が必要です。

重要
  • AddStorageArrayコマンドの実行中に,処理対象のストレージシステムのボリュームを利用しているホストをシャットダウンまたはホストのDevice Managerエージェントを停止しないでください。シャットダウンまたは停止した場合,AddStorageArrayコマンドの処理に時間が掛かることがあります。
  • AddStorageArrayコマンドで,ストレージシステムの情報を登録する際に,パラメーターuseridに指定するユーザーIDは,ほかのストレージシステム管理ツールが使用するユーザーIDとは別のユーザーIDを指定することをお勧めします。
  • AddStorageArrayコマンドの実行結果がエラーとなった場合は,エラーメッセージに従って対処したあとで,再度,AddStorageArrayを実行してください。AddStorageArrayを実行すると,ストレージシステムから取得した情報は複数のトランザクションに分割されてDevice Managerのデータベースに登録されます。このため,処理の途中でエラーが発生すると,Device Managerのデータベース内の構成情報と実際のストレージシステムの構成情報とが不整合となります。データベースが不整合の状態では,対象のストレージシステムに対する以降の操作が制限されることがあります。データベースが不整合となっているかを確認するには,GetStorageArrayコマンドを実行してください。GetStorageArrayコマンドの実行結果のAn instance of StorageArrayの下に表示されるstatusOfDBInconsistency0以外の場合は,データベースが不整合な状態であることを示します。statusOfDBInconsistency0以外の場合については,「5.53 StorageArrayインスタンス」を参照してください。
参考
AddStorageArrayコマンドで登録したVSP 5000シリーズ,VSP Gx00モデルまたはVSP Fx00モデルのストレージシステムは,Device Manager GUIからStorage Navigatorおよびmaintenance utilityを起動できません。これらを起動できるようにするには,Device Manager GUIで同ストレージシステムの[ストレージシステム編集]を実行してください。なお,同[ストレージシステム編集]では,項目の変更は不要です。そのまま実行してください。

VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,Hitachi USP,およびHUS VMの書式

HiCommandCLI [URL] AddStorageArray [オプション]
ipaddress=IPアドレス family=ストレージシステムのファミリー
[displayfamily=ストレージシステムのファミリーの表示名]
[userid=ユーザーID arraypasswd=ユーザーパスワード]
[portnumber=RMIレジストリーサービスのポート番号]
[serialnum=ストレージシステムのシリアル番号]

注※
VSP Gx00モデルおよびVSP Fx00モデルの場合にだけ指定できます。

HUS100,Hitachi AMS2000,およびHitachi SMSの書式

HiCommandCLI [URL] AddStorageArray [オプション]
ipaddress=IPアドレス family=ストレージシステムのファミリー
[displayfamily=ストレージシステムのファミリーの表示名]
[ipaddress2=2番目のIPアドレス]
[userid=ユーザーID arraypasswd=ユーザーパスワード]
[protocol={Non-secure|Secure|Either}]

Hitachi AMS/WMS

HiCommandCLI [URL] AddStorageArray [オプション]
ipaddress=IPアドレス family=ストレージシステムのファミリー
[displayfamily=ストレージシステムのファミリーの表示名]
[ipaddress2=2番目のIPアドレス]
[userid=ユーザーID arraypasswd=ユーザーパスワード]

SMI-S enabledストレージシステムの書式

SMI-S enabledストレージシステムを登録する場合:

HiCommandCLI [URL] AddStorageArray [オプション]
ipaddress={SMI-SプロバイダーのIPアドレス|SMI-Sプロバイダーのホスト名}
family=SMI-S_Enabled displayfamily=SMI-S_Enabled
userid=ユーザーID arraypasswd=ユーザーパスワード
[protocol={Non-secure|Secure}]
[portnumber=SMI-Sプロバイダーサービスのポート番号]

特定のSMI-S enabledストレージシステムの情報を更新する場合:

HiCommandCLI [URL] AddStorageArray [オプション]
ipaddress={SMI-SプロバイダーのIPアドレス|SMI-Sプロバイダーのホスト名}
family=SMI-S_Enabled [displayfamily=SMI-S_Enabled]
[userid=ユーザーID arraypasswd=ユーザーパスワード]
[protocol={Non-secure|Secure}]
[portnumber=SMI-Sプロバイダーサービスのポート番号]
saobjid=SMI-S enabledストレージシステムのオブジェクトID

パラメーター

表4-18 AddStorageArrayコマンドのパラメーター

パラメーター名 指定のレベル 説明
ipaddress※1 必須 IPアドレス

VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,Hitachi USP,およびHUS VMの場合:
ストレージシステムのIPアドレスを指定します。ストレージシステムのポートコントローラーのホスト名(エイリアス名)でも指定できます。
VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,およびHUS VMの場合,IPv6のIPアドレスでも指定できます。

VSP Gx00モデルおよびVSP Fx00モデルの場合:
SVPのIPアドレスを指定します。IPv6のIPアドレスまたはSVPのホスト名(エイリアス名)でも指定できます。
SVPが複数のストレージシステムを管理している場合,パラメーターserialnumを同時に指定する必要があります。

HUS100,Hitachi AMS2000/AMS/WMS,およびHitachi SMSの場合:
ストレージシステムのIPアドレスを指定します。ストレージシステムのポートコントローラーのホスト名(エイリアス名)でも指定できます。

SMI-S enabledストレージシステムの場合:
SMI-SプロバイダーのIPアドレスを指定します。
IPv6のIPアドレスまたはホスト名(エイリアス名)でも指定できます。
family 必須 ストレージシステムのファミリー
displayfamily 必須または任意 ストレージシステムのファミリーの表示名
初期登録時は必須です。
ipaddress2※1 必須または任意
(HUS100
Hitachi AMS2000/AMS/WMS
Hitachi SMS)
ストレージシステムの2番目のIPアドレス
ストレージシステムの2番目のIPアドレスを指定します。ストレージシステムのポートコントローラー2のホスト名(エイリアス名)でも指定できます。パラメーターipaddressと同じ形式で指定します。
HUS100,Hitachi AMS2000/AMS/WMS,またはHitachi SMSでデュアル構成の場合,ストレージシステムの初期登録時または情報更新時に,このパラメーターの指定は必須です。
userid※2 必須または任意 ユーザーID

VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,Hitachi USP,およびHUS VMの場合:
ストレージシステムにアクセスするユーザーIDを指定します。
初期登録時は必須です。情報更新の際,ユーザーIDに変更がなければ省略できます。

HUS100,Hitachi AMS2000/AMS/WMS,およびHitachi SMSの場合:
ストレージシステムにアクセスするユーザーIDを指定します。
パスワードプロテクション制御機能を有効にした場合,ストレージシステムの初期登録時は,このパラメーターの指定は必須です。それ以外の場合は省略できます。
Account Authenticationが有効な場合は,ストレージ管理者用(参照および更新)およびアカウント管理者用(参照および更新)の権限があるユーザーのユーザーIDを指定してください。

SMI-S enabledストレージシステムの場合:
SMI-SプロバイダーにアクセスするユーザーIDを指定します。
初期登録時は必須です。情報更新の際は,省略できます。
arraypasswd※2 必須または任意 ユーザーパスワード

VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,Hitachi USP,およびHUS VMの場合:
ストレージシステムにアクセスするためのユーザーパスワードを指定します。
初期登録時は必須です。情報更新の際,ユーザーパスワードに変更がなければ省略できます。

HUS100,Hitachi AMS2000/AMS/WMS,およびHitachi SMSの場合:
ストレージシステムにアクセスするためのユーザーパスワードを指定します。
パスワードプロテクション制御機能を有効にした場合のストレージシステムの初期登録時は必須です。それ以外の場合は省略できます。
Account Authenticationが有効な場合は,ストレージ管理者用(参照および更新)およびアカウント管理者用(参照および更新)の権限があるユーザーのユーザーパスワードを指定してください。

SMI-S enabledストレージシステムの場合:
SMI-Sプロバイダーにアクセスするためのユーザーパスワードを指定します。
初期登録時は必須です。情報更新の際は,省略できます。
protocol※1 任意
(HUS100
Hitachi AMS2000
Hitachi SMS
SMI-S enabledストレージシステム)
プロトコル

HUS100,Hitachi AMS2000,およびHitachi SMSの場合:
ストレージシステムにアクセスするためのプロトコルを指定します。
指定できる値を次に示します。大文字と小文字は区別されません。
- Non-secure:非SSL通信をする
- Secure:SSL通信をする
- Either:SSL通信を優先する
ストレージシステムを初期登録する場合に,このパラメーターを省略したときは,Eitherが設定されます。
Hitachi AMS2000またはHitachi SMSでSecureを指定する場合に必要なファームウェアのバージョンはx84x/x-x以降です。

SMI-S enabledストレージシステムの場合:
SMI-Sプロバイダーのデータ転送プロトコルを指定します。
指定できる値を次に示します。大文字と小文字は区別されません。
- Non-secure:HTTPを使用して通信する
- Secure:HTTPSを使用して通信する
SMI-S enabledストレージシステムを初期登録する場合に,このパラメーターを省略したときは,Secureが設定されます。
portnumber 任意
(VSP Gx00モデル
VSP Fx00モデル
SMI-S enabledストレージシステム)
ストレージシステムにアクセスするためのポート番号

VSP Gx00モデルおよびVSP Fx00モデルの場合:
SVPにアクセスするためのポート番号(RMIレジストリーサービスのポート番号)を指定します。
ストレージシステムを初期登録する場合に,このパラメーターを省略したときは,1099が設定されます。
情報更新の際,ポート番号に変更がなければ省略できます。

SMI-S enabledストレージシステムの場合:
SMI-Sプロバイダーサービスのポート番号を指定します。
省略した場合,パラメーターprotocolに指定した値に従って次の値が設定されます。
- Non-secure:5988
- Secure:5989
saobjid 任意
(SMI-S enabledストレージシステム)
SMI-S enabledストレージシステムのオブジェクトID
特定のSMI-S enabledストレージシステムの情報を更新する場合,このパラメーターを指定します。
serialnum 任意
(VSP Gx00モデル
VSP Fx00モデル)
ストレージシステムのシリアル番号
SVPが複数のストレージシステムを管理している場合は,必ず指定してください。 

注※1
同一のストレージシステムを,同一マシンにインストールされたDevice ManagerとStorage Navigator Modular 2の両方で管理する場合,ipaddressipaddress2,およびprotocolに指定する値は,Storage Navigator Modular 2で設定された値と一致させる必要があります。

注※2
Hitachi Command Suite製品を使用してデバイスグループで定義されたコピーグループまたはスナップショットグループを管理する場合,useridおよびarraypasswdには,RAID Manager(raidcomコマンドを含む)で指定できる文字を使用した63文字以下の文字列を指定してください。

事前に取得するパラメーター値

family
GetServerInfoコマンドの実行結果から取得してください。実行結果のarrayFamily値 またはdisplayArrayFamily値をパラメーターfamilyに指定してください。
ただし,VSP Gx00モデルまたは VSP Nx00モデルの場合,GetServerInfoの実行結果のarrayFamily値には,HM800とHM850の2種類があります。このため,対象ストレージシステムの実際のモデルにしたがって以下のいずれかの値を指定する必要があります。
  • VSP G100,G200,G400,G600,G800およびVSP F400,F600,F800の場合:HM800
  • VSP G130,G150,G350,G370,G700,G900およびVSP F350,F370,F700,F900 の場合:HM850

displayfamily
GetServerInfoコマンドの実行結果から取得してください。実行結果のdisplayArrayFamily値をパラメーターdisplayfamilyに指定してください。

saobjid
GetStorageArrayコマンドの実行結果から取得してください。実行結果のobjectID値をパラメーターsaobjidに指定してください。

serialnum
GetStorageArrayFromStorageSupervisorコマンドの実行結果から取得してください。実行結果では,serialNumberAn instance of ManagedStorageArrayの下に表示されます。この値をパラメーターserialnumに指定してください。

コマンド実行例

この例では,AddStorageArrayコマンドでストレージシステムのファミリー(ファミリー:R800,IPアドレス:10.197.76.10)にアクセスして,ストレージシステムを検出します。コマンドではユーザーID(root)とユーザーパスワード(rootpass)を指定します。検出されたストレージシステムに関する情報は,Device Managerサーバのデータベースに登録されます。

HiCommandCLI AddStorageArray -o "D:\logs\AddStorageArray.log" 
"ipaddress=10.197.76.10" "family=R800" "userid=root" 
"arraypasswd=rootpass" "displayfamily=VSP G1000/G1500 and VSP F1500"

コマンド実行結果

RESPONSE:
An instance of StorageArray
  objectID=ARRAY.R800.10182
  name=R800#6
  description=VSP G1000 (10182) at 10.197.76.10
  serialNumber=10182
  arrayFamily=R800
  arrayType=R800
  microcodeVersion=80-02-00/02
  agentVersion=08_02_08
  productName=RAID800
  controllerVersion=80-02-00-00/03
  numberOfControllers=4
  capacityInGB=24,046
  cacheInMB=436,736
  sharedMemoryInMB=-1
  numberOfSpareDrives=-1
  freeCapacityInGB=15,213
  allocatedCapacityInGB=8,832
  hihsmCapacityInGB=0
  onDemandCapacityInGB=0
  totalFreeSpaceInGB=32,950
  largestFreeSpaceInGB=7,685
  capacityInKB=25,214,201,311
  freeCapacityInKB=15,952,515,746
  allocatedCapacityInKB=9,261,685,565
  hihsmCapacityInKB=0
  onDemandCapacityInKB=0
  totalFreeSpaceInKB=34,550,805,504
  largestFreeSpaceInKB=8,059,284,480
  multipathSupport=1
  securityStatus=2
  sequenceNumber=10182
  displayArrayFamily=VSP G1000
  displayArrayType=VSP G1000
  numberOfLUs=8,539
  numberOfAllocatedLUs=2,975
  numberOfUnallocatedLUs=5,449
  slprStatus=-1
  openTotalCapacity=25,214,201,311
  openAllocatedCapacity=9,261,685,565
  openFreeCapacity=15,952,515,746
  openHiHsmCapacity=0
  openOnDemandCapacity=0
  imTotalCapacity=0
  imAllocatedCapacity=0
  imFreeCapacity=0
  imHiHsmCapacity=0
  imOnDemandCapacity=0
  mfTotalCapacity=0
  mfHiHsmCapacity=0
  mfOnDemandCapacity=0
  mfAllocatedCapacity=0
  mfUnallocatedCapacity=0
  numberOfOpenAllocatedLUs=2,975
  numberOfOpenUnallocatedLUs=5,449
  numberOfImAllocatedLUs=0
  numberOfImUnallocatedLUs=0
  numberOfMfLDEVs=0
  numberOfAllocatedMfLDEVs=0
  numberOfUnallocatedMfLDEVs=0
  productCode=1
  lastRefreshed=1,408,603,461
  autoFormatLU=0
  statusOfDBInconsistency=0
  configUpdateStatus=0
  openAllocatedActualCapacity=6,231,523,396
  openUnallocatedCapacity=12,631,811,551
  openUnallocatedActualCapacity=11,097,140,703
  openReservedCapacity=3,320,704,195
  openReservedActualCapacity=3,245,206,723
  numberOfReservedLUs=115
  numberOfOpenReservedLUs=115
  numberOfImReservedLUs=0
  distributedMode=-1
  clprNumber=0
  List of 1 CommParameters elements:
    An instance of CommParameters
      ipAddress=10.197.76.10
      userID=root

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